google_title=トレーサビリティシステムの意味とは

ネットでの買い物が進み、実際に商品を手に取らなくとも、注文するだけで手もとに届くシステムを利用する方が昨今増えています。その際、その商品はどこでつくられて、どこで販売され、どうやって自分の手元に届いたのか……などと、疑問に思ったことはないでしょうか?

それらを視覚化するサービスこそがトレーサビリティです。今後さらにトレーサビリティが重要性が問われる時代となってきます。トレーサビリティを導入することでどんなメリットがあるのかを、本記事で紹介しています。

トレーサビリティの意味

まず、トレーサビリティが持つ意味を詳しくみていきましょう。

  • トレーサビリティとは

    トレーサビリティの意味をしっかりと理解しておきましょう

トレーサビリティとは

トレーサビリティとはTrace(トレース)とAbility(アビリティ)を組み合わせたもので、直訳をすると「追跡能力」の意味となります。業界によって、若干の意味の差はありますが、製造者から仕入れ先、販売元がどのように加工し、組み立てを行い、流通されたかなど、原料や部品を注文者に届けるまでのすべての過程を記録し、いつでも追跡可能状態にするシステムを指します。

このシステムが確立されることで、消費者に届くまでになんらかの不具合があった場合に、どの過程において問題が発生したのか調査が可能になります。そのほかにも、商品が消費者に届くまでどこの過程において工数がかかるのか管理が可能になるので、生産や品質管理の効率化が可能になります。

どうして重要なのか

それではどうしてトレーサビリティが重要になってくるのでしょうか。もしも消費者に届いた商品になんらかの不備があり、トラブルにつながってしまった場合、そのような不具合を繰り返さないようにするために原因を特定し、課題を解決する必要があります。

仮にどのようなルートで製造され、流通されたのかが不透明だと、トラブル発生を防ぐ対策もできず、消費者に対しても、取引先に対しても説明責任を果たせないため、会社自体の信用問題につながります。

そのような消費者トラブルを減らすために法律なども整備され、今後さらにトレーサビリティが重要視されるようになってくると予想されます。

トレーサビリティを導入するにあたって

ここからは、トレーサビリティを導入するメリットと課題をご紹介します。

  • トレーサビリティを導入するにあたって

    トレーサビリティを導入するメリットを理解しておきましょう

トレーサビリティ導入のメリット

導入のメリットは、以下の3つに大別できます。

(1)品質の向上
(2)信頼度の向上
(3)リスク管理の向上

■品質の向上

商品トラブルが発生した際にどの時点で不具合があったのか明確になるため、原因の特定が可能となります。万一問題が発生すれば、データをもとに改善策を打ち出すことができます。

■信頼度の向上

例えば小さな子どもがいる家庭の場合だと、子どもの口に入る食材のすべてが安全であるかどうか把握をしておきたいでしょう。トレーサビリティによってどの原産国の食材をどこの工場で加工し、どのようにスーパーまで届いたのが明確となっていれば、親御さんは安心して食材を購入できます。

■リスク管理の向上

もしトラブルが発生しても、トレーサビリティを導入していれば、どこで問題が発生したのかを短時間で把握できますし、問題解説までのコストも減らすことができます。

以上の3点が向上することで、顧客満足度が増加します。

どこでつくられた商品でどうやって家まで届いたのかわからないものより、どのように加工され、運ばれ、家まで届いたの明確にわかった方が安心して購入できます。だからこそトレーサビリティを徹底すると顧客満足度にも直結する、と考えていいでしょう。

今後の課題点

トレーサビリティは消費者に対して安心で安全な商品を届け、消費者にとっても会社にとっても損失を減らすことができる画期的なシステムです。そのため、主流だった食品業界の他にも、さまざまな製造業で利用されるようになり、需要は高まるばかりです。

しかし、仕入れ、加工、流通などすべての過程において連携をしなければ、きちんとした仕組みをつくれません。すなわち、一つの商品ができるまでに関わるすべての人たちが連携する必要があるということです。

残念なことに、他分野領域の人との連携不足が課題となり、トレーサビリティが進まない事例が多くが挙げられています。この課題を乗り越えていくために、さまざまな会社がトレーサビリティの連携体制作りに注力しており、ウェブ上での情報の共有、バーコードなどを使った簡単な管理システムが増加傾向にあります。今後のさらなる体制構築に期待がかかります。

トレーサビリティの関連用語

さらにトレーサビリティを理解するうえで覚えておくべき用語をご紹介します。

  • 関連用語について

    トレーサビリティの関連用語も把握しておくと、理解がより深まりますよ

「トレースフォワード」と「トレースバック」

トレーサビリティに類似する言葉で「トレースフォワード」と「トレースバック」があります。トレーサビリティによって蓄積されたデータを利用し、生産者から消費者に届くまでの時間を特定するのがトレースフォワード、移動履歴を使用し、消費者に届いた時点から生産者までの時間を逆算し、品質の改善などに役立てるものをトレースバックといいます。

例えば、商品の一部が壊れており、消費者からクレームが入ったとします。トレースバックを使い、どのように消費者まで届いたかを遡って調査し、原因が運動会社にあることが判明した場合、トレースフォワードを利用し、同じタイミングで出荷された商品を特定し回収します。このようにして仕入れから加工、流通、そして消費者に届くまでを記録しています。

内部トレーサビリティ

「内部トレーサビリティ」とは、1つの工場、もしくは企業内などの特定の範囲において実施されているトレーサビリティを指しています。この内部トレーサビリティを運用することで記録できるデータが細部にわたり、さらなる作業の効率化と品質の向上につながります。

チェーントレーサビリティ

「チェーントレーサビリティ」は、流通の各段階においてどのように製品が移動したかを把握できる状態にすることを指します。これによって、企業だけではなく、消費者自身も自分の手元にある製品がどのように流通したのか、正確な情報を得ることができます。一般的に「トレーサビリティ」と呼ばれるものは「チェーントレーサビリティ」を指している場合が多いです。

おわりに

トレーサビリティが今後さらに発展することで、消費者にとっても安心できる商品の購入、企業側の社会的信頼度の向上、コスト削減にもつながっていくことをご理解いただけましたでしょうか。

まだまだ課題のあるトレーサビリティですが、インターネット社会がさらに進化していく中で今まで以上に注目されるシステムとなっていくことは間違いないでしょう。仕事の効率化や社内のデータベースの情報の蓄積にも役立ちます。今一度自社のトレーサビリティについて見直してみるのもいいかもしれません。