マツダは「オートモビルカウンシル2020」(AUTOMOBILE COUNCIL 2020、幕張メッセにて8月2日まで開催中)で「MX-30」のマイルドハイブリッドモデルを公開した。直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」(2.0Lの直列4気筒エンジン)に同社独自のマイルドハイブリッドシステム「M HYBRID」(エムハイブリッド)を組み合わせた「e-SKYACTIV G」(イー・スカイアクティブ・ジー)を搭載するモデルで、導入は2020年秋の予定だ。
コンパクトSUVの選択肢が充実
MX-30はマツダが2019年の東京モーターショーで初公開したコンパクトSUV。同社初の量産電気自動車(EV)として登場したMX-30に今回、新たなモデルが追加となった。マイルドハイブリッドモデルは2020年秋に導入(発売か発表かは不明、価格も不明)、EVモデルは2020年度中にリース販売を開始する予定だという。EVについては、販売方法を広げていくことについても検討しているとのこと。
すでに明らかになっているMX-30のEVモデルに関する情報をまとめておくと、ボディサイズは全長4,395mm、全幅1,795mm、全高1,555mmで同社のコンパクトSUV「CX-30」とほぼ同等。バッテリーの容量は35.5kWhで、航続距離は欧州の「WLTPモード」で約200キロだという。欧州では3万3,900ユーロですでに予約受注を受け付けており、マツダ広報によれば「多くの方から関心を寄せていただいている」そうだ。マイルドハイブリッドモデルはEVよりも全高が5mm低い。
これまで、MX-30はEV専用のクルマになるものと勝手に思い込んでいたのだが、今回、マイルドハイブリッドの導入が明らかとなった。EVの市場はまだ成熟していないので、EV専用にするとビジネス的に厳しそうだから、売れる車種としてマイルドハイブリッドをラインアップすることに決めたのだろうか。そう聞いてみるとマツダ広報からは、「地域に合ったパワートレインを用意するマルチソリューション戦略に沿った取り組みです」との答えが返ってきた。
マツダはコンパクトSUVのCX-30を販売しているが、このクルマのパワートレインはガソリンエンジン(マツダ独自の新技術を盛り込んだ「SKYACTIV-X」を含む)とディーゼルエンジンのみ。ここにMX-30のEVとマイルドハイブリッドが加わることになるので、選択肢は大幅に増えることになる。
コンパクトSUVセグメントのハイブリッド車といえば、トヨタ自動車「C-HR」、ホンダ「ヴェゼル」に最近、日産自動車「キックス」が加わって、相当な激戦区となっている。そのうち、トヨタから「ヤリスクロス」が発売となれば、競合はますます激化しそうな情勢だ。日産に聞いた話だと、コンパクトSUVを買うユーザーはハイブリッドモデルを選ぶことが多いそうだから、マツダがMX-30にマイルドハイブリッドをラインアップするのはおそらく、同社の商売にとってもクルマを選ぶ側にとっても悪くない話なのだろう。