続々とスタートする秋ドラマの中でも注目を集める1つが、深田恭子主演の『ルパンの娘』(15日スタート、フジテレビ系 毎週木曜22:00~)。昨年7月期に放送された人気作の続編で、個性豊かなキャスティングや、奇抜なキャラクターデザイン、突飛な怪盗アイテム、アクションにミュージカルが入り乱れる賑やかな作風など、前作以上に突き抜けた世界観が期待される。

このメイン演出を手がける武内英樹監督に、制作の裏話や今作でパワーアップしている点などを聞いた――。

  • 『ルパンの娘』主演の深田恭子 (C)フジテレビ

    『ルパンの娘』主演の深田恭子 (C)フジテレビ

■前作終了からすぐに続編決定

前作は最高視聴率が最終回の9.8%(世帯、ビデオリサーチ調べ・関東地区)と決して高い数字ではなかったが、大きな反響があったそうで、「Twitterでトレンド世界第2位になったり、インターネットでの反響が大きかったですね。SNSを見ていてもとても楽しんでもらってるなというのが伝わってきたので、数字はそれほどでもなかったんですけど、そういう声を頼りに自信を持って、楽しんで作っていったという感じです」と語る武内監督。

「全話10%いかなかったり、トレンド世界1位じゃなくて2位だったり、そういう中途半端な感じが『ルパンの娘』らしさなのかなと思うんですけど(笑)」と苦笑いしつつ、反響の大きさを受け、前作が終わってすぐの時期に今回の続編が決定した。

数字では見えない評判の中には、想定していなかったものもあったそう。「木曜10時という枠でありながら、子供のウケがすごく良かったんですね。録画したものを翌日親子で一緒に見るというようなケースも多かったみたいで、子供にも刺さるんだなと分かって意外でした。だから今回は少し、親子で楽しめるというのも意識して作りました」と、前作以上に親子でも楽しめる工夫が施されているようだ。

■自由すぎる作りで原作者の反応を心配も…

『ルパンの娘』は、横関大氏のミステリー小説を原作にしているが、泥棒スーツに変身したり、ミュージカルシーンが登場したりするなど、オリジナル要素がふんだんに盛り込まれている。原作者はどんな感想を持っているのか尋ねると、「プロデューサーじゃないので原作者と直接お会いできていなくて僕も心配してるんですけど(笑)、聞いてる話だと、先生はすごく喜んでくれていて、もっと自由にやってほしいとか、刺激を受けてくれていると聞いております」

そんな原作者の好反応もあり、現場では大いに楽しんで制作している様子だ。

「とても自由度の高い作品なので、プロデューサーと脚本家と3人でワチャワチャしながら作っています(笑)。『ドラえもん』を作っているような感覚もあって、“こんな道具が出てきたらこんなことが起こる”とか、“こんなガジェットが出てきたらこんな遊びができる”とか、無限大なんです。だからちょっと童心に返って作っているようなところがありますね」

現場の楽しさが画面にも伝わっていたことが、作品の評価を高めた要因にもなっていたのだろう。