映像配信サービスのNetflixは21日(米国時間)、今年1~3月の有料会員が前年から15%(1,570万人)増加したと発表した。これにより、全世界の有料会員は、1億8,300万人を超えた。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けた各国での外出自粛が影響したもので、増加した有料会員のうち、1,340万人は北米外の国と地域が占める。アジア太平洋地域では360万人増加した。また、視聴時間も増加しているという。

現在、韓国とアイスランドを除き、日本を含む世界各国で制作現場の停止が続いている。特に、イタリアなどにおける都市封鎖やロックダウンにより、声優が従来の設備で収録を実施できない状況にあり 、一部の言語で吹き替え収録が困難な状況だ。

このような状況下だが、米国・ロサンゼルスを拠点とするアニメーションチームは、混乱を最小限に抑えながら外出自粛の要請から2週間以内に遠隔での作業を開始。ポストプロダクションでは、200以上のプロジェクトをスタッフが自宅から遠隔で作業を継続している。

また、制作自体はかなり先に配信予定の作品まで着手しているため、今年配信予定の作品群は、映画・シリーズいずれも撮影が済んでおり、遠隔でポストプロダクション作業が進行中のプロジェクトが大半を占める。

例えば『ザ・クラウン』シーズン4についても撮影は終了しており、当初の予定通り今年後半に配信。また『フェイフェイと月の冒険(原題:Over the Moon)』も同様に、今年後半に配信予定だ。

Netflixは、最も甚大な影響を受けている制作現場のスタッフや関係者の生活を一時的に救済し、映像業界を支えることを目的に、1億5,000万ドルの救済基金を設立。「私たちの作品を支える関係者の生活と安全を守り、この危機的状況を乗り越えられるよう支援を続ける」としている。