志村さんが亡くなって2カ月半が経ったが、「フジテレビさんの追悼番組で、高木ブーさんが『志村は死なないの。ずっと生きてる』とおっしゃっていましたけど、全く同じ感覚です。お別れもしてないし、いまだに現実感がないんです」と心境を明かす。
それは、「“生きてる”って思い込もうとしているわけではないんです。例えば、亡くなった後でも、VTRのチェックで『志村さんはここ喜ぶだろうなあ』ってふと条件反射的に考えていたり、収録のときに志村さんの楽屋に行こうとして『あっ』と思ったり…」と、無意識に行動をとってしまうこともあるのだという。
「『志村どうぶつ園』では、今も志村さんのVTRを流していて、ナレーションを今にアップデートして録り直してるんですけど、“亡くなられた方”としている過去形のナレーションは付けたくない。意識的にということもあるのかもしれないですけど、“生きている方”としてナレーションを付けていますね。でも、そのナレーションを考えているときに、突然ドバーッと涙が出てきて、それがふっと引いて、また仕事に戻ったりとか…。今はそういう状態ですね」
■“志村”どうぶつ園が果たす役割
それでも、“志村園長”の冠が番組に残っている。「番組を楽しみにしてくれる方々に、きちっと期待に添えるものを作り続けていくということだけですね」と決意を語る清水氏。
「動物が好きな人は動物園に行ったり、図鑑を買ったりしますし、飼いたい人はペットショップや動物保護施設に行ったりすると思いますが、『志村どうぶつ園』の役割は、シンプルに“まず動物を好きになってもらう”ということなんです。幼稚園や小学生のお子さんたちが、『動物も人間と同じように感情があるんだ』と知って、まず好きになってもらえれば、次に動物を大事にしたい、そしてもっと知りたいという感情が生まれるはず。だから、今担っているこの役割を、できればずっと守っていきたいと思っています」
13日の放送では、志村さんが16年通い続けた阿蘇カドリー・ドミニオンで暮らす、パンくんとプリンちゃんの今を紹介。志村さんが会いに来なくなったことが原因か、最近プリンちゃんの様子に変化があるといい、相葉雅紀がリモートで初対面を果たす。
●清水星人
1966年生まれ、東京都出身。90年、早稲田大学卒業後、PR制作会社、農業資材メーカーを経て、フリーランスのディレクターに。00年、日本テレビ放送網に入社後、『踊る!さんま御殿!!』『¥マネーの虎』『伊東家の食卓』『おネエ★MANS』『魔女たちの22時』『24時間テレビ』などを担当し、現在は『天才!志村どうぶつ園』『幸せ!ボンビーガール』企画・総合演出、『ザ!鉄腕!DASH!!』総合演出。