将来を見据えると、やはり貯金はしっかりしておきたいもの。周りの人がどのくらい貯めているのか気になりますが、中には「5年で1,000万円」を達成した人もいるといいます。5年で1,000万円となると、単純計算で年間200万円も貯めなければいけないことになり、現実的ではないと考える人もいるでしょう。一方、一般的な年収でも、工夫して1,000万円を達成した強者も実在するのです。実際に5年で1,000万円の貯金は可能なのか考えてみましょう。

  • 1,000万円を5年で貯める方法は?

    1,000万円を5年で貯める方法は?

給料から無理なく貯められる額は?

5年で1,000万円貯めるには、1年で200万円もの貯金が必要です。これを単純に12ヶ月で割ると、「200万円÷12ヶ月=16.6万円」となり、1ヶ月で約17万円ものお金を貯金することになります。マネー相談をしていると、毎月15万円以上貯金している世帯も珍しくはなく、不可能とは言えません。しかし、子育て世帯など出費の多い家庭では、難しいと感じることでしょう。

毎月の積立に加えボーナスからも捻出すれば、達成可能な数字に思えますが、ボーナスは景気や会社の業績に左右されますので、あまりに頼り過ぎるのは危険です。また、苦しい節約を続けての貯金は、長続きしません。豊かに生きるためのお金なのに、家計を圧迫させてまで無理な金額を貯める意味はないのです。

となると、目標期間を5年以上に再設定するのが良さそうです。期間を長くした分、年間で貯める金額が少なくなれば、毎月の負担も軽くなります。コツコツ長い時間をかけても、目標金額がきちんと貯まれば御の字です。

もしも、年間200万円の貯金が可能になりそうな場合は、家計に占める貯金の割合を確認してみましょう。一人暮らしや夫婦のみの家庭なら貯金の割合は20%まで、子どものいる家庭なら17%までを限度とします。

たとえば、夫婦二人の家庭で、年2回のボーナスから50万円を貯金に回すとすると、毎月の積立から残りの150万円を貯めることになります。「150万円÷12ヶ月=12.5万円」で、月々12万5,000円を貯金しますが、この金額が毎月の手取り収入の20%を超えていなければ、積み立てる金額として大きな負担になっていない目安とすることができます。負担が大きくなりそうなら、ボーナスからの捻出を多くするよりは、目標期間を延ばすことで再調整するのがおすすめです。

無理なく貯めるコツ6つ

5年で1,000万円を目標にした場合もそうでない場合も、お金を無理なく貯めるにはコツがあります。しっかり貯めている人が実践している6つのポイントをご紹介しましょう。

1.先取り貯金の仕組みを作る
「お金を余らせて貯める」ことができる人はそう多くありません。予定外の出費もありますし、よほど徹底して支出の管理ができていないと、計画通りに貯金分のお金を残すことは困難です。そこで、生活費としてお金を使う前に、先に貯金分のお金を別口座へ分けてしまいましょう。

この「先取り貯金」なら、貯めるお金にうっかり手を付けてしまうことがありません。金融機関の「自動積立定期預金」や、勤め先にある場合は「財形貯蓄制度」を利用してみましょう。これまで貯金がうまくいかなかったという人でも、先取り貯金をすれば半強制的にお金が貯められます。

2.まずはしっかり稼ぐことが基本
貯金の重要性がよく叫ばれていますが、お金を貯めるには、まずはしっかり稼ぐことが基本です。収入が上がれば、その分豊かに生活しながら貯金もたくさんできます。「たくさん貯金することが全て」と考えず、キャリアアップを目指したり副業を考えたりと、収入を増やしていくことも頭に入れておきましょう。

3.無駄使いを発見してストレスなく節約
お金を貯めるためには、これまで通り支出していては貯金が難しいこともあります。そんな時、「お金を使わず節約しなきゃ」と思う前に、意識していない無駄使いを発見してみましょう。

たとえば、スマホの料金プランを見直してみると、使っていない月額サービスを契約したままだった……なんてことがあるかもしれません。また、家計簿アプリを使って支出を「見える化」すると、スーパーでのついで買いや、カフェに立ち寄り過ぎているといった無駄使いを見つけられるものです。本来使わなくていいお金を節約するだけで、「無理してお金を使わないようにする」というストレスを感じずに節約ができますよ。

4.税制優遇制度を賢く利用する
将来的に物価が上昇しお金の価値が目減りすることを考えると、口座にお金を寝かせておくだけでなく、投資で少しでも増やすことを考えたいものです。そこでおすすめなのが、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「NISA(少額投資非課税制度)」です。これらの制度を利用することで、手数料や税金が有利になり、節税効果によってお金を多く手元に残すことができるのです。

たとえば、iDeCoは掛金が所得控除になり、積立期間中は運用益も非課税に、そして、受け取り時にも公的年金等が控除になるなど、あらゆる面で税金がお得になります。NISAは、NISA口座を開設し、そこで株式や投資信託を購入すると、年間購入代金120万円までの投資元本にかかる利益が非課税となります。こうした制度をうまく活用するだけで、使わなかった場合より得ができるのですから、賢く取り入れていきたいですね。

5.柔軟に積立額を調整して貯金を続ける
貯金をしていると、生活の変化によってこれまでと同額の積立が難しくなる場合もあります。そのような時は、貯金を止めたり、反対に無理して資金を捻出したりするのではなく、無理のない積立金で貯金を継続してみましょう。貯金は、長くコツコツ続けることが大切です。そのためには、状況に応じて柔軟に調整するのがポイントです。

6.少額でも思い立った時から貯金を始める
よく、「もう少し余裕ができたら貯金をします」という声を耳にすることがあります。貯金に限らず、後回しにしたいことは「もう少しお金や時間ができたら……」と考えてしまいがちですよね。しかし、たとえ少額からでも、年齢にこだわらず思い立った時から始めるのが一番です。

「5年で1,000万円」と目標を立てるのは素晴らしいですが、たとえ5年が無理でも、期間を長く設定し、少ない金額でもすぐに貯金を始めるのが正解です。もしくは、「5年で500万円」など金額を下げてもいいでしょう。どうしても「5年で1,000万円」にこだわりたいというのであれば、結婚や出産、育休などライフスタイルに変化が起きる時期を避けるのがベターです。

貯金する目的を明確に!

貯金が多いと、やはり安心感がありますよね。しかし、時には思い切って自己投資にお金を使い、チャンスをつかむことも大切です。それが結果的に収入アップにつながれば、貯金が増えるよりも有意義なお金の使い方と言えるでしょう。お金は使ってこそ意味があるものです。貯金をするにしても、「なぜ貯金をするのか」、その目的を明確にすると、貯めるモチベーションも上がりますよ。

武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中