3月8日より放送開始されるスーパー戦隊シリーズ最新作『魔進戦隊キラメイジャー』の制作発表会見が東京ドームシティ・シアターGロッソにて、1月16日に催された。1975年に放送された第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』から数えて第44作目にあたる本作は、「宝石」と「乗り物」をモチーフにした、最高にキラキラ輝くスーパー戦隊だという。今回発表されたフレッシュなキャスト陣が、作品にかける強い意気込みを語った。

  • 左から、キラメイブルー、キラメイピンク、キラメイレッド、キラメイグリーン、キラメイイエロー

『魔進戦隊キラメイジャー』とは、闇の帝国「ヨドンヘイム」に侵略された宝石の国「クリスタリア」から地球へ逃げてきた王女・マブシーナの持つ5つの不思議な力を持つ宝石「キラメイストーン」と共鳴する5人の戦士たちの活躍を描く、最新スーパー戦隊である。キャッチコピーに「キラッと参上!カラッと解決!」とあるように、キラキラ輝く宝石・キラメイストーンと共鳴し、輝く精神「キラメンタル」を持つ地球の若者が、宝石から乗り物(消防車、ショベルカー、スポーツカー、ジェット機、ヘリコプター)に変形する「魔進(マシン)」と力を合わせ、ヨドン軍に戦いを挑んでいく。

魔進はそれぞれ自分の意思を備えており、キラメイジャーの相棒として一体ずつコンビを組んで戦う設定。ヒーローと巨大メカが互いに言葉を交わし、パートナーシップを描くという部分については『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003年)や『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008年)などの系譜を継ぐスーパー戦隊だといえよう。「宝石+乗り物」という斬新なモチーフを備えた魔進たちとキラメイジャーがこれからどのような活躍を見せるか、大いに期待が持てる。

本作の基本設定でひときわ注目を集めるのは、ヒーローそれぞれの変身前における「職業」のバラエティだろう。キラメイレッド/熱田充瑠は想像力豊かな高校生。キラメイイエロー/射水為朝はeスポーツ界のNo.1プレイヤー。キラメイグリーン/速見瀬奈は100m走の日本記録を持つ女子陸上界のスピードスター。キラメイブルー/押切時雨は時代劇などに出演するイケメン人気アクション俳優。キラメイピンク/大治小夜はテレビでも評判の美人すぎるスーパードクター。若い充瑠以外の4人は、すでに自分の進むべき道をしっかりと目指しており、ずば抜けた才能を発揮して"輝きながら"活躍している。その才能の源となるのが「キラメンタル」という輝ける精神なのだ。

スーパー戦隊シリーズでは、第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)の国際平和組織イーグルや『バトルフィーバーJ』(1979年)の国防省、『超力戦隊オーレンジャー』(1995年)の国際空軍(UAOH)など、地球平和のために日夜働く防衛組織に属しているケース(1)と、『電子戦隊デンジマン』(1980年)や『大戦隊ゴーグルファイブ』(1982年)、『科学戦隊ダイナマン』(1983年)、『光戦隊マスクマン』(1987年)、『轟轟戦隊ボウケンジャー』(2006年)のように、最初は一般人の若者たちだが「スーパー戦隊」として活躍するにふさわしい"資質"を見出されて戦う決意をするケース(2)、さらには『超電子バイオマン』(1984年)や『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(1992年)、『星獣戦隊ギンガマン』(1988年)、『天装戦隊ゴセイジャー』(2010年)といった作品に見られるように、もともと自分たちに大きな使命・宿命・運命が備わっており、それらを受け入れることによって戦士になるケース(3)と、おおまかに分けることができる(もちろん、シリーズによってはいくつかの例外・バリエーションあり)。

ケース(1)の場合は防衛組織から一定の報酬が出ると考えられ、スーパー戦隊ヒーローたちは基本的に「悪と戦う」仕事の進め方のみをシンプルに考えていればよかった。ケース(2)においても、『ゴーグルファイブ』の未来科学研究所や『ダイナマン』の夢野発明センター、『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003年)の「恐竜や」といった支援組織、団体、飲食店がある場合は、戦士たちの生活面に心配はそれほどいらなかった。しかしケース(2)や(3)での(一般人寄りの)スーパー戦隊では、地球を守る重大な使命と並行して、生活費もろもろを捻出したり、"戦い"とは別に自分自身の夢を追いかけたりといったさまざまな理由で、いくつかの職業に就くことがあったのだ。

ケース(2)と(3)の複合パターンというべき『五星戦隊ダイレンジャー』(1993年)の主要メンバー5人はみな、6000年前の古代文明から受け継がれてきた超能力=気力を備える戦士たちだが、それぞれゴーマ族との激しい戦いの合間でも、自分の目標を叶えようと努力を続けている。リュウレンジャー/天火星・亮は最高に美味いギョーザを作ること、シシレンジャー/天幻星・大五はペットショップで動物たちを愛しながら暮らすこと、テンマレンジャー/天重星・将児はボクシングの世界チャンピオンになること、キリンレンジャー/天時星・知は都会的な美容師としてやっていくこと、中国からの留学生、ホウオウレンジャー/天風星・リンは大学で勉強すること。彼らの夢は将来的にどこまで叶うのかわからない"発展途上"の状態だが、悪との戦いと同じくらい一生懸命に夢を追いかけるダイレンジャーの姿は、観る者に熱き情熱と深い感動を呼び覚ます役割をはたした。

今回の『キラメイジャー』では、現代を生きる子どもたちの"憧れ"たる「eスポーツ」で成功している者がいたり、「イケメン人気アクション俳優」として劇中で"別な役柄を演じる"者がいたりと、今までのシリーズでは見られなかった意欲的な"職業設定"を次々に盛り込んでいる。キラメイジャーというだけあって、外見のまばゆさ・きらびやかさと一緒に、精神面の美しさ・きらめきをも強烈にアピールしていると思われ、3月8日のテレビ放送開始が今からひたすら待ち遠しい。

発表会見に先立ち、キラメイジャーが変身~名乗りポーズを披露し、ヨドン軍との迫力あるアクションが繰り広げられた。

その後、MC(スーパー戦隊愛が強すぎるフリーアナウンサー・宮島咲良)の呼び込みによって、改めて本作のメインキャストがステージに現れ、文字どおり目をキラキラと輝かせながら本作への意気込みを語った。

キラメイレッド/熱田充瑠(あつた・じゅうる)役の小宮璃央(こみや・りお)は「僕は現場の中でも最年少で、お芝居の経験がないので先輩たちに手を貸していただきながら、この1年間でどのくらい成長できるか、みなさんに見守ってほしい」と緊張気味に挨拶した。

キラメイイエロー/射水為朝(いみず・ためとも)を演じる木原瑠生(きはら・るい)は「長いようで短いこれからの1年、たくさんの人にきらめいていただきたい」と、これからの1年間で自身の魅力を打ち出したい思いを伝えた。

キラメイグリーン/速見瀬奈(はやみ・せな)役の新條由芽(しんじょう・ゆめ)は「歴史あるスーパー戦隊に"ヒーロー"として参加できるのを嬉しく思います。この1年で瀬奈と共に成長できたら」と、明るい笑顔で抱負を述べた。

キラメイブルー/押切時雨(おしきり・しぐる)を演じる水石亜飛夢(みずいし・あとむ)は「小さいころからヒーローに憧れていましたので、夢が叶って嬉しく思っています。あのころヒーローから貰ったものを、今の子どもたちにプレゼントできるよう精いっぱい頑張ります」と、子どもたちの憧れのヒーローになれた喜びと決意を熱く語った。

キラメイピンク/大治小夜(おおはら・さよ) 役の工藤美桜(くどう・みお)は「観てくださる方たちに"キラキラ"を届けたいですし、私自身もキラキラ輝けるよう精いっぱい頑張ります」と、まぶしい微笑みをふりまきながら意気込みを話した。

マブシーナの父オラディン王の友人で、キラメイジャーの協力者・博多南無鈴(はかたみなみ・むりょう)を演じるお笑い芸人の古坂大魔王は「僕だけ46歳と年上ですので、この場にまだなじめておりません」と若いヒーローたちを前にして自虐ネタで笑いを取りながら「僕の役柄はキラメイジャーのバックアップ、サポートをする人物。ここにこうして出られるなんて、テニスのダブルスでいうところの前衛に対する後衛(こうえい)="光栄"です!」と、さすがの細かいギャグを織り交ぜつつ挨拶した。

それぞれの役柄について、小宮は「充瑠は「絵」と「想像すること」が好きなふつうの高校生。いったん絵を描きだすとめちゃくちゃにはしゃぐので、変人扱いされています。最初の撮影は慣れなくてはしゃげなかったんですが、(山口恭平)監督から"もっとやれ!"と言われたので、次第にみんなの前でも"ヒャッホウ!!"と叫べるようになりました!」と、テンションの高まりをいかに表現するかで苦労したことを打ち明けた。

木原は「為朝はeスポーツの名手という設定なので、ゲームの練習をちゃんとやろうと思い、ゲームをダウンロードしすぎて映像が見られなくなってしまいました」と、ゲームの練習熱心が裏目に出てしまった裏話を明かした。また新條は「日本記録を持つ100mランナーですから、走る練習をしようと思い、撮影が始まる前にカッコよく走るランニングフォームを練習しました」と、瀬奈の走るシーンに注目してほしいとアピールした。

水石は「僕の役柄は人気のアクション俳優で剣の達人。クールにふるまいますが、実は……という設定です。アクション部のレジェンドの方々に手ほどきを受けて、せいいっぱい頑張ります。劇中では俳優らしく、時代劇などいろいろな役どころを演じます」と、異色の「アクション俳優」という設定を楽しみながら演じる姿勢を見せた。工藤は「天才外科医なので手術シーンがありますが、私自身は手先が不器用なんです。現場では助手役の方と一緒に練習をしましたので、手術シーンに注目してほしい」と、"失敗しない"外科医の雰囲気を出せるよう努力したと語った。

古坂は「無鈴はキラメイジャーのみんなをサポートする役。金銭的にもサポートするので、役作りとしては多めにお金を入れて来ています。10から20くらい。ペソですけど」と隙あらばギャグを入れる姿勢を崩さずに「謎の多い役です。出てくるセリフとか"なんでこんなこと知ってるの?"みたいな感じで、鍵男、キーマンです。映像を観てワクワクし、現場ではいつも楽しみながらやってます」と、自身のキャリアとしても珍しいドラマ撮影の現場を楽しんでいることを明かした。

キラメイジャーの名前にちなみ、キャスト陣それぞれが「誰にも負けないキラキラしたところ」をフリップで掲げた。

小宮は「運動をしている時」と書き「所属しているダンス&ボーカルグループで激しいダンスを踊っている瞬間」がもっともきらめいている時だと、にこやかに語った。

木原は「好きなことを語っているとき」と書いて、自身が大好きだという『仮面ライダークウガ』の五代雄介(演:オダギリジョー)が回りの人たちを励ますときに用いるサムズアップのサインをして見せ、いかにこのサインが劇中で重要な意味を示しているかを熱く語ってみせ、古坂に「彼がこんなに喋っているのを初めて見た」と驚きの顔を向けられた。

新條は「撮影の時」と書き「キラメイジャーの撮影がすごく楽しいですし、やりがいがある」と本作の撮影をしている時すべてが自分にとってキラキラ輝いていると満面の笑みで語った。

水石が掲げた言葉は「芝居」。「何事にも夢中になれなかった僕を変えてくれたのが"芝居"することでした。僕の芝居を楽しみにしてくださっている方からの手紙など、レスポンスが返ってくるのを見たときがキラキラする時ですね」と、ファンからの熱き応援を受けたときの喜びが大切だと話した。

工藤は「おいしいご飯を食べている」ときがいちばんキラキラしていると語り、特に「ラーメンが好き。特に"背脂"が乗っているラーメンが好きです」と、何でもおいしそうに食べる姿がファンの心の癒しになっていることを明かした。

古坂は「娘をお風呂に入れて、風呂から上がって娘をふいて、やっとこ自分ふきはじめて鏡にうつった自分を見た時」と、1歳半の愛娘をお風呂から上げた直後、まだ濡れたままの全身を鏡で見たときの自分が"キラキラしている"と、やけに具体的に自身の光っている瞬間(2秒)を挙げた。古坂は、1日の仕事が終わって娘と一緒にお風呂に入るときがいちばん"幸せ"な瞬間がもっとも輝いていると語り「好感度UPを狙ってます」と言って笑った。

人気声優・水瀬いのりがキャラクターボイスを務める「マブシーナ」が古坂の呼び込みに応じてステージに登場し、華麗なる仕草で挨拶を行った。

続いて、大西洋平がオープニングテーマ「魔進戦隊キラメイジャー」を、出口たかしがエンディングテーマ「キラフル ミラクル キラメイジャー」を熱唱。現在放送中の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』でも好評の「エンディングダンス」は本作にも受け継がれており、3月8日放送の第1話エンディングにてダンスの全容が明らかになるそうだ。

3月8日の放送スタートに先駆けて、2月8日に公開される『スーパー戦隊MOVIEパーティー』では、『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』と同時上映で『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』が公開され、物語の前日譚が語られる。

『魔進戦隊キラメイジャー』は、2020年3月8日あさ9:30から放送開始。さらに、5人の戦士たちが使用する変身アイテム「煌輝変身ブレス DXキラメイチェンジャー」(4,400円/税込)をはじめとした関連玩具が2020年3月7日に発売される。「DXキラメイチェンジャー」はブレス型の変身アイテム。ブレス中央のヒーローマスクのアイコンをタッチすると「キラメイGO!」の音声が発動、待機音が鳴る。そのままブレスのタイヤ部分を回転させることでキラメイチェンジし、キラメイジャーに変身する。「DXキラメイチェンジャー」にはキラメくマルチLEDを搭載しており、変身音声と共にブレスの中央が華やかに発光する。その他の機能については、スーパー戦隊おもちゃウェブ公式サイトや公式Twitterで随時公開予定。

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