俳優の中村倫也が主演する日本テレビ系ドラマ『美食探偵 明智五郎』(毎週日曜22:30~)が、あす17日放送の第6話をもって、新作放送が中断されることになった。

  • “特殊な方法”での撮影に臨む中村倫也(左)と小芝風花=日本テレビ提供

1月中旬にクランクインし、4月12日に予定通りスタートした同ドラマだが、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として撮影を休止中。この影響で、24日から3週にわたり、地上波未放送のオリジナルストーリーを含む特別編が放送される。

24日放送の第1弾では、明智五郎(中村)が美食家になったきっかけとも言える少年時代の秘話や、最初の“マリア・ファミリー”となった林檎(志田未来)が“カップル毒殺事件”を引き起こしたもう1つの理由である哀しい生い立ちに迫るエピソードが登場する。

17日放送の第6話は、撮影休止時点で唯一収録が終わっていなかったシーンを、通常とは異なる方法で撮影した。それは、探偵事務所前の中庭テラスで、苺(小芝風花)が明智に対して、思いをぶつけるという場面。従来の撮影方法をとると、2人は隣り合って演技することになり「密接」してしまうため、“特殊な方法”で撮影することになった。

荻野哲弘プロデューサーは「第6話に関しては、1シーンだけ撮影できていないシーンがあり、再開したら真っ先に撮影しようと思っていました。しかしながら、放送日までに通常のドラマのスタイルでの撮影はかなう見込みがなくなり、だったら黒幕バックで朗読劇にしてでもお届けしたいという思いがこみ上げ、中村倫也さんに相談しました。すると、中村さんは、趣旨に賛同してくださった上で、『自分は役者なので折角なら朗読(という形)ではなく芝居をして、フィクションを楽しんでくださっている視聴者の皆さんの感情がなるべく途切れないようにお届けしたい』という提案をされました。そのあまりに真摯(しんし)な言葉には、スタッフ一同胸を打たれました」と経緯を説明。

その上で、「第5話で明智に『君のことも僕が守る』と言われて恋心に火が点いた苺が、明智に想いを吐露する大切なシーンを、コロナウイルスに対する感染対策を講じた上で撮影しましたが、中村さんも小芝さんも、背景や距離などものともしない迫真の演技で表現してくれています。いきなり黒バックの抽象的な世界に転調するので驚かれるかもしれませんが、ぜひとも、お2人の想いのこもった演技をご高覧賜りたくお願い申し上げます」と呼びかけている。

第7話については、放送日のめどが立ち次第、番組ホームページやSNSで発表。荻野プロデューサーは「放送が続くことを楽しみにしていただいていた皆様には大変申し訳ない思いでいっぱいですが、それまでは、特別編で、『美食探偵 明智五郎』の世界をご堪能いただければ幸甚です」と話した。