JR東海は15日、在来線の踏切事故防止対策として、高機能型障害物検知装置と踏切用ATS装置を導入すると発表した。

  • 東海道本線を走る313系

高機能型障害物検知装置は、踏切内の障害物を検知するための装置。これまでも踏切内で立ち往生した自動車などを検知する光線式の障害物検知装置を使用してきたが、新たに踏切上の全範囲を検知エリアとし、歩行者・自転車・車いす等への検知性能を向上させたレーザーレーダー式の検知装置を導入する。2021年度以降、2025年度までに、列車本数が多く、歩行者や自転車などの通行量が多い18カ所の踏切に順次導入する。

踏切用ATS装置は、踏切内で障害物が検知された際、運転士が作動させる手動ブレーキを補完するための装置。踏切内で障害物を検知しているときに、列車が地上にある踏切用ATS装置を通過すると、列車の制限速度である速度制御パターンを車上に発生させ、列車の速度が速度制御パターンより高ければ、踏切より手前で自動的に列車を停止させる。2020年度以降、2025年度までに、列車本数や大型自動車の通行が多い54カ所の踏切に順次導入する。

あわせて、列車が踏切で障害物と衝突して脱線したときに列車の逸脱を抑制し、対向列車と衝突することを防ぐための「踏切用逸脱防止ストッパ」を313系に新設する。列車の脱線時、このストッパがレールに掛かることで、列車の傾きを抑え、対向する線路側への逸脱を防ぐ。2020年度以降、2024年度までに、計183両に順次導入する。