JR東海は1日、新型車両N700Sの営業運転開始を記念し、東京駅で出発式を開催した。N700Sの営業初列車は東京駅6時0分発の東海道・山陽新幹線「のぞみ1号」(博多行)。東京駅6時15分発「のぞみ3号」(博多行)もN700Sで運転された。

  • 東京駅で発車を待つ新型車両N700S。東海道・山陽新幹線「のぞみ1号」で営業運転を開始した

東海道新幹線において13年ぶりのフルモデルチェンジとなるN700Sは、既存車両の白地に青帯の外観を踏襲しつつ、「デュアルスプリームウイング形」の先頭形状や「S」の形を表した先頭部の青帯のデザインなどが特徴。車内はグリーン車・普通車ともに快適性・利便性を向上させ、全席(1,323席)にコンセントを設置している。

営業運転初日となった7月1日、東京駅の14・15番線にN700Sが2編成並び、ホーム上の1号車付近で出発式が行われた。14番線の「のぞみ1号」はN700SのJ1編成、15番線の「のぞみ3号」はJ3編成を使用。先頭車の模型も会場に展示された。

  • 14番線に停車中の「のぞみ1号」(J1編成)

  • 15番線に停車中の「のぞみ3号」(J3編成)

  • N700Sの先頭車の模型が会場に

  • JR東海の金子社長が挨拶

  • 「のぞみ1号」乗務員へ花束贈呈

JR東海の代表取締役社長、金子慎氏は挨拶の中で、N700Sを「安全性、安定性、快適性、環境性能と、すべての面で最高の性能を有する新型の新幹線車両」「高速鉄道としては世界で初めてバッテリー自走システムを搭載し、異常時に強い側面もあります」「東海道新幹線では16両編成で走りますが、線区によって8両編成、12両編成と柔軟な編成にできる『標準車両』も実現しています。線区の特性によって国内外にも展開できるグローバルスタンダードをめざします」と説明。これまでに積み上げてきた技術開発の成果を取り入れた新型車両で、「安全に安定して運行することによって、多くのお客様に快適な乗り心地の新幹線での旅行を楽しんでいただきたい」と述べた。

その後、N700Sの営業初列車となる「のぞみ1号」の運転士・車掌・チーフパーサーへ花束贈呈、金子社長ら出席者による記念撮影が行われた。14番線に停車していた「のぞみ1号」は6時0分、東京駅長の合図とともに定刻に発車。その15分後、15番線に停車していた「のぞみ3号」も東京駅を発車し、それぞれ博多駅へ向かった。

  • 東京駅長の合図で「のぞみ1号」が発車

JR東海はこの日の営業運転開始に合わせ、N700S量産車を4編成投入。N700系の置換えとして、2020~2022年度に計40編成を投入する計画と発表されている。今後、N700Sで運転する列車は車両運用が決まる前日の時点で情報提供する予定だという。デビューを記念したテレビCM放映やポスター掲出、N700Sの「S」が「Supreme(最高の)」の略であることにちなんだ「Supremeコラボレーション」なども展開される。