俳優の妻夫木聡が主演、女優の吉高由里子がヒロインを務めるTBS系日曜劇場『危険なビーナス』(毎週日曜21:00~)が、きょう11日にスタートする。第1話の見どころを、10日に行われた制作発表会での妻夫木らのコメントを交えて紹介する。

  • 『危険なビーナス』第1話の場面写真

本作は、東野圭吾氏の同名小説が原作のラブサスペンス。正義感が強く真面目な独身獣医の主人公・手島伯朗(妻夫木聡)が、突然現れた「弟の妻」と名乗る謎の美女・矢神楓(吉高由里子)と共に失踪した異父弟・明人の行方を追ううちに、矢神一族の遺産争いに巻き込まれていくというストーリーだ。

妻夫木が2004年4月期の日曜劇場『オレンジデイズ』以来、16年ぶりにTBSの連続ドラマで主演を務めることでも注目を集めている本作。妻夫木は「16年経ったというのは信じられなかったです。それくらい時間が空いてTBSのドラマに帰って来られてうれしく思います。16年前の自分に恥じない芝居ができればいいなと思います」と喜びと意気込みを語った。

妻夫木演じる伯朗は、池田動物病院の院長代理として勤務する獣医。5歳の時に父親が亡くなり、その後母親が矢神家の御曹司と再婚し矢神家の一員となったが、矢神の血を引く弟とは異なり、連れ子である伯朗は一族の中で肩身の狭い思いをして生きてきた。そのため、矢神家から姓を抜き、一族とも縁を切る選択をした。

伯朗は正義感が強く真面目な性格だが、美女にはめっぽう弱く、妄想癖がある。第1話で楓が現れるシーンで早速、妄想が炸裂。毎話、さまざまな妄想が登場するそうで、妻夫木曰く、「基本的には、吉高さんと中村さんのお二方にお付き合いいただくことが多くなってきます」とのこと。楓と、中村アン演じる池田動物病院の看護師・蔭山元美との妄想シーンにも注目だ。

楓は、明人(染谷将太)の失踪を伯朗に伝え、矢神の血を引く明人には総額30億円とも言われる遺産の相続権があり、現当主が危篤状態にある今、その遺産を狙う親族が明人をさらったかもしれないと訴える。母の死後、矢神家とは疎遠になっていた伯朗は、一族とは関わらないと決めていたが、困っている女性を放っておけず、楓と共に矢神の屋敷へ向かう。

矢神の屋敷で、一族の面々と再会する伯朗。矢神家の養子・勇磨(ディーン・フジオカ)、矢神家の現当主・矢神康治(栗原英雄)の実妹・矢神波恵(戸田恵子)、矢神家前当主である康之介の養女・矢神佐代(麻生祐未)らは伯朗を部外者扱い。そして、遺産相続の話し合いのタイミングで突如現れた楓を怪しむ。

一族と伯朗、楓とのシーンでは、そうそうたる俳優陣が豪華共演。一族の高圧的な態度、昔のトラウマを思い出して改めて一族に対して嫌悪感を抱く伯朗、一族に怪しまれながらも明人失踪の手がかりをつかもうと積極的に行動する楓、それぞれの動きから目が離せない。

昔から伯朗のことを見下し、事あるごとに挑発してくる勇磨の言葉に伯朗が怒り、手を出す場面も。2人の迫真の演技は見ごたえたっぷりだ。ヒール役への挑戦について「めっちゃ楽しいですね」とやりがいを口にしていたディーン。嫌味たっぷりの言葉攻めに注目してほしい。

さらに、会見で明かされた楓の伯朗へのビンタも登場。左利きの吉高は、右手でビンタすることになり、「加減がわからなくなってしまった」と打ち明け、強烈ビンタを受けた妻夫木は「思い切りやってもらったほうが感情が入りやすいので、すごく愛のある一発をいただいて僕はすごくうれしかった」と振り返っていたが、伯朗と楓にいったい何があったのか。

お人好しの伯朗と自由奔放な楓にぴったりとハマっている妻夫木と吉高。推理するシーンなどで長台詞があり、初共演の妻夫木と吉高を中心とした会話劇が大きな見どころとなる。伯朗が楓に翻弄されるように、視聴者も楓を信じていいのか疑いの目を持ちながら見ていくことになりそうだが、吉高は「周りを振り回してしまうものを持っている女性。すごくいろんな表情を持った人だなとイメージしながらやっています」と役作りについて語っている。

誰が味方で、誰が敵なのか? 人間の欲望が渦巻く壮大な謎解きを、推理を楽しみながら見届けたい。ちなみに、矢神家の屋敷のセットには、高級な家具を使用。じゅうたんだけで1億円かかっているそうで、リアルな重厚感を生み出している。

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