相沢沙呼による人気小説を映画化した『小説の神様 君としか描けない物語』が10月2日より全国で公開される。EXILE / FANTASTICS from EXILE TRIBEの佐藤大樹と女優の橋本環奈がW主演を務める同作は、中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわないという高校生小説家・千谷一也(佐藤)と、同じクラスの人気者でドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪(橋本)が、2人で共作をすることになる。

多くのアーティストのMVを手がけ、『HiGH&LOW』シリーズでおなじみの久保茂昭監督がメガホンをとった同作は、映像美も追求された新たな作品に。今回は、主演の佐藤大樹にインタビューし、役作りで考えたことや、共演者の印象などについて話を聞いた。

  • 映画『小説の神様  君としか描けない物語』主演の佐藤大樹(EXILE / FANTASTICS  from EXILE TRIBE)

    佐藤大樹 撮影:宮田浩史

■『HiGH&LOW』久保監督の持ち味も発揮

――今回はMV撮影や、『HiGH&LOW』シリーズでおなじみの久保監督と改めてタッグを組むことになりましたが、印象はいかがでしたか?

久保監督は身近な方ですし、1番大好きで尊敬している監督です。元々の信頼関係はあったのですが、久保さんだからこその座組みで、色々な方が力を貸してくださったのだと思いました。改めて惚れ直しました。

芝居を作るための空気感や雰囲気作りがすごく丁寧な方で、僕らにも必ず「こう撮ろうと思うんだけど、どうかな?」と確認してくださいますし、逆に僕らから提案したことも受け入れて尊重してくださるので、本当に演じやすい現場を作って下さいました。

――『HiGH&LOW』では、キャラクターについて役者の皆さんの解釈を入れていくというお話をよく聞いていたのですが、今回はどういう役作りだったんですか?

『HiGH&LOW』の場合は、一人ひとりが役でやりたいことを髪型や口癖や衣装などに反映させていったのですが、今回は久保監督に明確なキャラクターのビジョンがありました。なので、キャラクターの基本的な部分には監督にお任せしていたのですが、例えば歩き方や立ち方などへの提案はさせていただいたりしました。丘に行くシーンで、わざと転んだのも、自分が提案してやらせていただいたアイディアでした。

――完成した作品を見て、改めて「久保監督の持ち味が出てる」と思ったのはどのような場面でしたか?

感情移入させる方法が上手だと思いました。特に回想シーンなど「そんなことがあったんだ」と提示するシーンは、短い描写だけど情報が多くて。

――夜道などを歩いてるところは、車に轢かれないかちょっと心配に……。

そこは全然大丈夫です。ノボル(町田啓太)じゃないので(笑)。

■橋本環奈の思いっきりビンタ「逆に気持ちいい」

――文芸部メンバーとのシーンも多かったですが、橋本さんからビンタを受けるシーンは迫力がありましたね。

台本上では1回しかなかったのですが、テストを重ねていくうちに、監督が「見ている方も、もっと叩いた方がスカッとするんじゃないか」と仰って、急遽足されました。環奈ちゃん自身は本当に優しいし、色々な方に気を遣える女優さんなので遠慮していたのですが、いざ本番が始まったら、さっきまでの心配はどこへ行ったんだというくらい、思いっきり叩いてくれたので、逆に気持ちよかったです。けっこう、久保監督の作品でビンタされがちなんです。実は監督が一番どSなんじゃないかと、僕は思っているのですが (笑)。

――色々な撮影現場で、橋本さんの明るさが評判にもなっていますが、今回も感じましたか?

僕も噂には聞いていたのですが、こんなに裏表なく、壁を作らない女優さんなんだと驚きましたし、すぐに仲良くなりました。クランクインした夜に文芸部の4人でごはんに行って、そこからはほぼ毎日ごはんを食べに行っていました。

――文芸部部長・九ノ里正樹役の佐藤流司さんとも、初共演ですが、印象は?

流司くんは、元々2.5次元ミュージカルで活躍されてて、僕も個人的に『ミュージカル 刀剣乱舞』や『NARUTO』を観ていたので、「いつか共演してみたいけど、なかなか機会がないだろうな」と思っていました。だから今回のキャスティングで、「こんなに早く夢が叶うんだ」というくらい嬉しかったです。同い年だったので、現場でもずっと、流司くんがボケて自分がつっこむみたいな感じで、たわいもないことを話していました。逆にお酒の席では互いの仕事についてたくさん真面目な話もして、大切な友達が一人できました。

――『ミュージカル 刀剣乱舞』も観られていたんですね。

僕も『錆色のアーマ』という逆2.5次元というプロジェクトを行っているので、「2.5次元ってなんだろう」という勉強をしたときに、流司くんのことを見ていたので、参考にさせていただいてました。

――文芸部の後輩・成瀬秋乃役の柴田杏花さんは?

杏花ちゃんは若いのにしっかりしていて、文芸部の人間の中で一番大人だったかもしれません。僕らがふざけているのを仏のような顔で見ていました(笑)。作品では、1番役にハマってるなと思うくらい、芝居が好きでした。メガネも自分で衣装合わせのときに持ってきていたみたいですし、カメラが回ってないときには劇中で持っている成瀬のノートに自分で色々書き足しているなど、役に対して愛があって、勉強家だなと感じました。年下ではありますが、尊敬できる女優さんです。

■FANTASTICSのメンバーを書くなら?

――先ほども2.5次元の勉強をしたというお話が出てきましたが、今回は何か役作りにあたって勉強したことはあったんですか?

知り合いに漫画家の先生が2人いるので、会いに行き話を聞かせていただきました。身近で共作をしている方がいるのか、担当編集者の方とはどれくらいの頻度で連絡をとっているのか、締め切りが迫ったときにどれくらいの徹夜をするのかなど、根掘り葉掘りインタビューをしました。もともと本を読むタイプではなかったので、実際に現場に近い環境にいる人に会って、話を聞くのがいいかなと思いました。

――取材までされてたんですね。ちなみに、学生時代国語などは得意だったんですか?

全然得意じゃないです! 僕理数系だったので、国語、社会は本当に苦手で。数学が一番好きでした。

――MCも担当されているし、得意そうなイメージがあったので意外でした。

全然でした(笑)。この世界に入ってから、しゃべりも出来ないとと勉強し始めました。

――高校の頃からEXPGに通って、学校でもダンス部に所属していたということで、一也と境遇が似ている部分もあったのでしょうか?

学校が終わると部活かバイトかレッスンか……当時芝居もやっていたので、一也が高校生と小説家の二足の草鞋を履いていたように、僕も何足もの草鞋を履いていました。高校生時代はいろいろ抱え込むタイプで、常に不安を持っていたので、一也みたいに生活に焦っている感じはあったと思います。そういった点では、共感できる部分もありましたし、逆に勉強にもなりました。「確かに、学生時代って、こんなに焦ってたな」と、今になって思うことはたくさんあります。

――今回は小説家という役でしたが、FANTASTICSのメンバーを書くなら、どういう物語にしたいですか?

FANTASTICSで書くなら……『花ざかりの君たちへ』のような、個性溢れる色々な男たちと、男たちを翻弄する腐女子のヒロインの話を書きたいです(笑)。1番手のイケメンは、ボーカルの中島颯太にします! 可能性がたくさんありそうだから。普段ボーカルはお芝居する機会がないのですが、いい色が出そうです。

――ちなみに、ヒロインはなんで腐女子という設定なんですか?

腐女子の方の可能性は、ハンパないからです! 『HiGH&LOW』をやったときにも、まさかその層に刺さるとは思っていなかったですし……『PRINCE OF LEGEND』もですが、いろいろ勉強になるので、今後の参考にしたいです!

――それでは、最後にメッセージをいただけたら。

ナイーブで売れない小説家と高校生人気小説家が2人でタッグを組んでベストセラーを生み出すという課題に挑む、ファンタスティック青春ムービーです。老若男女問わずいろんな方々に共感していただける、背中を押せるような青春ムービーになっていますので、ぜひ劇場でご覧ください。

■佐藤大樹
1995年1月25日生まれ、埼玉県出身。11年、FUNKY MONKEY BABYSの「ラブレター」MVに出演し俳優デビュー。14年EXILEに加入、18年にはFANTASTICS from EXILE TRIBE としてもメジャーデビュー。俳優としても活躍の場を広げており、出演作にTVドラマ『シュガーレス』(12年)、『俺たちの明日』(14年)、『ワイルド・ヒーローズ』(15)、舞台『錆色のアーマ』シリーズ(17年~)など。また、映画も『HiGH&LOW』シリーズ(16年~)、『ママレード・ボーイ』『センセイ君主』(18年)、『4月の君、スピカ。』(19年)と出演作が立て続けに公開されている。