「ブラッシュアップ」という言葉の意味を説明できますか?
ビジネスシーンで多用される言葉であるため、なんとなく意味は理解できるものの、詳細はあまり説明できない、という方もいらっしゃることでしょう。
そこで、本記事では「ブラッシュアップ」という言葉の意味や、正しい使い方をご紹介します。また、似た意味を持つ類語・言い換え表現についてもご紹介。実際に仕事で活かせるよう、正しい知識を身につけましょう。
ブラッシュアップとはどんな意味?
ブラッシュアップ(brush up)とは、「みがきをかけること」「さらによくすること」という意味の言葉です。
企画やプロジェクト、書類、学習内容の見直し……など、作り上げたものやスキルをさらに現状よりもよくすることを指して「ブラッシュアップする」と表現します。 磨き直しを含めて、今以上に腕やスキルを磨き上げるときに使われます。ビジネスシーンでは企画案の練り直しなどに対して用いられ、会話シーンなどでの利用が多く見られます。
ちなみに「ブラッシュアップ」には名詞の「brushup」、動詞の「brush up」が存在しますが、日本でのビジネス用語としては区別なく使用されています。
ブラッシュアップの類語・言い換え表現
ブラッシュアップの類語や言い換え方としては、「練り上げる」「品質向上」といった表現があげられます。
練り上げる
「練り上げる」という言葉は、「計画・文章などを何度も練り直して立派に仕上げる」という意味で用いられます。
例 :
「セミナーのプレゼンテーション資料を練り上げる」
「制作を依頼された印刷会社の名刺、建築会社のロゴマークのデザインを練り上げる」
「音楽番組のエンディング曲で使用する歌詞を練り上げる」
品質向上
「品質向上」とは、「品物の性質を前より優れた状態に達すること」という意味です。車や電子レンジなどの電化製品、オンラインゲームソフト、ソフトウェア、webデザインツール、クラウドサービス……等、幅広いものを対象に用いることができる言葉です。
一旦完成した製品・商品の質を向上する、という用いられ方をする点で、ブラッシュアップとは少々使用シーンが異なります。
ビジネスにおけるブラッシュアップの使い方・例文
ビジネスの現場で「ブラッシュアップ」という言葉は、以下のようなケースで使用されます。
- 新規企画や新規プロジェクトなどに対して
「〇〇をブラッシュアップする」 - 契約書・会議資料・マニュアルなどの各種資料に対して
「〇〇のブラッシュアップを図る」
例文 :
「このプロジェクトを遂行する為には今ここにある提案書では少し弱いと感じました。市場調査もした上で提案書を今一度ブラッシュアップする必要があります」
「弊社としても有意義な取り組みでありますので、このプロジェクトにつきましては更にブラッシュアップを図りたいと思います」
「来週のミーティングの概要をブラッシュアップし、限られた時間で有効な話し合いとなるようにお願いします」
【英語】brush upの言い換えはrefineが適切
「brush up」の意味はいくつかありますが、英語圏で使われる際にはコートにブラシをかける、「磨き、身繕い」としての定義が一般的です。そのほかにも「(忘れかけた学問などの)再勉強、磨き直し」といった意味もありますが、日本語のようにビジネスでのアイデアや書類に対して使用されることは一般的ではありません。
「ブラッシュアップ」のニュアンスに近い言葉としては、「(~を)改良する、洗練する、(~に)磨きをかける」といった意味の「refine」という単語が適切です。
例 :
Your theory is interesting but it needs refining.
(君の理論は興味深いがもっと磨きをかける必要がある。)
ブラッシュアップのメリット
ブラッシュアップはビジネスにおいてさまざまなメリットをもたらします。ここでは、ブラッシュアップのメリットを大きく2つに分けて紹介します。
完成度を高めることができる
ブラッシュアップは、商品や企画などの完成度を高めることにつながります。例えば、すでに当初の予定では完成だった商品でも、そこからさらにブラッシュアップを行い何度も試行錯誤すれば、よりよい状態にできるかもしれません。
新たな課題や問題点が見つかることで、より高い完成度の商品を作り上げることができます。
業務効率化につながる
現状の業務をブラッシュアップすることで、業務効率化にもつながるでしょう。
いつも行っている作業をあらためて見直すことで見えてくることもあるはずです。そこで浮かび上がる問題を解決していけば、業務効率の改善につながります。