ことわざや四字熟語と同じようになじみのある「座右の銘」。しかし実際に「これが私の座右の銘です!」とすぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、座右の銘のそもそもの意味や語源はもちろん、自分に合った座右の銘の探し方や、座右の銘を持つメリットについて解説します。おすすめの座右の銘の一覧も紹介します。
そもそも座右の銘とは? 意味や語源をわかりやすく解説
まずは、座右の銘とは何を指すのか、言葉の意味を見ていきましょう。
座右の銘の意味は「常に心に留め、生き方の参考や戒めとする言葉」
そもそも座右の銘とは、自分が大切にしている理念や考え方を表す言葉です。一般に、四字熟語やことわざ、芸能人・歴史上の偉人の言葉を用いるケースが多いです。
特に、自分に対する戒めの気持ちや、いつでも立ち返れるような軸として掲げられます。人生の中で忘れてはならず、「こうありたい」と願う姿や生き方を座右の銘として持っておく人もいるでしょう。
座右の銘の読み方は「ざゆうのめい」
座右の銘は「ざゆうのめい」と読みます。
座右の銘の語源
座右の銘の「座右」とは、自分が座っている時の右側のことを指しています。
昔、皇帝などは信頼できる補佐役を右に座らせることが多く、その意味から「重要なものをそばに置いておく」という場面を指しています。「銘」では石や器に歴史上の人物の言葉を示したもので、現代で言われる「紙」のような役割を果たしていました。
すなわち座右の銘とは、「自分の右側に置くほど重要で、大切な言葉」という意味合いを持っています。
座右の銘の使い方
座右の銘は、簡潔な言葉で自分の理念をアピールできるために、自己紹介や面接などの場面において活躍します。
特に、短時間で自分のことを話さなければならないようなシーンでは、使い方によっては好印象を与えることができるでしょう。
座右の銘を持つメリットとは?
座右の銘を持っておくと、その言葉を自分の人生の指針にすることができます。
行き詰まった時やどう決断していいのかわからなくなった時に、指針となるような存在となってくれる可能性もあります。
また、人との会話のネタにもできます。少し年上の人と話すときに自分の座右の銘を伝えたり、「あなたの座右の銘はなんですか?」と聞いてみたりしてもいいでしょう。
座右の銘が必要となるシーンはこんな時
普段は座右の銘を口にすることや意識することは少ないかもしれません。
しかし次にあげるようなシチュエーションでは、座右の銘が必要となることも多いでしょう。実際に直面した際に焦らないよう、ある程度、事前に用意をしておくことをおすすめします。
面接で「座右の銘は何ですか?」
想定できるケースに、就活や転職など、仕事に就く際の面接があります。
聞かれ方は「仕事上の座右の銘はありますか?」「仕事をする上で心掛けていることは何ですか?」「仕事をする際に大切にしていることは何ですか?」などさまざまですが、すべて座右の銘で受け答えすることができます。
もちろん自身が本当に座右の銘としているものを伝えるのも大事ですが、面接などの場面ではインパクトを与えたり好印象を与えたりするような座右の銘を伝えられように準備をしておいてもいいでしょう。
履歴書の自己PR欄や、エントリーシートにて
就職活動などの書類選考に使われる履歴書やエントリーシートは、自分をアピールする重要な書類です。面接同様、ここでも座右の銘を聞かれるケースがあるでしょう。
履歴書やエントリーシートをもとに面接は進んでいくので、普段の考えと異なることを書いてしまうと、面接中につじつまが合わなくなって、印象を悪くしてしまいます。
これまでの経験をよく振り返り、自分にベストな座右の銘を見つけて記載しましょう。
自己紹介の場にて
自己紹介の場は自分のことを知ってもらうため、アピールするために設けられます。この時に自分の座右の銘をさらっと言えると、仕事・プライベート問わず好印象を持たれるでしょう。
「私の座右の銘は…」と切り出すのはハードルが高い場合は、自己紹介の中にことわざや四字熟語を入れて、「ことわざの『○○○』という考えをいつも心掛けています」などと伝えても良さそうです。
座右の銘の探し方・選び方
ネットや本で探せば代表的な座右の銘は検索できますが、せっかくなら自分にしっくりくる座右の銘を心に持っておきたいものです。
続いては、自分にぴったりな座右の銘の探し方を解説していきます。
ことわざから探す
仕事や部活動、勉強など、自分を奮い立たせるための言葉を探しているのであれば、ことわざから探すのがおすすめです。
ことわざには先人の知恵や考え方が多く取り込まれており、成功の秘訣(ひけつ)や過去の失敗を戒めるような格言がそろっています。仕事やビジネスに役立つことわざもあるので、ビジネスマンの多くはことわざから座右の銘を探しているようです。
四字熟語から探す
仕事だけでなくプライベートや恋愛、日々の生活に対する座右の銘としておすすめしたいのは四字熟語から探す方法です。
四字熟語は自然現象に基づいたものが多く存在し、自分を自然のように常に進化していくものと捉えるとぴったりのものが見つかりやすくなります。
偉人の名言から探す
偉人が残した名言、格言を座右の銘にしてもいいでしょう。名言はその人の生きざまを表しています。名言を座右の銘とする際は、その人自身の人物像や成し遂げたこと、共感できる点なども併せて覚えておくといいでしょう。
小説家などの場合は、著書の中に名言が残されている場合もあります。
笑顔で過ごせる面白いものを探す
ことわざや四字熟語ではなく、芸能人や歴史上の人物の格言や好きな曲の歌詞などから探すと、毎日を楽しく生きていくための四字熟語が見つかりやすくなります。
きつい、つらいと行き詰まった時に思わず笑ってしまうような格言を探すと追い詰められた時も笑顔で乗り切れる座右の銘となります。
自分らしさを表すオリジナルを作る
しっくりくるものがない場合やオリジナリティーにこだわる方は、自分で座右の銘を作ってみてもいいかもしれません。
自分で座右の銘を探すときは、自身の口癖や生活習慣などを見返して、大切にしていることを確認する作業からはじめるとわかりやすくなります。あらかじめ考えておくと、面接や自己紹介の際には印象に残りやすくなります。
英語のことわざや名言から探す
外国のことわざや、世界的な偉人が残した英語の名言を座右の銘にすることもできます。英語を座右の銘にするなら、英語文と和訳を両方覚えておいて、説明できるようにするといいでしょう。
おすすめの座右の銘の一覧
ここからは、座右の銘にぴったりの言葉をいくつか紹介しましょう。
- 雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
「小さな努力でも根気よく続けてやれば、最後には成功する」という意味のことわざです。雨粒のような小さな水滴が同じ場所に落ち続け、やがて長い時間を経て硬い石に穴を開けるという様子を表しています。
人に見えないところでも、小さな努力をコツコツ積み重ねる真面目な性格であることを印象づけたい人にぴったりのことわざです。
- 和をもって貴しとなす
孔子の教えをまとめた『論語』に記載があり、聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条にも登場する言葉です。
「和をもって貴しとなす」には2つの意味があり、1つ目は「和を大切にしなさい」という意味、2つ目は「話し合いを大切にしなさい」という意味を持ちます。
チームワークを大切にしながら、お互いの意見を尊重し高め合うことを意識している人にぴったりの言葉でしょう。
- 臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
目的を遂げるために苦労に耐え、努力を重ねることを表す四字熟語です。並々ならぬ強い思いを表現できます。
中国の故事が由来となっていて、「臥」は「横たわる」、「嘗」は「なめる」、「胆」は「肝」を意味します。目的を成し遂げるまでは、たとえ「硬い薪の上で寝て、苦い肝をなめることもいとわない」という話からきています。
- 七転八起(しちてんはっき)
七回転んでも八回起き上がることから、何回失敗してもくじけずに起き上がり、やり抜くことを意味する四字熟語です。
諦めない気持ち、粘り強さをアピールするのにぴったりの言葉です。「七転び八起き(ななころびやおき)」とも言います。
- 泰然自若(たいぜんじじゃく)
「泰然自若」は、「冷静に落ち着いて何事にも動じないこと」「自分を見失わない」という意味を持つ四字熟語です。
プレッシャーやトラブルにも動じず、冷静でいることを大切にしているとアピールできます。
- No pain, no gain
「pain」は「痛み」、「gain」は「得ること」を意味する英単語です。「No pain, no gain」だと「痛みなくして得るものなし」や「労力なくして得るものなし」と訳されます。
努力や苦労をしなければ成果を得ることはできない、という英語のことわざです。
- Stay hungry, stay foolish
スティーブ・ジョブズの言葉で、「ハングリーであれ、愚かであれ」「常識にとらわれず、愚か者であれ」などと訳されます。
過去の成功や常識にとらわれず、自分の信じた道を進む、といった気持ちを表すことができるでしょう。
【座右の銘にしたいことわざ集】心に響く・努力できるようになる言葉は?
座右の銘を聞かれたら、ポジティブな回答ができるようにしよう
座右の銘は、必ずしもことわざ、四字熟語、格言である必要はありません。オリジナルの座右の銘を作っても、誰かの言葉を借りても、自分にしっくりくる言葉で、前向きになれるものであれば問題ないでしょう。
座右の銘は、就職活動などの面接時や、自己PRを記載するときにもよく出てきます。それ以外にも、自分の生活や仕事をより充実したものにするために、座右の銘を探してみてはいかがでしょうか。