キャストにオファーした際の反応は、「『シンプルに面白いからやりたい』と言ってくださった方。『こういう時期だから何か自分もできないかと思っていた』と言ってくださった方が多かった」とのこと。撮影後は「自分で撮影して、自分でカメラアングルを決めて動き回って、へとへとになって本当に大変だった」という声もあったそう。岡本氏は「30分ほぼ2人芝居、3人芝居なので、台詞量の多さ。ほぼ2人舞台みたい感じなのでご苦労かけた」と話す。

見どころは、そんな俳優たちの熱演だという。「登場人物が少ない。舞台設定が変わるわけでもなく、みんな家にいる状況の中、本当に俳優さんのお芝居そのものに支えられている。ものすごい熱のこもったお芝居をしてださっていて、俳優たちの熱い思いに支えられている。熱演はぜひご覧いただきたい」と力を込め、「猫ちゃんも熱演していますので、そこもお楽しみにご覧いただければ」と加えた。

俳優たちの貢献度は「120%」。「『やりましょう』と言ってくださらなかったら絶対成立していない企画なので。声をかけたものの我々も手探りしながら、準備万端でお声がけしたわけではなく、『こういうことやりたいんだ、トライしていきたいんだ』という思いに応えていただいた。どうなるかもわからないものに飛び込んできてくださった。そういう意味では120%というか、本当に感謝感謝です」と語った。

■新たな挑戦で発見も「すごい可能性を感じている」

そして、「これで終わりではなくちょっとずつ発展させて、こういう事態にも対応できるし、これを手がかりに新たな表現を探し求めていくという試みが継続していくといいなと思っています」と岡本氏。「状況がどうなっていくかわからないので、どういった発展になるのかは今後の議論になりますが、ノウハウをためて、新たな作品をまたお届けしたいと思っていますし、いろんな提案が次々と寄せられているという状況です」と意欲を見せる。

コロナ禍の今だからこその制作方法だが、今後につながる発見もあったという。「私も演出も俳優も一度も会わないまま収録しましたが、どこでも打ち合わせができるというのは非常に便利だと思いました。編集や音入れの作業もそれぞれの担当者が自分のパソコンで行い、どこにいる人にでもお願いできたり、どこにいても作業ができるというのは、いろいろ応用できるのではないか。海外にいる方と打ち合わせや収録もできるのではないかなと、そういう意味ではすごい可能性を感じています」と語った。

最後に「なかなか通常の撮影が厳しい中でスタッフ、キャスト、知恵と工夫を重ねてなんとか新たな作品を作りましたので、ぜひゴールデンウィークの夜間に観てもらって、ほっとして、ほっこりして、ちょっと気持ちが楽になる時間をもっていただければなと願っております」と視聴者にメッセージを送った。

(C)NHK