受験勉強で熟語を覚えるときに「臥薪嘗胆」を覚えたという方も少なくないでしょう。受験勉強では読み方と熟語の意味を学びますが、実生活で使ったことがあるという方は少ないのではないでしょうか。

本記事では、「臥薪嘗胆」について読み方や意味、使い方をあらためて確認して、ビジネスシーンに活かしましょう。

臥薪嘗胆の意味・読み方

「臥薪嘗胆」とは、将来の成功のために苦労に耐えることという意味を持つ言葉です。「臥薪嘗胆の思いで~する」のように使われることが多く、目的のために努力を惜しまないという決意や、並々ならぬ深い思いを表現できます。読み方は「がしんしょうたん」。

  • パソコンの横で手帳に何かを書き込む人

    まずは意味と読み方を押さえておきましょう

臥薪嘗胆の由来

「臥薪嘗胆」は、中国の十八史略に書かれている故事に由来しており、戦死した父の仇を討とうとする息子の話として記載されています。

「臥薪」は「かたい薪の上で寝る」、「嘗胆」は「苦い肝をなめること」という意味があります。「仇を討つためには自身が過酷な状況にあろうとも、その時が来るまで苦労を重ねることをいとわない」という表現になります。

  • 机にノートパソコンやノートを広げている人々

    由来を覚えておくと言葉の意味もしっかり理解できるでしょう

ビジネスにおける臥薪嘗胆の使い方と例文

「臥薪嘗胆」はビジネス上の苦労を伴う努力を表現する際にも使われています。経営者の言葉などで使われていることも多く、ビジネス上の使われ方を参照すれば、定型として活用しやすくなるでしょう。

ここでは、ビジネスシーンでよく使われている「臥薪嘗胆」を含む例文を紹介します。使い方のパターンを学びましょう。

臥薪嘗胆の末

「臥薪嘗胆の末」とは、苦労して努力した結果を述べるときに使われます。

<例文>

  • 臥薪嘗胆の末、重要顧客からの受注に至った。

臥薪嘗胆の思いで

「臥薪嘗胆の思いで」は、取り組んできたことへの思いを述べる際に使われます。

<例文>

  • 今回のプロジェクトには臥薪嘗胆の思いで取り組んできた。
  • 臥薪嘗胆の思いでやっていたのはこの日のためだ。

成功者が事業への取り組み方を振り返るときや、政治家や経営者が苦境を乗り切った経験を述べるときなどにも使われています。

臥薪嘗胆する

「臥薪嘗胆する」という言い方は、目的に向かって苦心し、努力を重ねることという意味になります。

<例文>

  • 長丁場になるが、プロジェクトの成功を信じて臥薪嘗胆する。
  • 臥薪嘗胆し、成果を出せた。
  • 緑の壁のある部屋に白を基調にした机と椅子が置いてある

    例文を理解して使いこなしましょう

臥薪嘗胆の対義語

「臥薪嘗胆」の対義語を覚えておくと、対比する文章を組み立てられます。ビジネスシーンでも対比する文章はよく使われるため、対義語を覚えておけば表現できる範囲が広がるでしょう。

ここでは、「臥薪嘗胆」の対義語の意味と使い方を例文を交えながら解説します。使える状況も踏まえて正しく使えるようになりましょう。

再起不能

「再起不能(さいきふのう)」は、病気が治る見込みがないという意味の言葉です。転じて、失敗や挫折から立ち直れない状態の表現として使われることもあります。

<例文>

  • 彼は事業に失敗して再起不能かと思われたが、臥薪嘗胆の思いでついに再起へとこぎつけた。

一蹶不振

「一蹶不振(いっけつふしん)」は、失敗や挫折をして再起できないという意味で使われる言葉です。「蹶」はつまずく、「不振」は勢いがなくなる様子を表します。

<例文>

  • 一蹶不振、失敗を知らなかった彼にとっては、この失敗は耐えられなかったようです。
  • ビルの合間から空を見上げた写真

    対義語と組み合わせて使える場合があります

臥薪嘗胆の類語

「臥薪嘗胆」の類語の意味と使い方を、例文を交えて解説します。

辛酸をなめる

「辛酸をなめる」の「辛酸(しんさん)」には、つらく苦しい思いという意味があります。その「辛酸」をなめることから、つらく苦しい思いを味わう、経験するという意味になります。

「臥薪嘗胆の末、今の地位についた社長の言葉には重みが感じられる」は「辛酸をなめつくしてきた社長の言葉には、重みが感じられる」のように言い換えられます。

捲土重来を期す

「捲土重来(けんどちょうらい)」とは、一度失敗してもすごい勢いで盛り返すことを示す言葉です。「けんどじゅうらい」と読まれることもあります。「捲土重来を期す」は、再起を期待するときに使うのが一般的です。

「一度沈んでも捲土重来を期するカリスマ経営者」のように使います。「臥薪嘗胆」を使うと「沈んでも臥薪嘗胆するカリスマ経営者」のように言い換えられます。

漆身呑炭

「漆身呑炭(しっしんどんたん)」とは、仇を討つことや、復讐するためには苦しみや苦労をいとわないという意味を持つ言葉です。「臥薪嘗胆」と意味が重なるため、単純に置き換えて使うことも可能です。

「相手を見返すために、漆身呑炭して機を狙ってきた」という文章は、「臥薪嘗胆して機を狙ってきた」としても同義となります。

堅忍不抜

「堅忍不抜(けんにんふばつ)」とは、何があっても動じずじっと我慢し、堪え忍ぶことという意味の言葉です。

「堅忍不抜の精神でやり抜いた結果、成功するに至った」という文章は、「臥薪嘗胆の精神でやり抜いた結果」としても同じような意味で伝えられるでしょう。

  • デスクにPCやタブレットなどが並んでいる写真

    類語を知って正しく使い分けましょう

臥薪嘗胆の英語表現

「臥薪嘗胆」を英文で表現したいときには、「忍耐(力)」の意味を持つ「perseverance」が用いるとよいでしょう。

<例文>

  • After persevering, I finally passed the National Examination for Medical Practitioners.
    私は臥薪嘗胆の末に医師国家試験に合格した。
  • ビジネス関連の新聞を読んでいる人

    英語表現も覚えておきましょう

***

「臥薪嘗胆」は、普段の生活ではあまりなじみのない言葉でしょう。しかし、ビジネスシーンでは使われる機会もあるため、言葉の意味や使い方を把握していないと相手に良い印象を与えられない可能性があります。

難しい言葉ですがきちんと理解して、ビジネスシーンで正しく使いこなしましょう。