YouTubeは、芸人ではないタレントがメインのバラエティコンテンツを発信できるのも魅力の1つだ。カツオ氏は、俳優の原田龍二が温泉愛・風呂愛を語る『原田龍二の湯~チューブ!』などを手がけている。

「結構、芸人さんと単独ライブをやる感覚と近いんです。企画をどうするか、中身をどうするか、ネタをどうするかと考えていくので、単独ライブのステージを作るか、YouTubeを作るかの違いでしかないんですよ。その企画構築は楽しいですね」と、やりがいを語る。

ほかにも、YouTubeに関わる放送作家として、手応えを感じたのが、芸能人の密着動画だ。「芸能人の方も、みんなまずは“やってみた系”とか“ゲーム配信”とか、YouTubeナイズされた企画をやるんですが、海外では映画俳優などが素顔やプライベートを見せるようなVlog的動画を結構やっているんです。僕らもある芸能人の方でそれに注力して進めたら、その芸能人自体のブランディングがめちゃくちゃハネ上がっていくのを感じたので、芸能人のYouTubeチャンネルとしては、新たな成功体験だったと勝手に自負しています」と胸を張る。


■企業や地方自治体も興味

また、自身では“YouTubeキュレーター”として、YouTubeチャンネルを紹介するチャンネルを運営し、「忙しい人はどうしても、レコメンドで自分の好みの動画ばかり見ることになってしまうので、常にアンテナを張って特化した人たち、ぶっ飛んだ人たちの動画を検索して紹介しています」。

さらに、芸能人に続いて、企業や地方自治体が興味を示していることに着目。「YouTubeって再生回数を稼ぐことも重要ではありますが、やっている人たちのブランド力を上げることが一番の意義だと思っているんです。だから、今度は“人”じゃなくて、“会社や団体”のお手伝いというのにも力を入れていこうと思っています」と、さらに視野を広げて活動していくようだ。

●カツオ
1980年、東京都生まれ、早稲田大学在学中に劇団「盗難アジア」を旗揚げし、05年まで劇団主宰・俳優としても活動。同時に放送作家として活動するかたわら、「YouTubeキュレーター」としてYouTubeチャンネルを運営する。現在の担当番組は、テレビ『全力!脱力タイムズ』『千鳥のクセがスゴいネタGP』『有吉ぃぃeeeee!』『フリースタイルダンジョン』など、YouTube『原田龍二の湯~チューブ!』『バスケットテクニーク』など。YouTubeでも活躍する放送作家の長崎周成氏、白武ときお氏、谷田彰吾氏、山口トンボ氏と共著『YouTube作家的思考』(扶桑社)を刊行。