俳優の工藤阿須加、橋爪功、田辺誠一、女優の富田靖子が、来年1月23日にスタートするテレビ朝日系ドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(毎週土曜 23:00~23:30)に出演することが8日、明らかになった。

  • (上段左から)工藤阿須加、橋爪功 (下段左から)田辺誠一、富田靖子=テレビ朝日提供

女優の小芝風花が、数々のヒットヒューマンドラマを手がけてきた脚本家の橋部敦子氏と初タッグを組む同ドラマ。初めてのデリケートな感情を持つ役柄で、新境地に挑む。 

主人公・清水萌子美(小芝)は、ヌイグルミや石や植物など、感情を持たないとされているモノの気持ちがわかってしまうという繊細な“感覚”の持ち主。工藤は、自分の殻に閉じこもりがちな萌子美を心配する兄・俊祐を演じる。

優しすぎるがゆえ、家庭で存在感が薄い父親・伸寛に田辺、娘を心配するあまり過干渉になっている母親・千華子に富田が決定。橋爪が、家族の間に波紋を起こす母方の祖父・須田観役に。

本作では、萌子美が自分らしく生きようと勇気を持って新たな一歩を踏み出す姿と、そんな彼女を支える家族の心情が描かれる。萌子美の家族は、兄、父、母と誰もが萌子美の行く末を心配しつつ、一見穏やかに暮らしてきた。

しかし、萌子美が気持ちをはっきり示すようになったことで、家族が抱える問題が露呈していく。さらに長い間音信不通だった母方の祖父が突然、萌子美たちの前に現れ同居することに。この出来事も家族の生活に変化を起こすきっかけとなる。

また、水沢エレナと内藤理沙が、俊祐が切り盛りする花屋の店員役で出演する。

工藤、田辺、富田、橋爪のコメントは以下の通り。

■工藤阿須加
“常識、固定概念、価値観”それぞれ持っているものを崩し柔軟に受け入れる事は簡単なようで難しい事だと思います。モコミのように不思議な力をもった人が側にいた時に素直に信じ、受け入れられる大切さをこのドラマを通して感じていただきたいです。家族ならではの葛藤も描かれていますし、リアルな家族の掛け合いも楽しみの1つだと思います。
俊祐は自分の居場所を自分で作ったことがありません。好青年で周りからも好かれるけれど、屈折してる部分ももっていて、ただ優しいだけじゃない一面も持ち合わせている役柄もしっかり表現していきたいです。
僕は5人兄妹の長男で、妹がいるのでモコミを演じる小芝さんとコミュニケーションを取りながら本当の兄妹のような関係性を築けていけたらと思います。家族の形というのは、ご家庭によって様々あるようにモコミの家族の在り方、葛藤、成長、幸せ、温もりを視聴者の皆様に素敵な時間として届けていきたいと思っていますので楽しみにしていてください。

■田辺誠一
萌子美の抱えている問題って、人との関わりで悩むという意味では非常に現代的。さらに家族にも問題があって、そのどれもが“今ならでは”のものです。夫婦のパワーバランスや親子の関係性もリアル。家族間の会話は見てくださる方に共感してもらえるのではないでしょうか。ただ、清水家は基本“ホッコリ系”です。ドラマを見終わったとき「家族っていいな」と思ってもらいたいですね。
伸寛と千華子のような夫婦も、世間的に多々いると思います。家族の幸せを維持するために伸寛はこういう夫婦関係を良しとしていますが、そのうちいろいろ起こるかもしれないですね。僕としては、家庭における父親の悲哀とまでは言いませんが、「お父さんだっていろいろあるんだよ」というところを演じたいです。奥さん側には「何言ってるのよ!」と一喝されそうですけど(笑)。
僕だけの“感覚”といえば、自宅にパソコンを置いてある部屋があって、スリープ状態のパソコンが、僕が部屋に入ると何もしなくても起動するんですよ。それってすごくないですか(笑)? 萌子美の感覚って、僕は誰もが持っているものだと思うんです。ただ、いろいろとせわしない世の中で薄れているだけの気がします。モノの気持ちが分かるってことは、他人を思いやることにも繋がると思います。その温かさが伝わる作品にしていきたいですね。

■富田靖子
ちょっとファンタジックな設定のこの作品は、私の好きなテイストです。萌子美のセリフに「窓が泣いている」というのがあって、それをどう映像化するのか、視聴者としても楽しみです。橋部さんの作品に出演するのは初めてになります。萌子美だけでなく各登場人物の心情が丁寧に描かれていたので、一気に引き込まれました。
母親って出産してから少し経つと、“ガルガル期”というものが訪れるそうです。子どもを守らなくてはいけないと本能で思って、攻撃的になってしまうことで、千華子は萌子美のこととなると、ずっと“ガルガル期状態”だと思います。さらにもともと人の話を聞かない性格だから、周りは手が付けられないですよね(笑)。最近、いろいろなタイプの母親を演じさせていただいていますが、千華子を演じることで、一個人としても母親である私にさまざまなことを気づかせてくれるのではないか、と思っています。千華子はきっと、子離れができていないと思います。夫の伸寛さんは本当に包容力がありますよね。とはいえ、物語が進むにつれて千華子にも大変なことが起きるのではないかと覚悟をしています。
私に萌子美に似た感覚があるとすれば、セリフを覚える能力でしょうか。大体真夜中ですけど、台本を読んでいると突然、「あ、今からセリフが“入ってくる”」という瞬間があるんです。清水家は誰もが家族のことを思いやっています。だからこそ、傷つけあってしまう。その切なさの先に幸せが待っているといいですね。ぜひ千華子でなく、萌子美の優しい視点でドラマをご覧ください。

■橋爪功
今回はとにかく孫の萌子美にくっついていようと思います(笑)。観は孫娘がかわいくてしかたないんでしょうね。気が合うというか、空気感が一緒なのかな。側にいて、見守りますよ。多分、観は良い人だと思います。“悪人”じゃあないですよ。でも、過去に問題を起こしていたらしいから、また何かやらかしてしまうかもしれないですね(笑)。観はお金がないと言いつつ、格好も何だかおしゃれ。ちなみに頭に巻いているバンダナは僕の私物です。奥さんが好きで買ってくるものがあるんだけれど、思いつきで巻いてみました。結構数があるので、どうせなら毎シーン変えようとか思っていますよ(笑)。萌子美役の小芝さんは、どこか不思議な空気が漂っているお嬢さんでした。彼女となら、変に作り込まなくても、良い関係が築けるだろうし、面白いドラマが作れる気がしています。

  • 左から水沢エレナ、内藤理沙 =同