保守的という意味を持つ「コンサバ」は、ビジネスや政治の世界でよく使われている言葉です。コンサバは使われるシーンによってその意味も異なるため、使用シーン別の意味合いや由来などを紹介します。
コンサバとは?
コンサバの意味と由来
コンサバは「保守的」「控えめ」という意味や、「地味」「古風」「伝統的」な様子を指しています。 また、コンサバは保守的な・控えめなという意味を持つ「conservative」という言葉が由来です。
ファッション用語としてのコンサバ
1980年代のバブル経済時期に流行したスーツやジャケット、シャツなどのファッションをコンサバと呼びます。「モード」「カジュアル」「エレガント」などと同様、コンサバは現代においてもファッションの系統を示す言葉として使われています。
政治的な用語としてのコンサバ
コンサバは政治的な思想を表現する場合に使われることもあります。政治的に使われるコンサバは「保守派」を意味し、従来の社会制度や伝統・習慣などを尊重し、革新派などに反対する思想を指します。
医療的な用語としてのコンサバ
コンサバは医療用語としても使われます。医療的なコンサバは「手術をせずに内服薬や湿布など、保守的な治療法」という意味合いです。内科や整形外科などで医療関係者が使用する用語です。
ビジネスでのコンサバとは?
ビジネス上のコンサバの意味
コンサバは、ビジネスシーンにおいても使われます。ビジネスシーンで使われる場合、英単語が持つ「保守的」という意味のほかに、「無難」「手堅い」「控えめ」「面白味がない」などの意味も持ちます。
コンサバはどちらかというとネガティブな表現
ビジネスシーンでコンサバという用語を使う場合、すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、「可もなく不可もない」「オリジナリティがない」「新しさがない」というニュアンスが加味されることが多く、ネガティブな意味に解釈されることが多いです。
ビジネスシーンでのコンサバの例文
ビジネスシーンにおいて、コンサバという言葉は次のように使われます。
【ニュートラルな意味合い】
「先方担当者はコンサバだから、斬新な案は通らないと思う」
(先方担当者は保守的だから、斬新な案はやりたがらないと思う)
【ネガティブな意味合い】
「この企画書はコンサバだね」
(この企画書は無難で、可もなく不可もないね)
コンサバの対義語
プログレッシブ
コンサバの反意語「プログレッシブ(progressive)」は、「革新的」「先進的」「進歩的」という意味です。IT・アートや音楽、政治姿勢などに幅広く使われ、「プログレ」と省略されることもあります。
アバンギャルド
コンサバの反意語として使われる「アバンギャルド」は、フランス語の「avant-garde」という単語が語源です。元々は軍用語として使われ、最前線で奇襲をかける「前衛部隊」という意味があります。
アバンギャルドはファッションや芸術的なシーンで使われ、前衛的・先進的・奇抜といったニュアンスを意味します。
コンテンポラリー
コンサバの反意語として用いられる「コンテンポラリー(Contemporary)」は、主に芸術やファッションで使われ、「現代的な」という意味です。
「コンテンポラリーアート(現代美術)」、「コンテンポラリーファッション(現代的なファッション)」のように使われ、芸術の分野では「コンテンポラリー」そのものが「モダンアート」と同じ意味を持ちます。
コンサバはちょっと皮肉めいた表現、使い方には注意
コンサバはさまざまなシーンで使われます。使われるシーンごとの意味やニュアンスを理解して、上手に使い分けましょう。
また、ビジネスシーンで使われるコンサバは、皮肉を含んだネガティブな意味合いで使われる傾向にあります。使う場合には、自分が意図しない意味に解釈されてしまうこともあるので、注意しましょう。