――歴代「スーパー戦隊」でレッド戦士を演じた新堀さんですが、毎年、シリーズが変わるたびにレッド戦士のイメージをどういう風に変化させてきましたか?

まあ、細かいところは変えようとしても変わらないよね(笑)。でもスーツとマスクが1年ごとに変化すると、自然と演じるほうの意識も変わってくるんですよ。このマスクは前年のやつと違うな、じゃあどういうところから演じ方を作っていこうか、とか、強く意識せずに考えてしまいますね。

――変身前の俳優さんと新堀さん演じるレッド戦士とが、お互いの雰囲気を合わせたりしたことなどはありますか。

最近の「スーパー戦隊」では変身前と後で仕草とかを合わせているみたいだけど、俺がやっていたころは「変身したら、まったく別の存在になる」という感覚があって、とにかく強く、カッコいいヒーローアクションに努めました。だから変身前の役者のイメージはまったく気にせず、自分なりのヒーロー像を求めていましたね。

――新堀さんは『鳥人戦隊ジェットマン』以後、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(1992年)でアクション監督を務め、さらには現在「レッド・エンタテインメント・デリヴァー」の代表として若きアクション俳優を育成されています。若いキャスト、スタッフによってつくられている現在の「スーパー戦隊シリーズ」をご覧になり、どんなご感想を持たれているでしょうか。

こうやって「スーパー戦隊シリーズ」がずっと長く続いていて、今の子どもたちにも高い人気があるというのは、本当にすごいことなんだと思っています。俺たちがやっていたときだと、合成を使ったら予算がかかりすぎるというのであまり使わなかったんですが(笑)、今ではCGやデジタル技術がなかったら作品が成り立たないんだよね。

俺たちがやっていた昔の作品を観返してみると、昔なりのいいところもあるんですよ。合成を使わなくて、生身で殴ってるカットが多いとか。子どもがテレビを観ていて「ヒーローが敵を殴ってるけど、このパンチ、敵はかなり痛いんじゃないかな」みたいに"伝わって"ほしいからこそ、動きに気持ちを込めないといけないんです。ただ相手を殴っているだけでは、感情が伝わりづらい。ヒーローも結局人間が演じているので、気持ちを込めてアクションをしないと伝わらない。どうやったらヒーローの感情を子どもたちに伝えることができるだろうかと、ずっと考えながら演じてきたところがあります。