• 本田翼 (C)フジテレビ

――今期のドラマは『絶対零度』のほかにも、『テセウスの船』(TBS)や『10の秘密』(カンテレ)、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ)など、考察するドラマが多い印象ですが、視聴者の方の反応を見ていかがですか?

最初は未来軸が交錯するお話で難解に感じてしまう人もいるでしょうから、視聴者の方に受け入れていただけるかなという不安はありました。ですが、後半になってみなさんが盛り上がっている様子を見ると、すごくうれしいですね。

もちろん考察を楽しんで見ていただければという思いもありますが、真犯人は誰かという謎を最後まで引っ張っていくドラマではないので、その先にある物語やその裏には何があったんだろう?という部分にも注目して見てもらえると、ありがたいなと思います。

■分かりやすい善悪の線引きがないドラマ

  • 高杉真宙 (C)フジテレビ

――いろいろお話をお聞かせいただいてありがとうございました。それでは、最終話の見どころを教えてください。

第10話の最後に黒幕が篠田(高杉真宙)だということが分かりましたが、実は最終話の頭で分かる事実があって、それで井沢がどんな選択をするのか…というところですね。2人の対峙も見ごたえがあると思います。

また、井沢が一線を越えてしまうんじゃないかと山内はずっと気にしていたわけなんですけど、その山内の選択もあるし、まだ未来軸で回収されていない部分では、小田切が警察を辞めるというところが描かれていないので、そこをどう通って結末に至るのか、その辺も見ていただきたいなと思います。それに、高岩さんとミハンチームの壮絶なアクションシーンもありますよ。楽しみにしてください。

前作は最後に対峙(たいじ)する相手が元警察庁次長の町田とか、分かりやすい“悪”だったんですけど、今作はもうちょっと複雑なものでもあります。何が善で、何が悪、という分かりやすい線引きがない。井沢自体が常にその両方を持っている男ですので。井沢が選択したその先にあるものは何か…人間ドラマとして面白く見ていただけるんじゃないかなと思っています。

●永井麗子
1978年生まれ、京都府出身。立命館大学卒業後、01年にベイシスへ入社。その後共同テレビジョンに移籍。プロデュース作品は、『謎解きはディナーのあとで』『世にも奇妙な物語』『JOKER ジョーカー 許されざる捜査官』『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジ)、『しんがり~山一證券 最後の聖戦~』『石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~』(WOWOW)など。