デンソーウェーブは8月1日、自動車用衝突防止センサー技術をベースにした新型踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」を発売する。2019年11月に鉄道技術展で発表した「ZONE D-RX」を近畿日本鉄道のフィールドにて動作確認を行い、評価したという。

  • 新型踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」

  • 「ZD-LS200RX」設置例イメージ

新型踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」は、自動車部品メーカーのデンソーが開発した自動車用センサー技術をもとに、近畿日本鉄道と共同で2017年から踏切障害物検知装置向けの開発を始め、研究と実証を進めてきた。

実証実験の結果をもとに、装置内のCPUを二重化して相互監視を強化し、万が一、CPUの一方に不調が発生した場合でも、もう一方のCPUでエラーを認識できるフェールセーフ性を向上させている。これにより、鉄道総合技術研究所の安全性評価を受審しており、踏切における安心・安全対策に貢献できる。

  • 検知対象エリアの中に高反射素材製のポールを設置して常時検知する

従来より、レーザーセンサーはレーザー光を照射し、反射光を測定して物体の有無を判断しているため、光の吸収率が高い黒色の物体や、表面が鏡面仕上げのような物体の場合はレーザー光の十分な反射光量が得られず、センサーで検知しづらいという課題があった。「ZD-LS200RX」は検知対象エリアの中に高反射素材製のポールを設置し、常時検知することで、黒色の車両等の反射光量を得られない物体が検知エリア内に侵入したときにこのポールが検知できなくなり、エリア内の侵入物が存在すると判断するしくみを構築した。この特許取得技術によって検知率が向上し、さらなる安全を実現した。