一年の締めくくりの大事な仕事の一つに、お世話になった取引先への年末の挨拶(あいさつ)メールがあります。年末年始が休みとなる企業の場合は特に、大事な連絡となります。

また、また社内の人にもこの一年間のお礼を伝えておくと、新年からの仕事を気持ちよくスタートできるでしょう。

本記事では年末挨拶のビジネスメールの書き方を、例文や注意点、構成のポイントとともに解説。送るタイミングや返信の内容もわかりやすくお伝えします。

  • 年末挨拶メールの書き方

    年末の挨拶メールの書き方や注意点をわかりやすく解説します

年末挨拶メールの例文と返信の仕方

早速、シーン別に具体的な例文を見ていきましょう。

社内の上司や先輩向けの年末挨拶メールの例文

件名「年末のご挨拶」

〇〇部長

今年も残すところ、あとわずかとなりました。

〇〇部長には今年も公私ともにご支援いただき、大変お世話になりました。
多大なサポートをいただき、誠にありがとうございました。

特に〇〇の件ではご迷惑をおかけしましたが、おかげで一年を無事に乗り切ることができました。この場を借りて感謝を申し上げます。
来年もご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、引き続きご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い致します。

取り急ぎ、年末のご挨拶とさせていただきます。
それではよいお年をお過ごしください。

追伸
以前教えていただいた〇〇ですが、すごく興味深かったです。
より知識を深めたいので、また教えていただけるとうれしいです。

指導してくれた上司に対して、一年の感謝の気持ちを伝えましょう。

なお、同僚に向けてであれば、もう少しカジュアルな表現を使ってもいいでしょう。その場合も、助けてもらったことや、一緒に頑張ったことについてのエピソードを入れ込めるとベストです。

社外や取引先(お客様)向けの年末挨拶メールの例文

件名「年末年始休業のご案内 〇〇株式会社□□」

△△商事 〇〇部
××様

いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の□□です。

早いもので、年末のご挨拶をさせていただく時期となりました。本年は特段のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

なお、当社の年末年始の休業期間は下記の通りとなっております。
休業期間 12月XX日(◯)から1月X日(◯)
(年始の営業は1月X日(◯)の午前XX時からとなります。)

来年も誠心誠意努力し、さらなる向上を目指していく所存ですので、より一層のご支援を賜りますよう、弊社一同心よりお願い申し上げます。

寒い日が続きますが、××様もお風邪など召されぬようご自愛いただき、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

こちらも感謝の気持ちとともに、年末年始の営業日・営業時間を記載すると親切です。

社外や取引先から年末挨拶メールがきた際の返信例

自分から年末の挨拶メールを送る前に、先に先方からメールが来ることもありますね。その場合の返信の例を見てみましょう。

件名「Re:年末年始休業のお知らせ(株式会社〇〇)」

株式会社〇〇 △△部
〇〇様

いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の××です。

先ほどはご丁寧に、年末のご挨拶をいただきまして、誠にありがとうございます。
こちらこそ、本年はご愛顧賜り、厚くお礼申し上げます。来年もより一層のお付き合いをよろしくお願い申し上げます。

時節柄、ご多忙のことと存じますが、〇〇様も体調など崩されないよう、ご自愛いただき、よいお年をお過ごしくださいませ。

なお、当社の年末年始の休業期間は、12月XX日(◯)から1月X日(◯)となっております。年明けは1月X日(◯)午前XX時より営業開始致します。

上記につきましてはご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

年末の挨拶メールを送るタイミング

  • 年末の挨拶メールの送付タイミングとは

    年末は受け取る側も忙しいので、配慮したメール作成・送付が重要です

年末の挨拶メールはいつ送るのが適切なのでしょうか? ケースごとに解説していきます。

社内の上司や先輩、同僚に送るタイミング

同じ社内の上司や先輩、同僚であれば、業務に関わる連絡ではなく、一年のお礼を伝える挨拶のため、最終営業日の当日に送ります。相手がメールを読めるように、お昼までにはメールを送るといいでしょう。

なお相手からメールをもらったら、やはりなるべく早めに返信しましょう。もしもメールの返信が遅れてしまった場合は休業期間に送るのではなく、年始の営業を開始したら新年の挨拶メールとして送りましょう。内容は年末の挨拶と同様に、後述のようにエピソードを交えながら文章を構成します。新年に送る場合は、1月7日までに送るのが望ましいとされています。

社外や取引先(お客様)に送るタイミング

本来であれば直接伺って挨拶をするのがいいとされていましたが、コロナ禍以降、新しい生活様式や働き方が浸透しました。ポストコロナの現代では、年末はどの会社も忙しいため、特に遠方の相手にはメールで挨拶をすることも増えています。

送るタイミングについてですが、年末の挨拶ではあるものの、社外や取引先にメールを送る時期は年末ギリギリは避けましょう。年内の最終営業日から1週間前から3日前までには送るのがベストです。各企業、年末の休みに入る前にやっておかなければならない業務があるため、前述の通り、挨拶と合わせて年末年始の休みを伝えておきます。余裕を持って送ることで、もしもそこから問い合わせなどが来ても、焦ることなく年内に業務を終えることができるでしょう。

なお先方から年末の挨拶メールが送られてきたら、なるべく早めに返信をしましょう。本来であれは自分から先に送る方が好ましいですが、連絡をいただいたら、日頃の感謝と、自社の連絡事項を伝え、スピーディーに対応しましょう。

年末挨拶メールの書き方、送り方のマナー・注意点

  • 年末の挨拶メールにまつわる注意点

    年末挨拶メールを出すときに注意すべき点を紹介します

ここでは、年末の挨拶メールを書くときや送るときに気を付けたい、マナー・注意点をご紹介します。

一目で年末の挨拶メールだとわかる件名にする

年末は皆、なにかと忙しいものです。そこで件名はわかりやすく、一目見ただけで本文がどういった内容であるかを伝える必要があります。

今回の場合は下記のような形で、件名は簡潔に、相手に内容と送り先が伝わるように書きましょう。

・年末のご挨拶(△△会社〇〇花子)

・年末年始の営業のご案内(△△会社)

年末年始の営業日・営業時間を記載する

特に社外の取引先に挨拶メールを送る場合は、仕事納めと仕事始めの日にち・時間を記載しておきましょう。

一般的には12/28が仕事納め、1/4が仕事始めという企業が多いですが、特殊な事情がある企業もあるので、あらかじめメールにて伝えておくことをおすすめします。

メールの一斉送信を避ける

Bccであっても、「本年にお世話になった方々へ」などの宛名で一斉送信メールを送ってしまうと、メールを受けた人に事務的な印象を与える可能性があります。面倒でも一人ずつ宛名に「◯◯会社 △△様」などと入れて、個別に送るようにしましょう。

また、Ccによる一斉送信メールで年末の挨拶メールを送ってしまうと、メールの受信者が複数の他人のメールアドレスを確認できてしまうため、個人情報保護の観点からも避けましょう。

誤字脱字や敬語表現に気を付ける

年末の挨拶メールは、その年を締めくくるメールになるのが一般的です。そのようなメールの件名に誤字脱字があったり、社外のクライアントや上司に向けたメールの敬語表現が誤っていたりしたら、メールの受け手にネガティブな印象を抱かれてしまいます。

メール送信前に必ず文章チェックを忘れないようにしましょう。

年末の挨拶メール作成時のポイント

  • 年末の挨拶メールのポイントとは

    メールで感謝の気持ちを伝えるために重要なことは何でしょう?

例文を見てなんとなくのイメージはつかめたかもしれませんが、ここで改めて、年末の挨拶メールを書くときのポイントをまとめました。

相手にお礼の気持ちを伝えるためにも、しっかりと感謝の気持ちを込めましょう。ちょっとしたポイントで、相手に気持ちが伝わるメールを送ることができます。

年末挨拶メールの基本構成

まずはメールを送る際の基本構成を覚えておきましょう。

取引先やお客様など、社外向けには

  • 挨拶と自己紹介
  • 今年分の感謝とお礼
  • 年末年始の休業期間のお知らせ
  • 来年に向けての挨拶
  • 相手への気遣いの言葉

などを簡潔に、わかりやすく記載しておきます。最後に入れる相手への気遣いの言葉の部分を、できれば一人一人オリジナルのものにすると、より気持ちが伝わるでしょう。

社内向けには

  • 今年分の感謝とお礼
  • 年末の挨拶
  • 追伸にてエピソード中心の話

を記載します。本年分の感謝をしっかりと伝えた後に、送る人に合ったエピソードを盛り込むことで、より気持ちのこもった文章となるでしょう。

具体的なエピソードを入れ込む工夫

挨拶メールの定型文を覚えておけば、忙しい年末でも時間をかけずにメールを作成できますが、定型文をそのまま送るだけではやや味気ない印象になってしまいます。

自分のためにわざわざ送ってくれたのだと相手に伝えるには、相手に関連するエピソードを入れ込むといいでしょう。しっかりと挨拶をした上で、追伸などを使って、相手を思い浮かべながら気持ちを伝えれば、きっと喜んでくれるはずです。

具体的なエピソードの例文

追伸
〇〇業務の際には、いろいろとお世話になりました。
丁寧に教えていただき、大変勉強になりました。ありがとうございます。

まだまだ至らない部分もあるかと思いますが、来年はより一層精進していく所存ですので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします

もし年末の挨拶メールを送り忘れてしまったら、新年の挨拶メールを送ろう

もしも年末の挨拶メールを送り忘れてしまった場合は、年明けの営業開始日に新年の挨拶メールを送るといいでしょう。

新年の挨拶とともに、昨年お世話になったお礼、年内に挨拶ができなかったことへのお詫びなどを記します。

ポストコロナ時代、一年の締めくくりの言葉はビジネスメールに込めて

年末年始の休暇を心置きなく過ごすために、取引先や社内の上司には年内のうちにしっかりと自分から挨拶をしておくといいでしょう。

コロナ禍以前は直接訪問して挨拶することも多かったですが、気持ちの込もったメールでも思いは十分伝わります。特にコロナ禍以降は対面ではなくメールでの挨拶の機会も増えました。

年末の挨拶メールは毎年必要になるものなので、自分が伝えやすい定型文を決めて、忙しい年末でも忘れずスピーディーに送るコツを身に付けるといいでしょう。相手への気遣いやエピソードも一言添えれば、他の人と差別化できますよ。