9月7日からスタートしたニッポン放送の新番組『ザ・ラジオショー』(毎週月曜~毎週金曜 13:00~15:30生放送)。同番組は、月曜~木曜日をナイツが、金曜日を中川家がそれぞれ担当している。

『ナイツ ザ・ラジオショー』として、月曜~木曜日のパーソナリティを務めるナイツの塙宣之と土屋伸之は、同局の『ラジオビバリー昼ズ』、TBSラジオの『土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送』と合わせ、毎週15時間半もラジオの生番組に出演している。

そんな2人であるが、「漫才自体はそんな急にできなくなるわけじゃないので、ラジオもやりつつ、バランスよくやった方がいいのかなと」(塙)、「ラジオが増えて、なにかが減るという感覚はあまりないです」(土屋)とそれぞれ語る。

ここまでの放送を振り返っての手ごたえや各曜日パートナーについて、裏番組に対する思いなどについて聞いた。

■塙、今後のドラマ出演に意欲「やる気満々」

  • ナイツ(左から塙宣之、土屋伸之)

    ナイツの塙宣之(左)と土屋伸之

――オファーを受けた心境をお聞かせください。

土屋:「まさか」という感じはしました。『ビバリー』(『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』)をやっていて、次の1時からの大谷(ノブ彦)さんや土屋(礼央)さんとか、毎日やっていて大変だろうなと思っていたんで、まさか自分たちに話がくるとは思わなかったですね。

――記者会見では「東洋館に出られない」とも話していましたが、他の仕事への影響についてはいかがですか。

塙:でも、寄席の夜席には出られるので。あと、ドラマ(『警視庁・捜査一課長』)を2年ぐらいずっとレギュラーで出てるんですが、「ドラマ大変だね」って結構言われました。もちろん大変なんですけど、ドラマのスケジュールを組む人からすると、決まってた方がたぶんやりやすいんですよ。僕の場合は、月曜から木曜のこの時間がダメっていうのが分かってるから、逆にドラマのスタッフはつくりやすくなるんじゃないですかね。

――『警視庁・捜査一課長2020』では、「塙さん演じる奥野が刑事を辞めてしまうのでは?」と思えるようなシーンが登場しましたね。結果的には、「消しゴムサッカーが上手くなりたい」という最終回のオチでしたが(笑)。

塙:とんでもないオチでしたよね(笑)。たしかに勝手に「ドラマ辞めるの?」って言う人はいましたね。

土屋:あー、「タイミング的にラジオもはじまるから」って。

塙:なんか「やっぱりそうだよね」みたいな話になってましたけど、全然こちらはやる気満々です。このラジオで1個軸が決まったので、逆に今後はリズムがつくりやすくなるかもしれないです。

■冒頭30分のフリートーク「だんだんつかめてきた」

――『一課長』の放送前、塙さんにインタビューさせていただいた際、「40代はいろんな経験をしようと考えている。舞台の数は減ったが、今はそんなに舞台の数は気にしてない」という趣旨のことをおっしゃってました。その辺のお考えも、今回のオファーを受けた理由なのでしょうか。

塙:そうですね。もちろん寄席も出たいですし、漫才もいっぱいやりたいんですけど、そこだけに固執しちゃうと他の仕事が全然できなくなっちゃうので。漫才自体はそんな急にできなくなるわけじゃないので、ラジオもやりつつ、バランスよくやった方がいいのかなと思っています。

土屋:ラジオが増えて、なにかが減るという感覚はあまりないです。コロナもあって、最近はなかなか安定して舞台に立てていたわけじゃないですし。漫才は一生物で、体が動く限りできることだから、今そんなに頑張って舞台に立たなくてもと。ラジオもコンビの呼吸ですから、同じような感覚でとらえてますね。昼間に寄席の舞台に立っていたのが、ラジオになるっていう感じです。

――9月7日から番組がスタートしましたが、ここまでの放送を振り返っていかがですか。

塙:初日はやっぱり大変でしたね。ただ、初めの1週間はすごく人が見に来てたんですけど、だんだんいなくなって、やりやすくなってきましたよ(笑)。やっぱりラジオの芸って、あまり見られない方がやりやすいんですよ。みんなが見ていると、密室感がなくなるから話しづらいんですよね。今後、深夜でもないし、朝でもない時間帯の感覚が分かってくればなと。

寄席も、昼席と夜席は全然客層も違うんです。昼は観光の団体さんがいっぱいいるから、だいたい話すのは、わりと一般的なネタです。夜席だとお客さんが少ないし、通の人が見に来てるので、新ネタを試したりできるんですよ。だんだんそういう感覚に慣れてくればいいんじゃないかなと。

土屋:ラジオ自体は週2回やっていて慣れてはいたから、今の『ラジオショー』も慣れるのも早かったですね。月から木までやってるから、週1の番組よりもすぐに慣れるのかもしれないです。どんどん楽しくなってきてます。

――冒頭に30分のフリートークがあるという点は大変そうだなと思うのですが、そこはいかがでしょうか。

塙:漫才協会に入って、(内海)桂子師匠に弟子入りしたときに「20分漫才やれ」って言われて、「20分もできないよ」って思って、5分ぐらいで終わったことがありました。それとまさに同じことで、30分が長いと思っちゃったら、そういうふうになっちゃうなと。

はじめは「そんな長く漫才なんかできない」と思ってましたけど、今ではちょうどいいぐらいの時間になってたりするので、だんだん「この話をしたらこのぐらいだな」とか時間の感覚が分かってくるんじゃないですかね。

土屋:『ビバリー』も『ちゃきちゃき』も、こういう話をしようって、2人でパートを分けて決めることはやったことがないんです。30分ある毎日になっても、変わらずに打ち合わせなくやってますね。その日のニュースとかから想像して話すことを持ってくときもあれば、その場で思い出して話すこともあったりして、結構柔軟な感じでここまでやっています。

「30分ってなんとなくこんな感じかな」っていうのがだんだんつかめてきたので、そういう意味では良かったですね。それできつかったから、打ち合わせとかを毎回しなきゃいけないのかなとかって思ったんですけど、今のところ必要なさそうなので良かったです。