ここまでは豊島将之竜王が2勝、羽生善治九段が1勝

将棋のタイトル戦、第33期竜王戦七番勝負第4局(主催:読売新聞社)が11月26、27日の日程で鹿児島県「指宿白水館」で行われています。豊島将之竜王に羽生善治九段が挑戦する本シリーズはここまで豊島竜王の2勝1敗。本局を豊島竜王が制し、防衛まであと1勝とするのか、それとも羽生九段がタイの成績に戻すのか注目です。

11月7、8日に行われた第3局の後、体調を崩してしまった羽生九段。12、13日に行われる予定だった第4局が延期となり、第5局の日程として組まれていた26日より第4局が行われることになりました。

17日の王将戦挑決リーグの対木村一基九段戦で復帰した羽生九段は、この対局に勝利。20日の王将戦挑決リーグ最終局では、プレーオフ進出の可能性を懸けて豊島竜王と対戦するも敗戦。しかし、23日に行われた佐藤康光九段とのA級順位戦では日付の変わる大激闘を制しました。

一方第3局以降の豊島竜王も充実の内容です。17日の王将戦挑決リーグでは永瀬拓矢王座との4連勝同士の一戦で敗れたものの、20日には前述の羽生九段との対局で勝利。全勝の永瀬王座が最終局で敗れたため、30日に行われるプレーオフに進出することになりました。さらに22日には第41回日本シリーズJTプロ公式戦決勝で永瀬王座を破り優勝。通算3度目の棋戦優勝を果たしました。

豊島竜王-羽生九段戦といえば、後手番勝率が高いことが知られています。両者の対戦成績は豊島竜王の19勝18敗と拮抗していますが、先後別成績では後手が25勝12敗のダブルスコアとなっています。そのデータに違わず、竜王戦はここまで後手が3連勝中。直近の対戦である王将リーグ最終局では豊島竜王が先手で勝利したものの、それまでは後手が10連勝していました。

豊島竜王が先手番で9時に始まった対局は、横歩取りの戦型になりました。やがて局面は王将リーグの両者の対局とほぼ同一に。違いは1筋の端歩の突き合いのみです。

31手目、豊島竜王は▲3六歩と着手。1筋の突き合いがなかった前述の対局では▲3六飛と指していました。その将棋は豊島竜王が勝利したものの、中盤では押されていた内容だったため、手を変えたのでしょうか。それとも1筋の突き合いがあるからこその一手なのか。

持ち時間8時間の2日制の本局は、26日の18時に封じ手を行い指しかけに。27日の9時から再開となり、夕方から夜ごろに決着する見込みです。

対局開始前の様子。先に入室して待つ羽生九段。奥はこれから入室する豊島竜王(提供:日本将棋連盟)
対局開始前の様子。先に入室して待つ羽生九段。奥はこれから入室する豊島竜王(提供:日本将棋連盟)