山陽電気鉄道と山電情報センターは、オプテージとともに、踏切横断における安全性強化を目的に、監視カメラによる遠隔監視やAI画像解析技術の活用による踏切遮断時の異常検知に向けた実フィールドでの実証実験を8月上旬から開始したと発表した。

  • 実証実験の概要図

実証実験では、オプテージが持つAI技術を活用した画像解析技術を用い、踏切内に取り残された人を自動で検知するという。今春から3社により機器構成の検討や検証準備を進め、実フィールドでの実証実験を開始することになった。

オプテージの持つAI技術や通信技術、ウェブ開発技術を活用し、山陽電気鉄道の踏切における人の往来の映像をリアルタイムに解析。危険を察知したらエッジデバイスから信号を送出し、特殊信号発光機(停止信号)を発光させて接近する列車の運転士へ通知を行い、列車を安全に停止させることで、踏切における人身事故の抑制を図る。並行して運転指令室に危険の通知を行うしくみを検証し、2021年春の本格運用開始をめざす。

従来の障害検知システムでは検知できなかった、歩行者やベビーカー・車いすといった人を検知できるように、AIを活用した画像解析による実地検証も行い、画像解析で課題となる雨天時や夜間についても精度が保てるかなど、実フィールド環境での有効性も検証。検証にあたっては、この分野での実績を保有するK4Digitalの協力の下で実施する。

異常検知した際には、接近する列車の運転士に即時発報を行えるよう、現場設備(特殊信号発光機など)との連動性についても検証する。処理方式は検知精度と処理時間の関係を考慮し、よりリアルタイムでの処理を実現するエッジデバイスによる画像解析技術を用いて検証を行う。

並行して、運転指令室でのアラート認知、状況確認ができるしくみも開発し、検証する。現場のエッジデバイスから運転指令室までのネットワークにはオプテージのIP-VPNを採用し、セキュアなネットワーク環境を構築するとともに、低遅延で情報収集ができるシステムをめざす。