JR東日本は7日、より安全な駅ホーム・踏切の実現に向けて実施中のホームドア整備など駅ホームにおける取組み、次元レーザレーダ式障害物検知装置を取り入れた踏切における取組み、利用者に注意喚起を行うキャンペーンについて発表した。

  • スマートホームドア(JR東日本提供)

  • 従来型のホームドア(JR東日本提供)

駅ホームにおける取組みでは、2019年度末までに山手線や京浜東北・根岸線を中心に48駅(線区単位では57駅)でホームドアの整備が完了。2020年2月に京浜東北線蕨駅で初めて導入した「スマートホームドア」を積極的に導入することにより、ホームドア整備の早期展開をめざす。「スマートホームドア」は扉部をフレームで構成したシンプルな構造で、内部機構の簡素化により軽量化を実現し、従来型に比べて最大40%の設置工期短縮を可能としている。

その他にも、線状の突起を設けてホームの内外が分かるようにした「内方線付き点状ブロック」、ホーム端部を着色することで注意を促す「CPライン」、駅社員や車掌が視認しやすい「高解像度ITV(モニタ)」の整備を進める。

踏切における取組みでは、踏切事故対策の基本として、地域住民の協力を得ながら踏切廃止に向けた取組みを進め、廃止が困難な第3種(警報機や警標のみ)・第4種踏切(警標のみ)の第1種化(警報機や遮断機がある)にも取り組んでいる。

踏切内に立ち往生した自動車などを検知し、列車に知らせる障害物検知装置のうち、レーザレーダにより踏切全体を検知する「3次元レーザレーダ式障害物検知装置」を2019年度末時点で約830の踏切に整備。従来の機能に加え、新たに開発した転倒した人などの検知性能を上げる機能(転倒検知)と、降雨・降雪などの誤検知を削減する機能(ノイズ除去)を備えた高機能版を2019年度から導入し、順次拡大していく。

利用者に向けたキャンペーンとして、年度初めに「かけこみ乗車防止キャンペーン」、年末年始に駅ホーム上での列車との接触や線路への転落について注意喚起する「プラットホーム事故0(ゼロ)運動」を首都圏の鉄道社局と合同で実施。踏切を安全に利用してもらうため、踏切警報機が鳴動したら踏切を渡らないこと、踏切内に異常を認めたら非常ボタンを押すことを呼びかける「踏切事故0(ゼロ)運動」を実施している。

2020年度は駅コンコースや踏切での啓発活動、首都圏を走る車両に取り付けたモニタでの動画放映、テレビCM放映や他鉄道事業者と連名のラジオCM放送を予定している。