中村倫也主演のミステリーサスペンスドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系、毎週日曜22:30~)の第6話が、きょう16日に放送される。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、一部のシーンは“通常と異なる方法”で収録。また見事なミスリードで視聴者を翻ろうする秀逸な展開にも期待だ。

  • 小芝風花(左)と小池栄子=日本テレビ提供

■マリアの愛が大炎上!? 加速するいびつな“愛の形”

本作は『海月姫』や『東京タラレバ娘』など数多くのヒット作を世に送り出してきた東村アキコが、初のサスペンスに挑んだ同名コミックが原作。中村倫也ふんする超美食家のイケメン探偵・明智五郎が、さまざまな殺人の真相に迫るケレン味たっぷりのミステリー作品だ。

第6話では、美食にしか興味がなかったあの明智五郎(中村)がついにお見合いを!? だがこれは、明智の実家である百貨店の将来を案じる母・寿々栄(財前直見)による強引な段取り。明智の見合い相手を選んだ百貨店の役員・伊達を小市慢太郎、相手の社長令嬢・紗英を北原里英が演じる。

見合い会場となったのはフグ料理の名店。その料亭には明智と歪んだ愛でつながる連続殺人鬼のマリア(小池栄子)、その共犯者である伊藤(武田真治)、茜(志田未来)の姿もあった。そして大混乱で終了する見合い…直後、明智の前で紗英が急死してしまう!

フグ毒の事故に見せかけた殺人事件としてマリアが絡んでいることを確信する明智。しかしその先には、事件の裏で交錯する意外な思惑と、マリアの歪んだ愛の大炎上が待ちうけていた──。

  • 小池栄子(左)と中村倫也=同

■苺の本音…受け止めた明智の胸に去来する複雑な想い

スラップスティックかつシュールな“東村アキコ節”は今回も健在。見合いには明智の弟である六郎(草川拓弥)も参加するはずだったが、当日姿を見せなかった六郎の代わりに苺(小芝風花)が男装して六郎のフリをすることに。

そこに六郎本人が登場。さらには高橋刑事(佐藤寛太)と上遠野警部(北村有起哉)までが乱入。この大パニックは爆笑必至だ。

そしてラブ事情。明智とマリアの決定的な場面を前にする苺。演じる小芝風花の“沈黙なる叫び”は観る人の胸を切なく締め上げる。そこにはいつものコミカルな苺の面影はまるでなく…。

同話では、一部のシーンが通常と異なる方法で撮影されている。第5話で明智に「君のことも僕が守る」と言われて恋心に火が点いた苺が、明智に想いを吐露する大切なシーンだが、中村と小芝が作り上げた2人の心象風景のようにも感じられる。コロナ禍である今でしか見られない演出という意味でもリアルタイムで注視したいところだ。

24日からは3週にわたり、オリジナルストーリーを含む“特別編”が放送される。その前に、恋心を自覚した苺の細やかな心情の動き、マリアと苺、別ベクトルでの“純愛”によるこの三角関係の“幕開け”を、ぜひ目に、そしてあなたの胸に焼き付けてほしい。

  • 小芝風花(左)と中村倫也=同