JR東海は品川~名古屋間で建設を進めているリニア中央新幹線に関して、第一首都圏トンネル(北品川工区)の工事の進捗状況を撮影した写真を公開した。

  • リニア中央新幹線の北品川工区における工事の進捗状況を公開

都市部では大深度地下にシールドトンネルを掘って路線を築いていくため、最も品川駅寄りのシールド発進立坑となる北品川非常口の地下83mでシールドマシンを組み立てており、トンネルを掘り始める準備が着々と進んでいる。

現在、中央新幹線は沿線各地で工事を進めており、高度に市街化された首都圏と中京圏では、地下40mよりも深い大深度地下にトンネルを掘って路線を築いている。都市部で用いるシールド工法は、地上にビルが建ち並ぶ場所や河川の下など地下水位が高い場所でも安全な掘削が可能となっている。

  • シールドマシンを分割して北品川非常口に運び入れる

都市部のトンネルは円形で、外側の直径は約14m。トンネルを施工するために立坑を約5kmおきに設置し、立坑は営業開始後、非常口として活用される。

東京都と神奈川県を結ぶ第一首都圏トンネル約37kmのうち、最も品川駅寄りの工区が北品川工区「品川駅(東京都港区港南)~等々力非常口(神奈川県川崎市中原区等々力)」。北品川工区では、北品川非常口から東雪谷非常口を経て等々力非常口までを掘り、その後で品川駅までのトンネルを築く。地表面からトンネルの上端までが最も深い所で約90mにも及ぶ固い地盤の中をシールドマシンで掘っていく。

  • 立坑の底でシールドマシンを組立てる

シールドの発進地点となる北品川非常口の立坑は、昨年12月に中央新幹線の都市部非常口として初めて完成。北品川非常口から等々力非常口まで8km余りの長い距離を掘るシールドマシンは、今年1月に神戸市内の工場で完成し、4月からはシールドマシンを分割して北品川非常口に運び入れ、立坑の底で組立て作業を行い始めた。

シールドマシンの組立ては2020年度の前半の半年間をかけて行う。年度の後半には、2021年度初に予定しているシールド発進に向け、準備を行っていくという。