V6の坂本昌行が、12月29日に放送されるWOWOWのドキュメンタリー番組『錦織圭 覚悟~節目の一年を迎えて~』(16:00~)でナレーションを務めることになった。

ドキュメンタリー番組『錦織圭 覚悟~節目の一年を迎えて~』でナレーションを務めることになった

坂本昌行

2019年は全豪、全仏、ウィンブルドンとベスト8に進出し、2018年から数えてグランドスラム5大会連続ベスト8以上を記録した錦織圭。今年7月にはツアー通算400勝を達成し日本男子では歴代最多となる記録を打ち立てた。安定して勝利を重ねてきた錦織だったが、9月に右肘の負傷で離脱を余儀なくされ、ツアーを最後まで戦うことができなかった。そんな中、錦織は、2019年12月29日の放送日に30歳を迎える。番組では、この大きな転機を迎える錦織を追いかけ、20代最後の1年となったツアーを振り返りつつ、これまであまり語られてこなかった彼の人生観に迫る。そしてその素顔から見えるプロテニスプレーヤー錦織圭という人物を解き明かしていく。

普段からテニスの試合をよく観戦しているという坂本は、今年の錦織の活躍について「連続でベスト8以上というのはすごいと思いますが、グランドスラムではナダル、フェデラーといったレジェンドたちになかなか勝てないというジンクスみたいなものがあり、今年もそれを乗り越えられなかったのは本人が一番もどかしさを感じているのではないでしょうか」と話しつつ、「グランドスラムで彼らとしっかりと闘えたことは、大きな自信になっていると思います」と印象を語った。

全米オープンでは3回戦で敗れ、その後、肘の手術を受けたことに関しては、「錦織選手と比べるのはおこがましいですが、ケガをして悔しい思いをしている彼の心境はよく分かります」と語る。自身も今年膝の手術を受け、懸命にリハビリを行っている。「頑張ってください、応援しています、待っていますという周りの人の言葉はとてもうれしいのですが、実際はメスを入れたところの痛み以上にメンタルの方が辛い時期がありました。ですから、今錦織選手にどんな声をかけたらいいのか分かりません」と、ケガをしたときの苦しい胸の内がよく分かるという。

続けて、「僕もそうでしたが、錦織選手も絶対に治したいという気持ちでリハビリに取り組んでいると思います。僕の場合はマイナスなことは考えないようにしました。ただ、常に前向きになるのは難しいことで、一歩前進しては半歩後退する毎日でした。少しずつ出来ることが増えてくると気持ちが前向きになってきました」と振り返る。また、早く復帰したくて無理をするのは禁物だともいい、「焦ることはないと思います。僕はずっと錦織選手のプレーを見ていたいので、じっくりと時間を使って、万全な状態になってからラケットを握ってほしいです」エールを送った。

錦織は12月29日に30歳を迎える。坂本にとって30歳は、大きな転機を感じたときだったという。「スポーツ選手と一緒にしてしまうのは失礼ですが、選手生命ならぬアイドル生命というのはそんなに長くはないと当時は感じていたので、焦りみたいなものは確かにあったと思います」。一方で、30歳になってみて初めて気づいたこともあった。「30歳になったときに、それまでの自分の中で感じていた"アイドル像"から解放された気がしたのです。肩の荷が下りたという感じで『素のままの自分でいいのだ』と思いましたね。アイドルという殻を破り、自由になれたような気がしました」。

坂本自身もかつてそうであったように、「錦織選手も今は周りから年齢のことはよく言われていると思います」と錦織の現在の状況が想像できると言う。しかし、その声は気にする必要はないと強調する。「30歳になり精神的なプレッシャーから解き放たれたときに、もう1つ上のステージに行けると思うのです。それまでのがむしゃらに頑張ってきた気持ちがなくなって、より目的がはっきりと見えてくる」と、30代になり一皮剥けた錦織に期待していると語る。

最後に、坂本は「勝利する姿を見ることが一番ですが、僕はできるだけ長く彼のコートで躍動している姿を見続けていたいです。もはや彼は日本のレジェンドだと思うのでいつまでも後進たちの大きな目標になっていてほしいです」と熱っぽく語った。