俳優の綾野剛と俳優で音楽家の星野源がW主演を務めるTBS系金曜ドラマ『MIU404』(毎週金曜22:00~)が6月26日にスタートし、初回世帯視聴率13.1%と好スタートを切った(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)。綾野と星野は、2017年10月期放送の『コウノドリ』(TBS)以来2年半ぶりの共演。前回とはまったく異なるキャラクターに扮し、演技の振り幅が話題となっている2人の起用理由について、新井順子プロデューサーに話を聞いた。

  • 伊吹藍役の綾野剛(左)と志摩一未役の星野源

本作は、『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』(ともにTBS)などで知られる脚本家・野木亜紀子氏のオリジナル脚本による一話完結ドラマで、初動捜査のプロフェッショナルである警視庁の機動捜査隊(通称:機捜)が、24時間というタイムリミットの中で事件解決を目指す物語。警視庁には現在3つの機動捜査隊が存在するが、本作は、警視庁の働き方改革の一環で作られたという架空の設定の臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」が舞台だ。

機動力と運動神経はピカイチだが機捜経験がなく、刑事の常識にも欠ける伊吹藍役に綾野、常に先回り思考で道理を見極める志摩一未役に星野。2人はこの第4機捜でバディを組み、第1~3機捜のヘルプだけでなく、捜査1課などの各部署のヘルプも行う。『コウノドリ』では正反対な性格ながら、心から信頼し合う産婦人科医役を優しく演じた2人が一転、破天荒な“機捜バディ”としてガチンコバトルを繰り広げる。

『アンナチュラル』、『中学聖日記』、『わたし、定時で帰ります。』など数々の話題作を手掛けている新井プロデューサーは、キャスティングにおいて「いつも意外性を求めている」とのこと。本作に関しては、「綾野さんはクールなイメージがあったので、飛び抜けた野生児のようなキャラクターを演じてもらったらイメージが変わって面白いかなと思いました。星野さんは、優しい、柔らかいイメージがあったので、それとは逆の、男っぽい、荒っぽい部分もある刑事を演じたらどうかなと。それぞれ逆を狙った感じです」と起用理由を説明した。

そして、実際に演技を見て「さすが俳優さんでした。違和感ないです」と演技力を改めて実感したという新井プロデューサー。「2年前に放送された『ハゲタカ』(テレビ朝日)で、綾野さんは寡黙でクールな役を演じられていましたが、同じ俳優さんだと思えないくらい印象が違います」と述べ、星野についても「平匡さんを演じた人とは思えないですね」と、現在特別編が放送されている『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)と比較し、演技の振り幅を称賛した。

現場での2人の様子を尋ねると、「最初のほうは、どのくらいのトーンでやるかなど、話し合いをしていました」と明かし、「綾野さんは本番をやった後、『もう1回やらせてください。別パターンを見てほしいです』とご自身からおっしゃってもう1回撮影し、どっちがキャラクターに近いかという話をしていました」と説明。「今でも別パターンを撮影し、『いい方を使ってください』という時があります。言い回しやテンションを変えて、全体を見て監督に良いほうを選んでほしいというのが綾野さんです」と語った。

一方、星野は事前に固めるタイプとのこと。「星野さんは台本の細かいニュアンスを大事にされ、監督としっかり確認し、どのくらいの程度でやるか、事前に細かく話し合っています。綾野さんはとにかくやってみる。星野さんは台本に向き合い固めていくという感じです」と明かした。

イメージの逆を狙ったという2人の起用。新井プロデューサーも演技の振り幅を絶賛しているが、第1話放送後には、SNS上でも「コウノドリと同じ2人なのに ぜーんぜん雰囲気違うから別人みたい!」「綾野剛って役によってほんとに別人みたいやな」「平匡さんと全く別人 カメレオン俳優 星野源」「火曜日の平匡さんと金曜日の志摩さん 振り幅大きくておもしろい」といった声が続出した。

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