採用選考において自分の人となりを自己PRで伝える場合、責任感があることを話すのは有効な手段のひとつ。しかし、ただ「私は責任感があります」というだけでは何の説得力もないので、自分の経験談を交えるなど工夫しながら伝えることが大切です。

この記事では、自己PRで責任感があること述べたい場合に、どう工夫すればいいのかを解説していきます。合わせて履歴書や職務経歴書に記載する時のポイントや例文、面接時に自己PRする時の注意点や例文なども紹介。

就職活動や転職活動でこれから採用選考に臨む人にとって、参考になる内容となっています。応募書類提出や面接をスムーズに進めるために、しっかり読んで役立ててください。

  • 責任感を自己PRする時のポイント

    責任感を自己PRする時のポイント

【ポイント】責任感のPRは具体的に

採用選考で会う面接官とは、お互いのことを知らないことがほとんど。初めて会う面接官にも自分が責任感あることを自己PRして納得してもらうために、気をつけるべきポイントを紹介していきます。

「責任感があります」だけでは弱い

初めて会う相手や一緒に仕事をしたことがない相手は、自分が普段どんな行動をするのかを知りません。ただ「私には責任感があります」と伝えたとしても、相手に納得してもらうことは難しく、言い方を工夫しながら話すことが大切です。

どんな風に責任感があるのかを話す

「責任感」とは、自分の仕事について責任を果たそうとする気持ちのことです。責任感は大きく分けて、「自分の責任として行動すること」と「問題を起こした責任は他の人にあるが解決する責任があると行動すること」の2種類あります。

企業によって求める責任感に差があることに注意しながら、どんな風に責任感があるのかを話すといいでしょう。

どうやって身につけたのかを話す

責任感があることを自己PRに用いたいなら、具体的なエピソードを交えると説得力を持たせられます。これまでの仕事や学生時代の部活など自分の経験をもとに、どんな理由で責任感が身についたのかを話しましょう。

仕事にどう結びつくのかを主張する

ただ責任感があるというエピソードを話すだけでは、ただの自己紹介です。自己PRでは、採用選考をうける会社の業務にどのように結びついていくのかを織り交ぜながら話すことが大切です。

【例文】責任感の自己PR例(履歴書・職務経歴書編)

履歴書や職務経歴書は記入できるスペースが限られています。しかし、「責任感があります」だけなど、短すぎると説得力がないので、簡単に自分の経験も盛り込みましょう。

履歴書は端的にまとめる

履歴書は「アピールポイント」「自己PR」欄など、小さい欄が用意されています。記入できる文字量が限られていますので、まずは結論から記載し、端的に述べるよう心がけましょう。

履歴書での「責任感」自己PR例

・前職では法人営業を担当していましたが、取扱商品が多く初めはかなり大変でした。1日1商品以上の特徴を覚えることを目標にすることで少しずつ商品知識が増えて、発注量の増加につなげられました。

・学生時代アルバイトで家庭教師をしておりました。初めはなかなかうまくいきませんでしたが、生徒に向き合い、問題点を洗い出して教え方を工夫することで、成績アップにつなげられた経験があります。

このように、“仕事やトラブルを責任を持ってやり遂げたエピソード”を伝えることで、責任感をアピールできます。

職務経歴書では少し長めに

職務経歴書は職務経験や能力をアピールするための書類。決まったフォーマットがなく、基本的に書く内容や量は自由です。履歴書よりは少しボリュームがあってもかまいませんが、採用担当者が読みやすいよう、300字以内を目安に、シンプルにまとめるようにしましょう。

職務経歴書での「責任感」自己PR例

・自分に与えられた業務は自分で責任を持って最後までやり抜くことが基本だと考えております。しかし、以前自分で行うことにこだわるあまり遅れ、迷惑をかけてしまった経験から、間に合わなさそうな時には同僚にお願いをして、期限までに仕上げられるよう手配するようになりました。どうすることが一番会社の利益になるのかを考えて行動できると自負しております。

失敗から学んだエピソードも取り入れることで、説得力を持たせることができます。

  • 「責任感」による自己PR例文(履歴書・職務経歴書)

    「責任感」による自己PR例文(履歴書・職務経歴書)

【言い回し例】責任感の自己PR例(面接編)

面接で自己PRを求められた場合には、結論から話すことがポイントです。前置きばかりでは何を主張したいのかが相手に伝わりません。まずは結論から話し、その後具体的なエピソードを話すといいでしょう。

事前に自己分析しておくと面接で話しやすい

面接では緊張して、うまく話せなかったり、頭が真っ白になってしまったりすることは十分あり得ます。事前に自己分析を行い、何を話すのかを決めておきましょう。話すエピソードを決めて準備しておくことで、緊張していても対応しやすくなります。

責任感があることを用いる言い回し例

・普段の細かい事務作業でもいい加減にせずコツコツ行い、全体に遅れが出ないよう真面目に取り組んでいました。

・書類作成でミスが出ないよう、他のメンバーとお互い確認し合い、ミスがあっても部署内で発見して修正できるよう協力し合っています。

・仕事で最高のパフォーマンスを発揮するために、仕事以外のリフレッシュも積極的に行い、メリハリある生活をおくるよう心がけています。

上記のような言い回しを用いながら、仕事や日常生活でのエピソードを交えながら、具体的な経験談を話すといいでしょう。

企業が求める人材であることに結びつける

いくら責任感があることを自己PRしても、企業の求める人材に合わなければ採用には結びつきません。応募要項や会社案内などをよく確認して、応募する会社にどのような人材が合っているのかを見極めた上で、応募する会社に合わせながら責任感があることを自己PRしていきましょう。

  • 就活で新卒学生に自己PRを書かせる理由

    しっかりと、企業に理解してもらえるエピソードを話せるように練習しておきましょう

【これはNG】責任感を自己PRするなら特に避けるべきこと

履歴書や職務経歴書、面接などで責任感があることを自己PRしていても、実際の行動が伴っていなければ説得力はありません。責任感がないと判断されかねないポイントを紹介します。

遅刻する

責任感とは自分の行為についての責任を果たそうとする気持ちのことなので、責任感があれば約束は守ろうとするものです。しかし、大切な面接に遅刻してしまうと、本当に責任感があるのか疑問を持たれてしまいます。

書類の提出期限に遅れる

遅刻と同様、書類の提出期限も会社のルールのひとつです。会社に提出すべき書類の提出期限に遅れてしまうと、物事をやり遂げられない人だなとみなされてしまい、責任感がない人と判断されます。

返事を引き延ばす

企業から内定をもらったら、できるだけ早く返事をすることが求められます。転職の場合も就職の場合も、さまざまな理由ですぐに返事できないことはあるでしょう。しかし、あまりに返事を引き延ばしていては、責任感のない人という印象になってしまいます。

内定承諾を待ってもらう場合は、長くても1週間程度を目安に返事しましょう。

電話に出ない

企業から電話などで連絡がきたら、すぐに出るか気づき次第かけ直すのがビジネスマンの常識です。しかし、何度かけても電話に出ない状態が続いていると、いい加減な人という印象になります。面接で責任感が評価されていたとしても、印象が悪く変化してしまうので、電話がかかってきたらできるだけ早く対応しましょう。

  • 「責任感」を自己PRするなら避けるべきNGポイント

    「責任感」を自己PRするなら避けるべきNGポイント

【まとめ】「責任感」を上手にPRしよう

どんな仕事であっても、責任感があることは大きな強みになります。そのため、責任感を自己PRに用いるのは、採用選考において有効な方法のひとつです。

責任感を自己PRに用いるには、具体的なエピソードを交えるのがポイント。これまでの仕事での失敗談や成功談、サークル活動などの経験をもとにしながら、責任感があるといえるエピソードを話していきましょう。

ただし、責任感にはふたつのタイプがあり、会社によって適している責任感のタイプが異なります。求人に応募した会社の社風に合わせながら、自己PRの仕方を変えていくのがポイントです。

まずはこれまでの職歴や学業での経験を洗い出し、面接に話せるようなエピソードを選び、選考の準備を進めていきましょう。