お金持ちと貧乏な人が好む食べ物に違いはあるのでしょうか。ジャンクフードばかり食べていそう……など、みなさんもなんとなく、違いに関するイメージを持っているかと思います。

今回は、健康で楽しい食生活を実現したり、無駄な食費を節約して、自分らしい人生をおくったりするためにはどうすればよいか、収入と食べ物の因果関係をテーマに考えてみましょう。

  • 金持ちと貧乏「食生活」に大きな違いが……!

所得が低いほど「炭水化物」を食べる

最初に所得と食生活に関する統計値を見てみましょう。厚生労働省発表の「国民健康・栄養調査」には、所得と食生活に関する調査結果が報告されることがあります。統計値は毎年発表されていますが、その年ごとに少しずつ内容が異なりますので、所得と食生活が最も顕著に把握できる平成26年度版を参考に考えてみましょう。

下記の表を見ると、低所得層は「炭水化物」の摂取比率が高いことがわかります。「野菜」の摂取量は所得によってかなりの差があり、所得が高いほど摂取量が増えています。「肉」も同様の傾向があります。炭水化物は肉や野菜と比べると、手ごろな価格でお腹を満たしやすいので高くなっているのかもしれません。

生活の規律が食生活にも表れる

統計値は食生活のほかに、様々な項目と所得の関連について報告されています。食べ物以外の統計値も併せて比較してみると、違った側面が見えてきます。その中で、顕著な違いとして報告されている文言をピックアップしてみると下記のような傾向がみられると記されています。

●現在習慣的に喫煙している者の割合は、世帯の所得が600万円以上に比較して、男女とも200万円未満と200~600万円未満で高い。
●生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、世帯の所得が600万円以上に比較して、男性では200万円未満で低く、女性ではさほどの差はみられない。
●健診等の未受診者の割合は、世帯の所得が600万円以上に比較して、男性では200万円未満と200~600万円未満で高く、女性では200万円未満の世帯員で高い。
●肥満者の割合は、男女とも世帯の所得が600万円以上に比較して、200万円未満で高い。
●歯の本数が20歯未満の者の割合は、世帯の所得が600万円以上に比較して、男女とも200万円未満と200~600 万円未満で高い。

食生活と総合して考えると、年収が低いと日々の暮らしの中の「規律度」が低くなっていく傾向があるかもしれません。食生活においても、単にコスト面だけでなく、栄養バランスへの配慮や、手作りをして安全なものを安く食べる工夫が、年収が低いとおろそかになる傾向にあるのではないでしょうか。

たばこなどの嗜好品は決して安くはありません。特にたばこは「百害あって一利なし」であることを知らない人はいません。健康を維持しようと思えば禁煙し、定期的な健康診断や毎日の歯磨きは欠かせません。そうした日々の生活の"規律の度合い"は食生活にも表れるでしょう。

規律ある食事とは、健康に暮らすために栄養バランスを考えさまざまな食材をとることです。低所得者が炭水化物過多の傾向にあるのは、コスト面ではなく、安易なジャンクフードなどに流れているからのように思われます。工夫すればタンパク質や野菜も豊富な料理が低価格で作ることは可能なのです。

安くて、安全で、栄養バランスの良い食事をとる創意工夫を

昼時にイートインのパン屋さんなどに行くと、若い新入社員的な女性たちがトレーにパンをのせレジ前に並んでいますが、そのトレーの中身は菓子パンがほとんどで驚いたことがあります。もちろんそのパン屋さんには、タンパク質や野菜がバランスよくサンドされた昼食向きのものもあります。私は、栄養面への配慮の考えはないのかといつも疑問に思うのです。男性であれば、ラーメンライスといったところでしょうか。若いうちから健康に良い食生活を心がけましょう。

創意工夫のない食事と収入への因果関係は確かにありそうです。栄養のバランスだけでなく、彩や盛り付けの美しさ、暖かいものを暖かい間にいただく、ハーブや香辛料などで変化のある味わいを楽しむ、たまには花も飾って……など、食生活は奥が深いものです。

収入と食生活の関係

統計値を見ると、収入の違いによる規律と創意工夫の程度の違いがうかがえました。では、具体的に食生活にどのような違いとなって表れるのか、私なりのイメージを表にしてみました。

収入が高く、生活に規律ができ、創意工夫能力も高いということには、年齢による経験値の差もあるでしょう。社会経験を重ねれば、生活能力も高くなりますし、収入も増えていくでしょう。しかしそれと同時に、生活に規律を保ち、創意工夫ができる人は、仕事もできるでしょう。そして結果として、収入も高くなり、たくさん貯蓄もできるようになるでしょう。

この機会に自分の食生活を振り返り、規律や創意工夫が不足していそうであれば直してみませんか。きっと、仕事の見直しにもつながるはずです。そして、節約にもつながり貯蓄も増えていくでしょう。

筆者プロフィール: 佐藤章子(さとうあきこ)

一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。