新型コロナウイルス事態によって、大きな変化を強いられている私たちの暮らし。外出自粛やリモートワーク、学校の休校など、大きく変わってしまった日常に、戸惑いを覚えている人も多いことだろう。
そこでマイナビニュースでは、アンケート会員男女512人にアンケートを実施。「外出自粛の影響による人間関係の変化」について聞いてみたので、前回の【ポジティブ編】に続き、今回は【ネガティブ編】を紹介しよう。
Q.外出自粛の影響から、人間関係に変化はありましたか?
Q.どういった人間関係に変化を感じたかを教えてください(複数選択可)
最も「ネガティブ」に変化したものは、「仕事での人間関係」
Q.最も「ネガティブ」に変化したと感じた人間関係を教えてください
→ 全体の6割以上が人間関係に変化があったと感じ、約3割が「仕事での人間関係」がネガティブになったと回答
調査の結果、マイナビニュース会員のうち外出自粛での人間関係の変化は、「全くなかった」(36.3%)を除く63.7%となり、3分の2近くが何らかの変化があったと回答した。変化を感じた人間関係は、「仕事での人間関係」が57.4%で最も多く、「ネガティブ」に変化したのも「仕事での人間関係」(28.5%)が最多だった。
「ネガティブに変化したものはない」(27.0%)とする人も3割近くいるものの、「友人との人間関係」(19.3%)や「家庭での人間関係」(18.1%)がネガティブになったという人も一定数いる。一方で、「恋愛での人間関係」(4.6%)とする人は少数だった。
ここで、先に聞いた【ポジティブ編】を見ると、1位「ポジティブに変化したものはない」(33.4%)、2位「家庭での人間関係」(31.0%)、3位「仕事での人間関係」(19.0%)、4位「友人との人間関係」(12.0%)、5位「恋愛での人間関係」(4.6%)だった。
比較してみると全体的には、おおよそ「ポジティブに変化したもの」は「家庭での人間関係」であり、「ネガティブに変化したもの」は「仕事での人間関係」といえるだろうか。
外出自粛で「仕事」上の支障が生じ、人間関係も悪化してしまった?!
Q.ネガティブに変化したと感じた人間関係について、具体的なエピソードを教えてください
■「仕事」
48歳女性「仕事量が大幅に減ってしまったので、仕事関係の人と連絡を取る機会や回数が格段に減ってしまった」
41歳男性「みんなが意外に自分のことしか考えていないことがわかってしまった」
55歳男性「仕事が取れなくなり殺伐とした雰囲気。コロナ以上に人が死ぬ感じがする」
66歳男性「頼りになると思っていた仕事仲間が、実は役に立たなかった」
62歳男性「オンライン飲み会を断る理由がなかなかなく、しぶしぶ参加しています」
39歳男性「休憩室で、お互い疑心暗鬼になっている。咳に対してナイーブになっている」
46歳男性「テレワーク中、部下の管理ができなくなり、業務をさぼっていたことなどを現場から聞き、信頼できなくなりました」
51歳男性「宿泊業に携わっていますが、完全に休業になって会社から保証されている飲食部門と、出勤せざるを得ない私たちとの間で大きな溝が出来ています」
41歳女性「上司からの指示が不明瞭、かつパソコンが使えない状況で在宅勤務しており、効率が悪い。部下にしわ寄せが全て来る、失敗はすべて部下に押し付け、美味しいところだけ持っていかれる」
66歳男性「出社時に人と話したいという理由だけで、用事もないのに会社に来てぺちゃくちゃしゃべっている年寄りがいる」
■「友人」
49歳男性「コロナになってからほとんど連絡も取らなくなって、一時的にだけれど疎遠になっている感じがした」
72歳男性「知人・友人とLINEや電話だけの会話になり、このままでは疎遠になってしまうかもしれない」
43歳男性「友人のリモ飲みのノリが悪いような気がするし、LINEも淡々としてる……」
50歳男性「会えないことが多くなり、メッセージだけのやりとりなので誤解を招いたりで、喧嘩が多くなった」
49歳女性「友だちに会えずつらかった、会合など人によって、意識がかなり違うことを感じることがあった」
40歳女性「SNSでの交流が100%になったことにより、一部、ネット上での人格がまるで別人であるかのような友人の側面を知ってしまい、距離を取ろうと思った」
68歳男性「友人というか、知人がこんな時期に飲みに行こうと誘ってきた。信じられなかった。これからの付き合い方を考えようと思うきっかけになった」
■「家庭」
43歳男性「母が頻繁に外出するのを注意したら、しばらく気まずくなった」
38歳男性「一緒に暮らしている家族と些細なことで口喧嘩してしまった回数が増えて、とても良くないと思っています」
36歳男性「コロナ対策に関する価値観が合わなくて、衝突した」
41歳女性「仕事も学校も休みとなり、一日中家族で過ごすようになったことで喧嘩や小言が増えた。ひとりの時間が減り、イライラすることもある」
39歳男性「障害がある我が子を、ずっと看ていることに辛さを感じた」
■「恋愛」
67歳女性「家に多くいると、些細なことで喧嘩する事が多くなり、ギクシャクした関係になる」
44歳男性「恋人と会う回数が減って、別れた」
■「その他」
27歳男性「施設に入居している家族との関係。施設で面会が禁止された状況を理解できない認知症の父から、抗議の電話を延々と聞かされる羽目になった」
70歳男性「自立した子どもの家庭との接触。外出を最小限しなくてはならず、今まで出来ていた家族間の行き来ができなくなってしまっている」
それぞれの人間関係がネガティブに変化した理由としては、さまざまなコメントが寄せられている。印象に残ったものを挙げてみよう。
「友人」"疎遠になった""友人との意識の違いが明確になった""友人の嫌な面が見えた"
「家庭」"一緒にいる時間が長く、ストレスになる""些細なことで喧嘩になる""価値観の違いが露わになった"
「恋愛」"会えなくても大丈夫だと思えた""同棲していて衝突が増えた"
「その他」"近所との関係が悪化""実家や別居家族と疎遠に"
「仕事」に関してはやはり、リモートワークではコミュニケーションの取り方や仕事の進め方が難しく、それが人間関係に悪影響を及ぼすという意見が目立った。また、自粛で経済活動そのものが停滞し、仕事が減ってしまったことが人間関係にもネガティブな影を落としている様子もうかがえる。
「友人」とは、物理的に会えないことで「このまま疎遠になってしまうのでは」という不安を持っている人が多い。オンラインでの付き合いで、相手の嫌な面が見えてしまった、という声も。「恋愛」に関しては、「実は相手がそんなに必要ではなかった」という残酷な気付きの場面でもあるようだ。
「家庭」に関しては、時間的にも物理的にも普段よりも共に過ごす機会が増えたことで、様々なフラストレーションが生じている。常に一緒にいることが必ずしも幸福にはつながらないという、先の【ポジティブ編】とは真逆の皮肉な結果となっている。
調査時期: 2020年5月20日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 512人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません