新型コロナの流行で、世の中には思わぬことが起こり得、何かが変わった、と感じた方は多いのではないでしょうか。収入が減少し、生活を見直さなくてはならないケースは少なくありません。また、これから起きるかもしれない事柄に備えて、生活スタイルを変える必要性を感じた方もいるかと思います。

しかし、ここでやみくもに「出費」を削減してもよいのでしょうか。不測の事態に負けない生活スタイルを作るためには、どのような「出費」の削減は控え、どう工夫していけばよいのか考えてみましょう。

  • 削減NGな家計の「出費」3つとは?

1.健康に生きるための「食費」は確保しよう

「食費」は支出をかなり削減できる項目ですが、削減方法に注意しましょう。余裕がないと炭水化物過多になりがちですが、それではウィルスの再活性化に向けて強い免疫力を保てません。外食をしないだけで、食費はかなりの削減となるでしょう。

食費を削減するポイントは、食材を無駄にしないことです。玉ねぎの皮も根菜類の茎や皮もすべて、おいしい出汁が取れますし、硬い茎や葉も調理次第ではおいしく食べられます。また、三つ葉やセリなど根をつけて売られているものは、根を土に植えれば再び茎が伸びて収穫できます。それだけで一品作るだけの量を収穫するのは大変ですが、お吸い物や丼ぶりにあしらうとグッと見た目が引き立ちますよ。

  • セリの根を植えて育てたもの

さらに食材においては、市場には出回らず廃棄されがちなものを活用する方法もあります。東京でも、都心部を除いて、農地はそこかしこにあります。売り物にならないものや外側の硬い葉などを、農家や八百屋で安くもらい受けることも不可能ではありません。

最近では自粛で販売先がなくなり、廃棄処分になる野菜の問題も報道されています。また、ネットなどで食品ロス対策に商品がお手頃で購入できたりしますので、調べて上手に活用しましょう。

健康に生きるための食費を確保しながら、その気になれば徹底的に節約できるのが食費です。しかもその工夫は、不思議とおいしさや見た目のグレードアップにもつながります。この機会に無駄をなくしながらも、ワンランク上の味覚や盛り付けにトライしてみてはいかがでしょうか。

2.「将来に備える出費」は極力削減しない

新型コロナの影響で生活が即苦しくなるのは、今までの生活スタイルに少なからず問題があったと考えられます。「いざというときに必要な貯蓄がない」、「モノに頼らずに楽しむ方法を知らない」、「不安定な就業形態にも関わらず、資格取得などのリスクヘッジを考えていない」、「外食中心で、安く健康においしく食事を作る方法を知らない」など、いろいろ考えられます。

その日に食べるものもないほどの状態であれば別ですが、それらの問題を改善しないままであれば、さらなる新型ウィルスが登場した際に、対処できないでしょう。そのためには問題を先送りしないこと。つまり、将来に備えて"強い家計づくり"に必要な出費は極力削減しないことが大切です。

たとえば、「子供の教育費」、「自己啓発費・技能習得費」、「年金や老後の資金」などの"将来に備えて力を蓄える費用"の見直しは、よく考えて行いましょう。

3.免疫力アップのための「息抜き費用」の確保を

飲み会、カラオケ、ライブ、旅行などが行えず、自粛期間中は相当ストレスがたまったのではないでしょうか。ストレスは免疫力低下に大きく作用します。自分をリラックスさせ、楽しませるための「息抜き費用」は工夫して確保しましょう。

何が息抜きになるかは、人それぞれですので何とは言えませんが、真っ先に自分に、モノに頼るそれらのリクレーションが必要か問いかけてみてください。生活を大きく見直すきっかけになるかもしれません。その上で、いくばくかの投資が必要であれば、やりくりして確保しましょう。

もちろん、少ない投資で最大の効果を得られるものを見つけることが大切なのは言うまでもありません。今は「モノ」に頼らないで自分を楽しませる方法を見つけ出す良い機会です。

コロナに負けないストックをしよう

大切なストックの第一はもちろん「貯蓄」です。それだけでなく、リスクに備える「スキル」のストックや、どんな時にでも速やかに対処できる「生活スタイル」の用意も重要です。

モノのない時代に育っていれば、即座に当時を思い出し対処できますが、豊かな時代しか知らない世代にとっては、今回の自粛で、生活スタイルを即座にチェンジすることは難しく、相当ストレスだったようです。まだまだ第二波も懸念される中、自分の中にいろいろなストックを蓄えておくことが大切ではないでしょうか。


今回はコロナ禍における出費について考えてみました。このような難しい状況の中で、必要な出費を削らずに済むよう工夫してこそ、変化に負けない強い生活スタイルのストックができていると言えます。

たとえば、休校になっても子供たちだけで食事ができる料理の工夫やその方法の伝授など、家族を巻き込んで新たな生活スタイルを作ってみましょう。その工夫は結構楽しいものだと思います。