本を読む機会はあっても、なかなか「音読」をすることは少ないでしょう。

しかし、音読には「脳が活性化する」「コミュニケーション能力の向上につながる」といったメリットがあることをご存知でしょうか。

さらには、黙読をしていて「内容が難しく、なかなか頭に入ってこない」といったときにも音読は効果的です。音読をすることにより、本の内容を理解しやすくなるためです。これには、音読をするために内容を理解しようと脳が働くことに加え、自分の声を耳で聞くことで、視覚・聴覚の両方で文章に触れることができることが影響しています。

本記事では、音読によって得られるメリットと、音読におすすめの本について紹介します。

  • 読解力向上にストレス軽減、意外に侮れない「音読」の効果まとめ

    読解力向上にストレス軽減、意外に侮れない「音読」の効果まとめ

音読の効果で得られるメリット

黙読に比べて、音読には多くのメリットがあります。

得られるメリットについての例を以下にまとめました。

  1. 読解力向上
  2. ストレス軽減
  3. 高ぶった感情を抑えられる
  4. やる気がでる
  5. 会話能力向上
  6. 語彙力向上

順に紹介します。

メリット1 : 読解力向上

音読をすることで読解力が向上します。

音読するためには、言葉の意味や文脈の流れなどを意識し、文章の切れ目を考えながら読む必要があります。さらには、目で文字を追いながら、同時にその文章を耳で聞くことで、さらなる読解力の向上が見られ、書かれている内容への理解が深まります。

メリット2 : ストレス軽減

音読をすることでストレスが軽減されます。

意味や文脈を考えながら音読し、それを耳で聞くことは、脳に刺激を与え、気分の落ち込みやイライラを軽減させる働きがあるといわれています。音読をすることで気分がリラックスし、ストレスの軽減が期待できます。

メリット3 : 高ぶった感情を抑えられる

音読をすることで高ぶった感情を抑えられます。

脳の前頭前野が刺激されると「セロトニン」が分泌されます。この物質には興奮したり攻撃的になったりする「アドレナリン」を抑える働きがあるため、高ぶった気持ちが抑えられます。音読をすることで、感情のコントロールが可能になるのです。

メリット4 : やる気がでる

音読をすることでやる気ができます。

物事を始める時、やる気が起きずダラダラしてしまうことはないでしょうか。そんな時に、気分が乗らなくても簡単な目標を立てて行動を始めてしまえば、やる気が起きて作業に取り掛かれることでしょう。簡単な目標を達成することによってやる気が出る状態を「作業興奮」と言います。

音読をすることで、この「作業興奮」を得ることができます。作業興奮を得るためには、音読を5~10分程度するとよいと言われています。

メリット5 : 会話能力向上

音読をすることで会話能力が向上します。

音読を習慣にして、繰り返し行うことで、滑舌が良くなったり、大きな声が出せるようになったりします。そうした効果は、話すことへの苦手意識を薄めることに貢献します。毎日の音読の習慣はコミュニケーション能力向上に寄与することでしょう。

メリット6 : 語彙力向上

音読をすることで語彙力が向上します。

音読するためには、黙読では無意識に読み飛ばしていた単語であっても、読み方が気になり、調べるようになります。わからない言葉を調べる事で知識が増え、語彙力の向上が期待できます。

さらにこれは英語学習でも効果的です。正しい発音を真似して音読することで、リスニング力の向上にも期待できます。英語に限らず、資格勉強などにおいても、音読を活用することで、効率的に知識を得られるようになることでしょう。

  • 音読の効果で得られるメリット

    音読の効果で得られるメリット

音読におすすめの本

文章が書かれている本において、「音読に向いていない本」はないと考えてよいでしょう。しかし、「音読を始めてみたいけれど、膨大な数の本があって選べない」という方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方は、音読向けに作られている本も多数出版されているので、その中から選ぶことをおすすめします。ここでは、音読におすすめの本を4冊紹介します。

  1. 『声に出して読みたい日本語』(草思社)
  2. 『楽しみながら1分で脳を鍛える速音読』(致知出版社)
  3. 『心とカラダを整えるおとなのための1分音読』(自由国民社)
  4. 『脳を鍛える大人の音読ドリル - 名作音読・漢字書き取り60日』(くもん出版)

おすすめの本1 : 声に出して読みたい日本語

1冊目は、草思社から出版されている齋藤孝氏の『声に出して読みたい日本語』です。教育学者としてメディアにも度々出演している同氏の著書で、読みやすいように活字は大きめでルビが振ってあります。

有名な古典の1節や簡単な早口言葉など、読みやすく、聞いて心地よい文章が収録されているため、初めて音読するのに適した1冊と言えます。

おすすめの本2 : 楽しみながら1分で脳を鍛える速音読

2冊目は、致知出版社から出版されている齋藤孝氏の『楽しみながら1分で脳を鍛える速音読』です。こちらも齋藤氏の著作で、音読だけでなく、早く読む速読も同時に行える内容になっています。

速読を行うためには、音読以上に脳を活性化する効果があります。音読に少し慣れた方は、次のステップに進むために読んでみてもよいでしょう。

おすすめの本3 : 心とカラダを整えるおとなのための1分音読

3冊目は、自由国民社から出版されている山口謠司氏の』心とカラダを整えるおとなのための1分音読『です。タイトル通り、1分間で音読できる長さの文章が集められています。

『平家物語』や『吾輩は猫である』など、1度は聞いたことのある文学作品がそろっていて、音読のメリットや読み方などの解説もあります。さらに、「元気が出る音読」「気持ちが落ち着く音読」といったブロックも用意されているため、気分に合わせて音読する内容を選べることも特徴です。

おすすめの本4 : 脳を鍛える大人の音読ドリル - 名作音読・漢字書き取り60日

4冊目は、くもん出版から出版されている川島隆太氏の『脳を鍛える大人の音読ドリル―名作音読・漢字書き取り60日』です。川島氏は、認知症を予防するゲームの開発に携わった脳科学者として知られています。この本は、名作を音読するページと漢字の書き取りをするページがセットになっています。

また、5日ごとに1回前頭前野の働きをチェックするテストが用意されているため、「物忘れがひどくなった」と感じる方にもおすすめです。

  • 音読の効果で得られるメリット

    音読の効果で得られるメリット

音読効果の質を向上させる方法

音読のやり化によって、得られる効果をより大きくすることが可能です。以下のポイントに意識して音読を行うようにしましょう。

  1. 読む文章を変える
  2. 継続を意識する
  3. 耳栓をする

方法1 : 読む文章を毎日変える

まずは、読む文章を毎日変えるようにしましょう。

同じ文章をずっと読んでいると飽きてしまい、脳が刺激を受けにくくなるためです。脳に、多くの刺激を与えるためには、毎日違う文章を読む方が効果的です。自分の好きな本やコラムなど、どんなものでも構いませんので、毎日読み続けて行けば、徐々に効果が感じられるでしょう。

方法2 : 継続を意識する

次に、継続を意識して音読するようにしましょう。

音読は毎日、できれば朝に行うことをおすすめします。朝に脳を活性化することで、活動的な1日を過ごせるようになるためです。慣れてきたら、2~4行をひと息で読む、スピードを上げる――といったことを意識することもおすすめです。

方法3 : 耳栓をする

少し意外かもしれませんが「耳栓をする」ことも効果的です。

耳をふさいだ状態で音読をすることで、骨伝導で体の内側から声が伝わり、耳で聞くのと同じ効果が得られます。さらに、自分の声以外の音が遮断されるため、音読に集中できるというメリットがあります。

大きな声を出すのが難しい環境では、ヘッドフォンなどで耳を塞ぎつつ、小さな声で音読をしてみるのもよいでしょう。

  • 音読効果の質を向上させる方法

    音読効果の質を向上させる方法

音読の効果で得られるメリットを体験してみよう!

以上、音読によって得られる効果について紹介しました。

音読には、読解力が深まり知識が増えることなど、いろいろなメリットがあります。また、朝に音読をして作業興奮を得ることで、1日を活動的に過ごせるようになります。さらには、脳が活性化することで気持ちが安定し、ストレスの軽減にもつながります。

手軽に始められる音読で、この記事で触れたメリットを体験してみましょう。