俳優の東山紀之が主演するABCテレビ・テレビ朝日系スペシャルドラマの新作『必殺仕事人2020』が、28日(21:00~)に放送されることが3日、明らかになった。
07年に復活し、14年目に突入する東山主演の必殺シリーズ。松岡昌宏、知念侑李、和久井映見、松尾諭、生瀬勝久、キムラ緑子、中越典子らおなじみの面々が、世にはびこる悪を成敗していく。
今回のテーマは「親だまし」。仕事人たちが、ハンパな悪党=グレ者と、息子をかたって親から多額のお金を引き出す卑劣な犯罪、現代で言うところの“オレオレ詐欺”に挑む。 今作で東山と対峙(たいじ)することになるのは、市村正親。東山が「目標としてきた」という市村と念願の初共演を果たす。市村が演じるのは、本町奉行所に赴任してくる奉行・湯川伊周。悪人を撲滅するためにやって来た穏やかな性格の人格者だが、実は裏の顔をもっているという役どころだ。
今年は、73年の初登場以来、中村主水という稀有なキャラクターで必殺シリーズをけん引してきた藤田まことさんの没後10年。撮影前には、仕事人のアジトに藤田さんの写真と中村主水の好物であった「メザシ」を飾り、東山ら出演者たちが手を合わせた。
18年には過去の藤田さんの出演シーンと東山が新撮映像で再共演を果たすなど、いまなお“必殺シリーズ”で生き続けているが、東山は「藤田さんに『相変わらずみんなで集まってワイワイと藤田さんの話をしながら頑張っています』と報告しました。今でも藤田さんのような存在は絶対に必要だと思っています」と、“必殺”の真髄を教わった大先輩への思いを語っている。
今作にはほかにも、意外な展開を巻き起こすことになる引きこもりの若者・田上新之丞役で杉野遥亮。娘と一緒に暮らすため健気に働くたけ役で森川葵。たけの娘・つゆ役で古川凛。伊周とともに本町奉行所に赴任してきた与力・田上誠蔵役で杉本哲太が出演。さらに、中島ひろ子、大東駿介、駿河太郎が脇を固める。
東山と市村のコメントは、以下のとおり。
●東山紀之
市村さんとお芝居で共演させていただくのは初めてです。最初にお話させていただいたのは確か『紅白歌合戦』(89年)でご一緒した時だったと思います。僕は市村さんをすごく目標にしていたんですよ。自分を律して舞台に立ち続けるというご苦労もよくわかるので、「こんな舞台人になりたい」と思っていました。今後、歌って踊る企画でもご一緒できたらいいですね。
刀を交えることでコミュニケーションを取るというか、気持ちが伝わるというか、時代劇のこの感覚というのは日本人ならではですよね。立ち回りの先生たちとお話していると、諸先輩方のすごいお名前が出てくるんです。先輩方も育ってこられた時代劇の歴史の中にちょっとだけでも入れた気がするので、この作品に出られることがすごくうれしいです。また、今年は藤田まことさん没後10年の撮影でした。藤田さんの写真に「相変わらずみんな集まってワイワイと藤田さんの話をしながら頑張っています」と報告しました。一緒にメザシが食べられなくて残念ですけどね。今でも藤田さんのような存在は絶対に必要だと思っています。
そんな長い歴史のある必殺シリーズですが、今回もとてもいいお話になっております。ぜひ、今年もこの世界観をお楽しみください!
●市村正親
東山くんとは、たまにどこかで会うということはあっても、お芝居するのは初めてです。
初めてお話ししたのは平成元年の『紅白歌合戦』。我々の感じだとミュージカルで出会うのが自然なんだろうけど、時代劇で出会うことができました。これも令和のなせる奇跡のひとつなんでしょうね。今後、歌って踊る企画でもご一緒する日が来ることを願っています。
僕はこのドラマを見ていましたから、撮影の日を楽しみにしていました。いざ入った現場では「あ、(テレビで)見ていた人が目の前にいる!」という感じでしたね。
今回、殺陣をした時に「日本人でよかったなぁ」と思ったんです。時代劇の殺陣ってやっぱりかっこいいですよ。斬られるのもかっこいい! 僕、実は緊張して東山くんの目を見られなかったんです。刀を交えながらも「かっこいいな」と思っていました。
僕が演じる伊周という役は、前半は優しさの中にも権威がある人物なのに、後半になるとだんだん本性を表していきます。この際だから、とことん悪になってやろうと思って楽しみました。
前半と後半の変わり身に、ぜひ注目していただきたいですね。