生きていくために必ずかかる「食費」。毎日のように何気なく食材を買い物しますが、他の家庭の食費は普段あまり知る機会がないものです。食費をうまく節約している人を見て、「うちは高すぎる?」と、考えたことがあるかもしれません。食費の平均とはどのくらいなのでしょうか。一人暮らし、二人以上の世帯の食費の平均と、食費を節約する方法についてまとめてみました。

  • 「食費の平均」みんなはいくら?

    「食費の平均」みんなはいくら?

一人暮らし、二人以上の世帯の食費の平均は?

まず、世帯人数ごとの食費の平均データを見てみましょう。総務省統計局の「家計調査 家計収支編(2018年)」によると、食費の平均は以下のようになりました。

<一人暮らし(単身世帯)>
一人暮らしの消費支出(生活を維持するための支出。非消費支出は、直接税や社会保険料など)の平均は162,833円で、そのうち食費の平均は、40,026円でした。食費の中でも、外食は10,653円と約4割を占めていました。また、食費の平均には酒類1,704円も含まれていますので、外食や酒類を除いた食費としては、27,669円ということになります。1ヶ月を30日とすると、外食や酒類を含めた場合、1日あたりでは1,334円の食費がかかっています。外食、酒類を除くと、1日の食費は922円となりました。

<二人以上の世帯>
では、二人以上の世帯では食費はどのくらいかかっているのでしょうか。同調査によると、二人以上の世帯(世帯人員の平均は2.98人)の消費支出の平均は287,315円で、食費は平均73,977円という結果になりました。このうち外食には12,247円、酒類には3,138円がかかっているので、これらを引いた家庭内での純粋な食費としては、58,592円です。

1ヶ月30日として計算すると、外食や酒類を含めた場合、1日あたりの食費は2,465円。これらを含めないと、1日あたり1,953円です。

なお、食費の平均を世帯人員の平均で割ると、一人あたりの食費は24,824円(外食や酒類を含む)。外食や酒類を除いた食費のみでは、一人あたり19,661円となりました。

ちなみに、二人以上の世帯のうち勤労者世帯(世帯人数の平均は3.32人)の消費支出の平均は315,314円、食費の平均は76,090円と、いずれも二人以上の世帯全体と比べて多少高くなっています。このうち外食は15,429円、酒類は3,088円なので、これらを除いた食費は57,573円でした。1日あたりでは、2,536円(外食と酒類を含む)、1,919円(外食と酒類を除く)となりました。

二人以上の世帯では、食費に占める外食の割合は2割ほどで、一人暮らしの世帯の約半分となっていることがわかりました。一人暮らしで自炊をするのは億劫なものですし、習慣化していないと、なかなかハードルが高いのかもしれませんね。

食費を節約する工夫とは

最後に、食費を節約したい時にできる工夫を4つご紹介しましょう。

1.予定にないものは買わない
安いからといって、買うつもりがなかった物まで購入してしまう「ついで買い」をしてしまうことはないでしょうか。激安スーパーで特売品を大量買いし、結果的に使い切れなかった……という経験をした人もいるかもしれません。食品は特に、賞味期限や消費期限が決まっているものですし、保存できるかどうかを確かめたうえで、使う分だけ購入してロスを生まないようにすることが大切です。

2.食費にかける予算を設定する
食費に限ったことではありませんが、生活費は支出項目ごとに予算を決めましょう。まずは1ヶ月に使える食費を大まかに設定し、さらに「1週間ではいくら」と把握しておくと、買い物の時に意識するようになり、使い過ぎを防ぐことができます。

1ヶ月の食費の予算を立てる際には、一人暮らしなら収入の17%程度、夫婦二人世帯なら15%程度、子ども(小学生以下を想定)のいる家庭なら、同じく15%程度を目安としましょう。

3.飲み物にかけているお金を見直す
意外と見落としがちなのが、飲み物の出費です。出先で喉が渇くたびにペットボトルを購入する、カフェに立ち寄ることが習慣化しているなど、1回の出費は少額でも、積み重なると1年では大きな金額になっていることも。自宅から水筒を持参したり、食後のコーヒーはオフィスで飲むようにしたりと、できる時に少し意識するだけでも節約につながりますよ。

4.外食の回数を決める
特に一人暮らしや仕事が忙しい場合、「食事は基本的に外食」という人が多いかもしれません。やはり外食は自炊に比べて高くつきますし、濃い味付けや栄養バランスの偏りも気になります。とはいえ、いきなり全て自炊をするのは大変なので、外食の回数を決め徐々に減らしていくのがおすすめです。まずは週に1回だけでも外食を自炊にすることから始めてみてはいかがでしょうか。

それでも自炊が面倒に感じるなら、ご飯を炊きおかずは総菜を購入するのも手です。消費増税で外食は自炊よりもさらに負担が増しますので、今から対策をとっておきたいところです。

まずは食費の把握を

食費の平均は、ご自身の家計と比べていかがでしたか。かなりオーバーしているなら、この機会に見直してみましょう。食費は少し意識するだけで、すぐに節約でき効果が見えやすい支出項目です。まずは、自分がどのようにお金を使っているか把握してみてください。