30年以上続く日本テレビの科学バラエティ番組『所さんの目がテン!』(毎週日曜7:00~)が行っている長期実験企画「かがくの里」の取り組みが、環境省主催の「第8回グッドライフアワード」で実行委員会特別賞 環境アート&デザイン賞を受賞した。

「グッドライフアワード」は、環境と社会によい活動を応援するプロジェクトで、社会をよくするSDGsを体現する取り組みを「環境大臣賞」として幅広く表彰しており、番組の内容が「自由な発想とアイデアにあふれ、遊び心のある環境保護の取組」として高く評価されたことで受賞に至ったという。地上波テレビ番組では初の受賞となる快挙だ。

番組メインMCの所ジョージが、「日本中がオレのことをもっと褒めてほしいね!」とジョークをはさみつつ、受賞について喜びを語ってくれた――。

  • 受賞の喜びを語る所ジョージ

    受賞の喜びを語る所ジョージ

■「お互い様でうれしい」

「この賞をいただけたのは、すごいことです。科学の先生方あってのことですけど、多分先生たちだけで村を作っても賞にはひっかからない。かといって、テレビ側の人間だけで村を作ったとしても、たぶんもらえなかった。この『目がテン!』という長く続けてきた、角が立たない、い~い感じの番組の存在が重なって、受賞となったんじゃないかな。だから、科学の先生たちをオレは褒めます。科学の先生たちはオレを褒めろっていう(笑)。そういことなんですよ、お互い様でうれしいですよ」という所。

「かがくの里」は、茨城県にある約2,000坪の敷地を舞台に、様々な分野の科学者たちが知恵を出し合って「里山再生」を目指す企画。これまでにも絶滅危惧種の養殖に挑戦したり、小麦や芋、かぼちゃなどの農作物を育て味覚を味わったりするなど、2015年1月から放送している長期企画だ。6年近く続いている長期企画だからこその関係も生まれているという。

「最初の頃はお互いに“大学の先生!”、“芸能界の上のほうにいる人!”って空気で、ちょっとよそよそしい感じだったんですけど、徐々に里に集まって顔を合わせているうちに、こっちも人柄がわかるようになってきて、あっちもだんだんオレのほうに近づいてくるんですよ。仲間になった感じですよね。阿部くん(かがくの里専任プレゼンター)もね、講習を受けたり、何年もやっているうちに仲間になってる。番組中では面白おかしく“役に立たない”なんて言ってますけど、役に立ってますよ」

■最初は行くのに気が進まなかった時期も…

科学者の先生たちや番組出演者以外にも、「人の面白さ」に着目する。

「近所に西野さんという地元の人がいるんです。この人がね、面白いんですよ。それにめちゃくちゃ役に立つ! こんなご時世だから、スタッフもなかなか足を運ぶことができない間も、彼が里を整備してくれて、頼まれもしないのに柵を作ったりしてくれるんだよ。きっと周囲の人たちから『目がテン!見たよ』とか言われて、いい気になっているんだよ。いいね! どんどんいい気になってもらいたいね。環境省も西野さんに表彰状を送るべき(笑)」

所自身も里の“仲間”の1人として、様々な体験を重ねている。企画が続いていくうちに、里に愛着がわいてきたという。

「最初の頃は、遠いし、車の運転も自分でできないしで、行くのも気が進まなかった時期もあったんだけど、今は『ミツバチは今どうなってるのかな』とか、『今年はウナギは獲れているのかな』とか、番組の中では『うな重食べたいな~』とか冗談を言ってますけど、やっぱり里のことが気になっちゃうもんね」