JR九州の特急形電車787系1編成を全面的にリニューアルした新D&S列車「36ぷらす3」が10月16日にデビューする。金曜日ルート「黒の路」から月曜日ルート「金の路」まで、4日間かけて九州各地を巡る予定となっている。

  • JR九州の新D&S列車「36ぷらす3」がついにデビュー

「36ぷらす3」は、「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった“走る九州”といえる列車」をコンセプトに、全車グリーン車の6両編成(1~3号車はグリーン個室、5~6号車はグリーン席)で運行。当初は10月15日にデビューする予定だったが、「令和2年7月豪雨」の影響で肥薩おれんじ鉄道の一部区間が不通となっているため、木曜日ルート「赤の路」(博多発鹿児島中央行)の販売が保留となった。10月16日の金曜日ルート「黒の路」(鹿児島中央発宮崎行)から運行開始する。

各ルートとも九州ならではの車窓風景や地域の「美味」を楽しめるほか、“おもてなし駅”“特別停車駅”が設定され、停車中に地元の特産品販売など実施予定。4号車のマルチカーにて、体験メニュー(有料)や車内イベント(無料)も行われる。鉄道ファンとしても興味深い内容だが、では木曜日ルートを除く4日間のうち、最も興味がある・乗ってみたいルートはどのルートなのか。マイナビニュース鉄道カテゴリのTwitterアカウント(@tetsudomynavi)を活用し、アンケートを行ってみた。

1日で集まった票数は計232票。アンケートの結果、1位は月曜日ルート「金の路」で31.9%となった。このルートは博多~長崎間で運行され、往路は博多駅10時51分発(月曜日が休日の場合は11時5分発)・長崎駅15時36分着で、途中の肥前浜駅に約60分間停車する。復路は全ルートで唯一のディナータイム運行とされ、長崎駅17時30分発・博多駅21時3分着を予定している。

  • 「36ぷらす3」はしばらくの間、金曜日から月曜日まで4日間運行。アンケートを行った結果、最も興味がある・乗ってみたいルートは月曜日ルート「金の路」が1位に

他の3ルートはおもに日豊本線を走行する。金曜日ルート「黒の路」は鹿児島中央駅12時16分発・宮崎駅15時57分着で運行され、桜島と錦江湾、霧島山麓の森の車窓風景を眺められる。途中、大隅大川原駅・青井岳駅に停車する。

土曜日ルート「緑の路」は宮崎空港駅11時25分発・別府駅16時46分着。九州東海岸の車窓風景を楽しめる。宮崎リニア実験線の跡地も見ることができ、普通列車の少ない区間にある宗太郎駅・重岡駅に連続して停車するなど、鉄道ファン目線での楽しみもある。日曜日ルート「青の路」は大分駅11時30分発・博多駅16時32分着で運行され、門司港駅で自由散策も予定しているという。アンケート結果は土曜日ルート「緑の路」25.9%、金曜日ルート「黒の路」24.1%、日曜日ルート「青の路」18.1%の順となった。

  • 宗太郎駅に停車中の「36ぷらす3」。普段は普通列車が上り2本・下り1本しか停車せず、「秘境駅」に挙げられることもある

  • 1号車のグリーン個室は畳敷きの開放的な空間に

なお、今回のアンケートでは選択肢から外したが、木曜日ルート「赤の路」に乗ってみたいというコメントも見られた。このルートは博多駅9時52分発(木曜日が休日の場合は9時58分発)・鹿児島中央駅16時24分着で運行される予定。1992(平成4)年にデビューした787系の特急「つばめ」が走行したルートであり、787系を全面リニューアルした「36ぷらす3」で同じルートをたどりたい、当時を追体験したいと考える人が多いようだった。

肥薩おれんじ鉄道は「令和2年7月豪雨」の不通区間に関して、11月1日から全線で営業運転を再開すると発表した。JR九州は「36ぷらす3」の木曜日ルートについて、不通区間の復旧の見込みが立ち次第、改めて運行計画を案内すると説明している。木曜日ルートも運行開始し、5日間かけて九州7県を巡る「36ぷらす3」の姿が見られる日を楽しみに待ちたい。