• 食卓を囲む西山家 (C)フジテレビ

それでも今回の取材は、“ゆかりさん目線”から始めた。「奥さんがいるのに他の人に惹かれてしまう嘉克さんや、シングルマザーで仕事のパートナーである嘉克さんに惹かれてしまう裕子さんの気持ちは、なんとなく想像できるような気がしたんです。でも、ゆかりさんの気持ちは全く想像がつかなかったので、最初はゆかりさんばかり撮ってましたね。ある意味、『ゆかりのさんの立場になったらどうだろう』と考える自分がいました」

こうして、ゆかりさんを追っていくうちに、彼女を通して西山家の形が見えてくる。「嘉克さんのどういうところが好きなんだろうと思って彼のキャラクターを見ていったり、裕子さんが引きこもってしまう場面があるんですが、ゆかりさんが『彼女が自分の感情を押し殺すほうが私は心配』と言うので、裕子さんの過去のコンプレックスを聞いたりしていけました」

だからこそ、この嘉克さん、ゆかりさん、裕子さんの関係は「奇跡の3人なんです」と力説。「裕子さんは、もともと嘉克さんの仕事のパートナーでゆかりさんを知っていて、彼女が人として好きだったし、嘉克さんも隠れて何かをしようと全く思わない人だった。1人でも違っていたらパズルのピースが合わなくて、たまたま成立している家族なんだと思います」

■当たり前の環境と思っている子供たち

西山家には、ゆかりさんの子供が2人、裕子さんの子供が4人いるが、まだ幼い下の子たちはこの環境が当たり前のものだと思っている様子。番組には出てこないが、それを象徴するエピソードが、裕子さんの子供・泰地(たいち)くんが今年3月に迎えた保育園の卒園式だ。

「お母さんへの手紙」というテーマで、泰地くんは「お母さん、いつも洗濯をしてくれてありがとう」と読み上げたが、実はいつも洗濯をしているのは、ゆかりさんである。

この理由は、西山家では、ゆかりさんを「母ちゃん」、裕子さんを「ママ」と呼び分けているため。泰地くんは「お母さんへの手紙」というお題に対し、当たり前のように「母ちゃん」へのメッセージを贈ったのだった。周りの保護者たちが自分への手紙に感動で涙する中、参列した裕子さんは、思わず「洗濯してないわ!」とツッコミを入れていたそうだ。

そんな泰地くんも、今後思春期を迎え、周囲と違う環境であることに気づいたとき、何を思うのか。榎本Dは「小さな子供たちが大きくなって、恋愛をするときにどういうことを考えるんだろうと思いますし、それこそ結婚を考える相手に母親をどうやって紹介するんだろうとか…。個人的には今後も西山家を見つめていきたいです」と意欲を示す。