2017年にソロデビューを果たし、シングル3枚をリリース。2018年にはデビュー1周年当日に開催したワンマンライブを成功させるなど、目覚ましい活躍を見せる新進気鋭のアニソンシンガー・YURiKA。

  • YURiKA(ゆりか)。10月29日生まれ。埼玉県出身。東宝芸能所属。4歳でピアノをはじめ音楽に触れて育ち、小学6年生でアニソンシンガーを目指す。2014年に日本テレビ『歌唱王』に出演し全国6位、NHK『第1回アニソンのど自慢G』優勝、2016年埼玉県坂戸市で行われたNHK『のど自慢』優勝。2016年「第一回TOHO animation RECORDS 次世代アーティストオーディション」に合格し、2017年1月放送TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』OPテーマ「Shiny Ray」でメジャーデビューを果たす

彼女の2018年初リリースとなるシングルは、表題曲がTVアニメ『はねバド!』のOPテーマに起用された「ふたりの羽根」だ。また今回はアニメ盤・アーティスト盤で異なるカップリング曲を収録し、計3曲の新曲を生み出している。この夏Animelo Summer Live(通称:アニサマ)への初出場も控えた、成長著しい彼女に話を聞いた。

▼歌以外にパフォーマンスからも寄り添う、『はねバド!』への想いに迫る

――まず2月に開催されたワンマンライブ「☆Shiny Stage☆~敢えて言おう、全曲やるぞ!~」のお話からお伺いしたいのですが、本当にいろんなことをステージ上でやられたライブでしたね。

そうですね。デビューからちょうど1周年の日だったんですけど、私の「こういうのをやってみたい」っていう意見をいろいろ聞いていただいて、好き勝手にお祝いさせてもらいました。お客さんも普段応援してくださってる方のほかに「ワンマンだから初めて行ってみるか」っていう人もいたと思うんですけど、みんなで楽しんでくれていたんじゃないかな、と思います!

――そのときの経験で、今回のシングルに活きた部分はありましたか?

ライブでは『リトルウィッチアカデミア』第2クールOPの「MIND CONDUCTOR」の映像では、最初にアッコとロッテとスーシィという主役3人のキャラが手を合わせる絵から始まるんです。それとリンクしたいなと思って、初めて自分も映像を思い出させるような動きをしたんです。今回も「ふたりの羽根」がOPになっている『はねバド!』になぞらえて、ライブ中にバドミントンをやったりしているので、そういうところは今もライブに生きてると思います。

――「ふたりの羽根」を初披露したときに観させていただいていたんですけど、「やっぱ打つんだぁ」と思いまして。

あはは(笑)。もともとシャトルを打ちたいっていうのは、『はねバド!』の歌をうたうことに決まったときから考えていました。だってサインボールがあるなら、サイン入りのシャトルだっていいじゃないですか?「何やってんだ」って言われることもありますけど(笑)。いつもライブでは作品らしさを出したいなと思っているので、私自身はこういう試みは続けたいなと思っています。

――その『はねバド!』という作品へは、どんな印象をお持ちですか?

(羽咲)綾乃と(荒垣)なぎさがメインの物語なんですけど、たとえば(藤沢)エレナにもエレナのストーリーがある。一人ひとりにストーリーとか意味があってバドミントン部にいるんだな、って思いました。私は(海老名)悠ちゃんがいちばん好きなんですよ。

――そのなかで、感情移入したキャラクターは。

うーん……なぎさには、共感してるかもしれないです。アニメの序盤で、なぎさは「私はすごく才能がない」っていうのを若干コンプレックスに思っているところが見えましたよね。私もコンプレックスとまではいかないんですけど、「自分がなにかに秀でている」と思ったことは一切ないんです。**

でも2話で、部活をやめちゃった子たちがなぎさに「バドミントンをとことん好きでいるのがうらやましい」みたいに言っていて、「そうだ、私は好きなものを好きでいる才能はあるわ」って思ったことがあったんですよ。だから「なぎさ頑張れ!」とは思いました。天才型の綾乃も綾乃ですごく魅力的だし、大変なこともあるとは思うんですけど、どちらかというとなぎさのほうが、自分に近いかも? とは思います。

▼アニメの始まりを飾れるように、明るい響きを第一に歌った表題曲

――そして「ふたりの羽根」について、最初に楽曲を聴かれたときの印象はどのようなものでしたか?

いきものがかりの水野(良樹)さんに作曲をしてもらった楽曲というのは最初に聞いていて、はじめはメロディだけをいただいたんですよ。聴いてみたら、突き抜ける底抜けの明るさみたいなものを感じて、王道アニソンというか、OP感もすごく感じましたね。サビも1回聴いたら口ずさめるぐらい頭に残る、わかりやすくて楽しいメロディです。でも、実際歌ってみると、スピード感や躍動感のなかに繊細なところがあってすごく難しかったんです。それがちょっとバドミントンぽいかも? と思いました。本編と合わせて聴くと、爽やかで楽しいという印象から、「実は、ちょっとかっこいい曲なんじゃない?」とも思ったりして。

――かっこよさを感じた。

そうなんです。意味でリアル部活のドロドロ感がある作品なので、本編を観たあとに「ふたりの羽根」を聴いたら、"戦っている感"みたいな印象を受けたという声もいただきました。

――また、バドミントンらしさという部分では、序盤でのストリングスのキュルルルという音色からもシャトルの軌道を連想しました。

その楽器のレコーディングも見学させていただいたんですけど、そのときに水野さんとか、作詞と編曲をされているヤマモト(ショウ)さんとお会いしてお話をする機会もありまして……。

――そのとき、「こういうふうに歌ってほしい」みたいなお話はありましたか?

いや、特にありませんでした。あまりにも大きな存在すぎるので(笑)。「頑張ってください」「はい!」みたいな感じでした(笑)。

――レコーディング終わってから、なにか感想やメッセージみたいなものはありましたか?

直接いただく機会はなかったんですけど、「ふたりの羽根」のクレジット解禁のときに、私の声を「明るいけどしなやかさがある」と言ってくださったのがすごくうれしくて。あまりそうやって言われたことがなかったので。

――その歌声からは、OPらしいワクワク感を強く感じたのですが、YURiKAさんも歌っている最中、明るさとかワクワクが前面に出てきていたのでしょうか?

そうですね。やっぱりOPって毎週アニメの頭に聴くものなので、「ここからアニメ始まりますよ」という"開いた感"がしっかり欲しかったんですよ。なので、明るく響くようにを第一にして、プラス自分を引き出していくというか「とにかくテンションを上げていけ!」という気持ちで歌っていきました。音やことばをいただいて歌っているので、私の歌ではあるんですけど私だけの歌ではないと思っているんですよ。いただいた曲を、うまく背負えていたらいいなと思います。

――ちなみにこの曲でも、MVを撮られて。

はい。よく晴れた日に外で撮ったので、超日焼けしました(笑)。

――今回も、ストーリー仕立てなものになっているんですよね。

そうですね。でも「鏡面の波」とはまたちょっと違う感じでした。タイトルになぞらえてふたりのYURiKAが出てくるんですけど、羽根を見つけて「この羽根なんだろう?」と旅をしていって。最後には歌をうたう、ちょっとキラキラとした自分に出会う……みたいなものになっています。まずはリリースまではそちらを観て、楽しみにしていてほしいですね。