新型コロナの感染拡大は、日常生活だけでなく仕事にも大きな影響を及ぼした。テレワークの拡大、セミナーや研修、出張の中止、時短や時間差出勤など。突然の急激な変化に戸惑いを覚える人も少なくない一方、「いい変化を感じている」という人もいるようだ。

そこでマイナビニュースでは、アンケート会員男女520人を対象に「コロナの影響で、仕事や業務が良い方に変化したと感じたこと」について尋ねてみた。前回の【生活編】に続き、今回は【仕事編】をお伝えする。

  • 新型コロナの影響で「いい方向に変化したこと」を聞いてみた!

    新型コロナの影響で「いい方向に変化したこと」を聞いてみた! ~仕事編~

仕事や業務での良い変化、4割が実感している!

Q.コロナの影響で、仕事や業務が良い方に変化したと感じたことはありますか?

  • コロナの影響で、仕事や業務が良い方に変化したと感じたことはありますか?

    コロナの影響で、仕事や業務が良い方に変化したと感じたことはありますか?

・「ある」……35.8%
・「ない」……64.2%

マイナビニュース会員を対象に、コロナの影響で、仕事や業務が良い方に変化したと感じたことはあるかについて尋ねた。その結果、「ある」は35.8%、「ない」は64.2%だった。

約4割がコロナの影響で仕事が良い方に変化したと答えている。どのように良い変化を感じたのか気になるところだ。そこで具体的な変化について尋ねてみた。

■テレワークの定着

・61歳/男性「テレワークやテレビ会議など在宅でも仕事ができることが分かって、これまでにも増して仕事環境が充実してきた」

・45歳/男性「元からリモート仕事だったが、今回の件でリモートであることが普通になり、家にいても怪しまれない環境になった」

・39歳/男性「通勤時間が無くなったので朝ゆっくりと過ごすことができる」

・40歳/男性「時差出勤でいつもより混雑のストレスを感じない、テレワークで家族との距離が近い」

■業務の効率化

・58歳/男性「連絡をメールやチャットで行うことが多くなり、簡単で手短に済み効率的になった」

・47歳/男性「コロナで私語厳禁が徹底されたので仕事効率が上がった」

・42歳/男性「残業ができない、あるいは出勤ができないということで、より集中して、より必要な業務から取り組むようになり、スピードが上がった」

■不必要な文化や人づきあいが無くなった

・41歳/男性「退社後の不要な会食が無くなったことが正直すごく嬉しい」

・46歳/女性「家族で食事(夕食)を一緒にとれるし、不要な飲み会も無くなり、出費も減った」

・59歳/男性「遠方への出張が減った。時間やコスト面が節約できていいことだと思う。この際、わざわざ集まる必要性のない会議は見直すべきと思った」

・27歳/男性「はんこ文化など不要な慣習の見直しのきっかけになったと思う」

・58歳/女性「これまで長い時間をかけていた会議が短縮や、確認のみで済ませることが多くなり、それでも何の問題もないことが明らかになったこと」

■その他

・52歳/男性「嫌いな上司との付き合いが無くなり、ストレスが軽減され精神的に落ち着いた生活ができている」

・51歳/男性「今まで当たり前であった、サ―ビス残業(上司や職場の同調圧力)が無くなっていく」

・38歳/女性「従業員の衛生意識が高まった」

多かった意見は、外出自粛を受けて、一気に広がりを見せた「テレワーク」だった。1日数時間かけて通勤していた人にとっては、その時間を仕事や趣味に充てることができるメリットは大きいだろう。テレワークをする環境が整っていなかったり、家族の目があるのでなかなか集中できなかったりという人も少なくないが、テレワークへのシフトは多くが好意的に捉えているようだ。

時差出勤や勤務時間の短縮を挙げた人も多い。無駄な作業や会議をなくし、少ない時間で効率的に仕事をこなせるように組織が動いていることを「良い変化」と感じていることが分かった。

職場の人間関係を円滑にするために「飲みにケーション」「社内イベント」を行う会社もあるだろう。しかし、中にはそれを負担に感じる人もおり、外出自粛で飲み会やイベントの開催が無くなったことを喜ぶ声も多かった。そのほか、職場の衛生環境の向上を挙げる人も見られた。

非常事態宣言が解除されて早くも1カ月以上が経った。新型コロナの影響から仕事上で良い変化を感じた人も多い中、オフィス街には以前ほどではないが人が戻りはじめ、「会社帰りに一杯」という人も出てきている。次は「コロナの影響で生まれた良い変化のうち、今後も継続してほしいもの」について聞いてみよう。

4割強が「コロナ後も続いてほしい習慣」があると回答

Q.コロナの影響で変化した仕事や業務の中で、コロナ後も続いてほしい習慣はありますか?

  • コロナの影響で変化した仕事や業務の中で、コロナ後も続いて欲しい習慣はありますか?

    コロナの影響で変化した仕事や業務の中で、コロナ後も続いて欲しい習慣はありますか?

・ある……44.4%
・ない……55.6%

コロナの影響で変化した仕事や業務のうち、4割強が「コロナ後も続いてほしい」と回答していることが分かった。どのような変化を今後も継続してほしいと思っているのだろうか。

■テレワーク

・35歳/男性「通勤時間が削減できるのでテレワークが続いてほしい」

・58歳/男性「テレワークだと自分の1日の時間の使い方がある程度自由になり、有意義に過ごせるのでこれからも続いてほしい」

・59歳/男性「テレワークにより家族やペットと過ごす時間が増え、仕事に縛られる日々から少し解放されるので続けてほしい」

■無駄な業務や会議や飲み会

・43歳/男性「無駄な会議などを減らしてほしい」

・59歳/男性「無駄な営業訪問を減らす」

・39歳/男性「会議がwebになったので、わざわざ時間をかけて出張に行かなくてよくなったので続けてほしい」

・38歳/男性「不必要な飲み会は今後も中止でいいと思う」

・50歳/男性「無駄と感じていた飲み会が減って嬉しい。カラオケは特に嫌いなので好都合でした」

■その他

・41歳/女性「レジ業務にて、手袋の使用(支給)を徹底されているのを続けてほしい。コロナが終息しても、お金はやはり汚いから」

・54歳/男性「ソーシャルディスタンス」

・67歳/男性「どこにせよ衛生面での配慮が丁寧になった点は継続してほしい」

・58歳/男性「まめな手洗いとマスクの着用と三密を避けること」

・55歳/男性「定時退社」

圧倒的に多いのが「テレワーク」だった。通勤時間が不要で、自宅で会社と同じように仕事ができるテレワークを一度経験してしまうと、「もう満員電車に揺られての通勤なんて考えられない」という人が多いようだ。テレワークになると、おのずから仕事帰りの飲み会や食事に参加する機会も減ってしまうが「飲み会に参加しない口実ができる」「苦痛だったのでありがたい」という声が多かった。

外出自粛期間中、多くの企業が導入を進めてきたオンライン会議。これにより、わざわざ時間をかけて遠方に出張に行かなくても、全国の取引先とやりとりできることが分かった。時間や交通費の削減につながることから、今後も継続してほしいという声は多い。よりオンライン化を推進し、無駄な会議や、足で稼ぐのが美徳とされてきた非効率な営業をなくすべきと考える人が多いようだ。

また、これまで職場で咳エチケットをしない人やしっかり手洗いをしない人、混んでいるエレベーターに割り込んでくる人などに辟易していた人もいるはず。現在の職場環境はソーシャルディスタンス、消毒液の設置、マスク着用がスタンダードとなりつつある。「安心して働けるように、今後も衛生管理の徹底は継続してほしい」という声も多かった。

これまで2回にわたってお伝えしてきた「新型コロナの影響でいい方向に変化したこと」。生活面・仕事面でも共通しているのは、これまで当たり前だと思われてきたさまざまな事柄の見直しだった。無駄な作業や飲み会、会合、苦手な人とコミュニケーションする時間を減らし、その分、スキルアップや趣味などに充てる。こうした中、さらに新しい働き方や仕事の進め方が見えてくるかもしれない。

調査時期: 2020年6月13日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 520人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません