2013年と2015年に劇場公開され、2017年にはTVシリーズが放送されたアニメ『リトルウィッチアカデミア』。

10月13日には新作VRゲーム『リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを』の発売が予定されており、その主題歌「Dream Flight」も10月9日に配信リリースされることが決定している。今回は主題歌を歌うYURiKAと、作詞・作曲を手掛けた大原ゆい子の対談を実施。TVシリーズでOP・EDテーマを歌ったふたりがタッグを組んだ形となる「Dream Flight」や、『リトルウィッチアカデミア』という作品への想いに迫る。

  • YURiKA

●意外にも、音源化は初! タッグを組んだふたりの想いとは

――まずは『リトルウィッチアカデミア』という作品が、今のおふたりにとってどんな存在なのかからお聞きしたいのですが。

YURiKA 私もゆい子さんもこの作品でメジャーデビューしたんですけど、私個人はアニソンシンガーをずっと目指してきたなかで、最後にしようと決め考えたオーディションを経てのデビューだったんです。何年経っても隣にいるというか……一生添い遂げていくんだろうな、という存在です。

――一緒に歩んでいく存在でもあるし、自然とそばにいる存在。

YURiKA そうですね。帰ってくる場所というか、実家みたいな感じがします。

大原 その“実家”というたとえは、私もすごくしっくりきますね。私も、映画やアニメを通じてたくさんの人に自分の歌を聴いてもらう機会を与えてもらった作品なので、“魔法にかけられてる”じゃないですけど自分を飛ばせてくれたように感じていて。みんなの、そして私の『リトルウィッチアカデミア』……みたいなイメージがあります。

  • 大原ゆい子

――その作品が、今回はVRゲーム化されます。

YURiKA しかもホウキレースって、すごくいいですよね!

大原 うん。「VRでまたアッコ(※主人公:アツコ・カガリ)たちに会えるんだね」みたいな話で、ふたりですごく盛り上がったんですけど……アッコ、飛べるのかな?(笑)。

YURiKA あはは(笑)。それにしても、VRだとキャラクターと横並びになって一緒にいられるわけですから……なんだか夢みたいですよね。

大原 しかも、新しい技術を使ってまだまだ『リトルウィッチアカデミア』を盛り上げていきたいと思ってくださるっていうのが嬉しいよね。

――すぐ隣を、アッコが飛んでいたりするわけですよね。

YURiKA ヤバいですよね! でも、なんか投げてきそう(笑)。

大原 梅干しとか、シュッって飛んできたりして(笑)。

――その主題歌「Dream Flight」は、TVシリーズでOP・EDテーマを歌われたおふたりのタッグによって生まれました。

YURiKA ゲームを作っているUNIVRSさんが、すごく熱望してくださっていたらしいんですよね?

大原 うん。YURiKAちゃんとはツーマンライブをやらせていただいたり、同じ作品のOP・EDを務めたりと一緒に活動することが多かったんです。何より『リトルウィッチアカデミア』でYURiKAちゃんに曲を書かせてもらえるということがめちゃくちゃ嬉しくて。形として世に出るのは初めてだっけ?

YURiKA そうですね。ライブ限定でその日限りの歌をゆい子さんが作ってくれて、それをふたりで歌ったことはありましたけど。私は、元々映画から始まった『リトルウィッチアカデミア』という作品が、TVシリーズの放送が終わってもまだまだ続いていくこと自体がまず嬉しくて。そんなゲームの主題歌を歌わせていただくということにプラスして、曲を通じてゆい子さんのこの作品への想いを託してもらえるということにも、すごく嬉しさを感じました。

――託されたものをリスナーへと届けるという役目の中での、嬉しさと責任感みたいなものが両方あった。

YURiKA はい。元々私は自分で曲を書くことが少ないので、普段から作詞・作曲や編曲してくれた人、演奏してくれる人たちの代表みたいな感じでいるんですけど、今回はそういう想いが特に強くて。「『Dream Flight』の代表です!」みたいな気持ちでいます。

●ホウキレースという主題を反映した、“一緒に飛ぶ”感覚の強い曲に

――曲作りにあたって、大原さんが最初にテーマにしたものはなんでしたか?

大原 UNIVRSさんが「YURiKAちゃんが歌っていたTVシリーズのOPテーマの感じがすごく好き」とおっしゃってくださいまして。そのイメージを受け継ぐような、パッと「あ、始まった!」と感じるようなイメージの曲が欲しいというお話があったんです。私も絶対そういう曲のほうがファンの方も嬉しいだろうなと思っていたので、「自分なりの、YURiKAちゃんが歌う『リトルウィッチアカデミア』の幕開けになる曲を書こう」という気持ちでした。

――特にこだわられたポイントは?

大原 「私には歌えないけどYURiKAちゃんだったら絶対歌えるだろう。これ、聴きたい!」というメロディを目指したところです。ただ「一緒に飛ぶゲーム」というイメージ通り本当に飛んでいっちゃいそうなメロディになったので、かなり勾配があって……でもまぁ、YURiKAちゃんは歌えるんですけど(笑)。

YURiKA あはは(笑)。たしかに、ジェットコースターみたいなメロディなんですよね。サビでは一気に上がるんですけど、逆にAメロとか序盤の部分には低い音があったりするから。でもひっちゃかめっちゃかのようで、でもすごくきれいにまとまっているので、まさにホウキレースみたいな曲なんです! 逆にサビの「隔てるもの一つ無い」のフレーズのあたりでは、ゆい子さんっぽさも感じました。

大原 やっぱりどうしても、自分の色が出ちゃうんです(笑)。

YURiKA でも、それもすごく嬉しいんですよ。ゲームではアッコたちキャラクターと一緒に飛べるわけですけど、それと同じように歌いながら「私、ゆい子さんと歌ってるな」みたいにも感じられるから。

大原 嬉しい……!

YURiKA 歌詞もゲームのアッコに寄り添っている部分もあると思うんですけど、私がゆい子さんに言ってもらっているような気もしたんですよね。ただ元気で明るいだけじゃなくて、落ち込んでいるとか、そういういろいろなことをひっくるめたうえで「でも飛ぶんだ!」みたいな気持ちが歌詞にも込められているように感じたので、それを歌声で伝えられていたら嬉しいです。