物価高や人出不足を背景に、日本人の平均給料も上がっています。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の平均月給は34万600円となり、過去最高となりました。

「自分の給料は平均より高かった、低かった」とつい比べてしまいますが、平均には年齢、業種、企業規模などの違いが大きく影響します。

そこで今回は、男女別・年齢別・業界別など、カテゴリーごとの平均月給と、新入社員の初任給事情まで、最新データからご紹介します。

  • 平均月給34万600円で過去最高に

    平均月給34万600円で過去最高に

平均月給は34万600円で過去最高に

令和7年調査では、一般労働者の平均月給は34万600円となりました。男性は37万3,400円、女性は28万5,900円となり、いずれも過去最高となっています。男女の平均月給の差は8万7,500円ありますが、差は縮まっています。

昭和51年からの平均月給の推移を表したグラフです。

  • 昭和51年からの平均月給の推移 出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況―賃金の推移」

    昭和51年からの平均月給の推移 出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況―賃金の推移」

賃金の伸び率を見ると、令和5年頃から上昇幅が大きくなっていることがわかります。背景には、2022年(令和4年)頃から続く食品や日用品などの値上がりがあります。消費者物価指数の上昇を受け、2023年以降の春闘では大幅な賃上げが相次ぎました。特に2024年春闘では賃上げ率が5%を超え、30年以上ぶりの高水準として注目されました。平均月給が大きく上昇した背景には、こうした物価高への対応や人手不足による賃上げの動きがあると考えられます。

男女別・年齢別の平均月給

平均月給は性別・年齢で大きく異なります。2025年の男女別・年齢別の平均月給のグラフを見てみましょう。

  • 男女別・年齢別の平均月給 出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況―性別」

    男女別・年齢別の平均月給 出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況―性別」

男性では、月給のピークは「55~59歳」の44万5,600円ですが、女性は「45~49歳」の30万5,700円でピークを迎え、その後は「55~59歳」までほぼ横ばいとなっています。男性に比べて女性は賃金の上昇幅が緩やかであることが特徴です。女性のキャリア形成や昇進機会、働き方の違いなどが賃金に影響している可能性がうかがえます。

業界別の平均月給

業界別の平均月給を見てみましょう。

  • 業界別平均月給ランキング 出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況―産業別」をもとに筆者作成

    業界別平均月給ランキング 出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況―産業別」をもとに筆者作成

一番平均月給が高い業界は、「電気・ガス・熱供給・水道業」で44万4,000円でした。その後は、「学術研究・専門・技術サービス業」の44万300円、「金融業・保険業」の43万7,000円、「情報通信業」の40万6,000円と続きます。

一方、最も低かったのが、「宿泊業・飲食サービス業」で27万7,200円でした。次に低いのが「サービス業(他に分類されないもの)」の28万4,900円、その次が「生活関連サービス業・娯楽業」の29万5,200円となっており、サービス業に分類される業界の低さが目立ちます。

前年からの増減率を見ると、「学術研究・専門・技術サービス業」が9.6%と大きく伸びています。「学術研究・専門・技術サービス業」とは、高度な専門知識に基づく技術サービスを提供する業種です。具体的には、コンサル会社、税理士・会計士事務所、法律事務所、建築設計会社、研究機関など、専門知識や資格を活かす仕事が多く含まれます。

企業規模別の平均月給

企業規模別の平均月給も見てみましょう。

●大企業: 38万5,100円
●中企業: 32万6,200円
●小企業: 30万5,600円

大企業と小企業の差は約8万円です。転職で年収を上げるなら、業界や職種だけでなく、企業規模も無視できない要素となることがわかります。

新入社員の初任給が大幅アップ

最近話題になっているのが、新入社員の初任給の引き上げです。人出不足のなかで、企業が若手確保に力を入れていることが背景にあるようです。

学歴別の新規学卒者の平均月給
●高校卒: 20万7,300円(5.0%)
●専門学校卒: 23万700円(3.5%)
●高専・短大卒: 23万5,500円(5.2%)
●大学卒: 26万2,300円(5.6%)
●大学院卒: 29万9,000円(4.0%)
※()は対前年増減率

大学卒の平均初任給は26万2,300円となり、前年比5.6%増と大きく上昇しています。

実質賃金は物価上昇に追いつかず

給料が上がっても、物価がそれ以上のペースで上がっていたら、生活は楽にはなりません。厚生労働省が発表した2025年度の毎月勤労統計調査(確報)によると、物価の変動を反映した実質賃金は前年度比0.5%減となり、4年連続でマイナスとなりました。

名目賃金(物価の上昇を差し引く前の賃金)は、前年度比2.5%増となり、5年連続で上がったものの、物価の変動を示す消費者物価指数がそれを上回る前年度比3.0%の上昇であったため、結果的に0.5%マイナスというわけです。

まとめ

「みんなどのくらい給料をもらっているのだろう」と気になったとき、平均月給は一つの目安になります。ただし、平均値は高所得者の影響を受けやすく、必ずしも"現実"を表しているとは限りません。そのため、平均より上か下かではなく、自分の業界や年齢ではどの位置にいるのかを確認できるといいでしょう。そして、自分の働き方やキャリアを考えるきっかけにしてみてください。