俳優で歌手の木村拓哉がこのほど、主演を務めるフジテレビ開局60周年特別企画ドラマ『教場』(1月4日・5日21:00~)の取材に応じ、生徒役キャストたちとのエピソードを明かした。

  • 『教場』ポスタービジュアル=フジテレビ提供

長岡弘樹氏の同名小説が原作の同ドラマは、木村演じる警察学校のカリスマ教官・風間公親が、極限状態を生き抜く生徒それぞれのよこしまな思惑を暴いていくミステリー。“風間教場”の生徒たちには、工藤阿須加、川口春奈、林遣都、葵わかな、西畑大吾(なにわ男子/関西ジャニースJr.)、井之脇海、富田望生、味方良介、村井良大、大島優子、三浦翔平が名を連ねる。

撮影現場の様子について、木村は「すごくイキイキしていましたよ」といい、「熱量としては間違いなくとてつもないと言っていい熱量だと思うし、1つ1つトーンは決して高くはないと思うんですけど、熱量はすごく高かったです」と強調。生徒役キャストとのエピソードを聞くと、「夜になりますよ(笑)」と言うほどだ。

撮影に入る前、セットもないスタジオで、木村が号令をかけ、生徒たちが動きなどのトレーニングをする機会があったそう。当時を「みんなが着替え、そのときはすごく暑かったので、帽子をうちわ代わりにして集まった面々が、『それどうやって締めているの?』『どうやって付けているの?』という“コスプレ”から始まったんです」と振り返る。

その機会が3回目くらいになったときに、三浦の希望で主要メンバーが集まり、木村が「カメラの前に立つ状態が10だとしたら、自分らは今いくつだと思う?」と問うと、「2もいってないと思います」という答えがあったそう。その時点で、トレーニングの機会が残り3回となっていたことから、木村が「今日中に5まで上げようよ」と提案すると、「撮影当日に向けて、全員のギアが入ったんです」とターニングポイントがあった。

それからというものの、「帽子であおぐ人間は1人もいなくなったし、待ち時間に背もたれを使う人が誰一人いなくなって、『今日中に5まで上げろ』って言ったら、全員が気持ち悪いくらいでかい声で『はいっ!!』って言って」とモチベーションに変化が生まれたそうだ。

撮影に入ってもその緊張感は続いていたようで、「室内のシーンが終わって『おつかれさまです。みんな帰っていいよ』ってなっても、素直に『おつかれさまでした』って帰る人がいなかった。みんな『すみません、付き合っていただいていいですか?』って言うので、号令をかけて一連の動きをいかに全員がちゃんとできるようになるかっていうのを、もうひたすらやっていました。これは、大島優子だから、三浦翔平だから、工藤阿須加だからという個人とのエピソードではなくて、本当に全員やっていました」と、その様子を明かす。

警察学校を舞台にしているが、「“学校モノ”ってそういう思いが言わなくても発生してくるんですよね。生徒たちの間に『なんであいつできないんだよ!』とか『もっとやれよ!』という空気がどんどん生まれてきて。そこは10代そこそこの若者ではなく、しっかり相手を思うことのできる大人だから無駄な衝突にはならなかったと思うんですけど、さっき言った現場の熱量というのは、常にそういう部分でありました」としみじみ語り、「自分という表現ももちろんしなきゃいけないんだけど、自分以外の全員を感じて、傍らで捉えている風間。変といえば変ですけど、すごく素敵な現場ではありましたね」と回想していた。

(C)フジテレビ