映画『私をくいとめて』(12月18日公開)特別試写会が7日に都内で行われ、宇垣美里、牛窪恵、大九明子監督が登場した。

  • 宇垣美里

    宇垣美里

同作は作家・綿矢りさによる同名小説の実写化作で、ロングランを記録した『勝手にふるえてろ』の大九明子監督が監督・脚本を務める。30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子(のん)は、脳内の相談役「A」と一緒に平和なおひとりさまライフを過ごしていたが、ある日年下の営業マン・多田くん(林)に恋をしてしまう。きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へ踏み出すことにする。第33回東京国際映画祭」(TIFF)の観客賞も受賞した。

自身の脳内相談役は? という質問について、宇垣は「います。相談役というか、発破をかける人が心の中に住ん出るので『やれ、やれ!』と言ってくれるんですけど、色んなタイプの相談役が人の心には住んでるんだろうなと思います」と明かした。

事前に全国の25歳〜35歳の女性にとったアンケートでは、恋愛に慎重に相手を見極めようとする今時の女性たちの様子が明らかに。またイベントを配信していたLINE LIVEでは「お一人様がいいか、お二人様がいいか」という質問に視聴者の意見が拮抗するという状態にもなった。

大九監督は、同じ質問に「何人の家族になろうが、何人と仕事してようが、常に1人であるという感覚が拭えた時がないので、恋愛をするからお二人様なのかというとそうでもないし、なんとも言えないですね」と慎重に答える。「恋は、しないよりはしたほうがいいと思います。必要悪くらい。しんどい部分もあるけど、恋より楽しいことはないという感じもあるし、チャンスがあるならしたほうがいいと思います」と結論づけていた。

宇垣も「もちろん、1人でいるのはとてつもなく孤独なんですが、びっくりするくらい自由で。その楽しみもある一方、どれだけ人と一緒にいても芯からわかり合うことは絶対にできないと思っていて」と持論を展開する。「ただ、たまに指が少し触れ合うような、伸ばした伸ばした伸ばした手の先がちょっとだけ触れるような瞬間があって。人と一緒にいて良かったとか、手を伸ばして良かったと思う瞬間が、恋愛や、人と向き合う根元の力になるのかな。それがあるから人と一緒にいられるんだと思います。わかりあえることはないけれど、たま〜にあるから」と語ち、「違う生き物ですから」と頷いていた。