芸人発掘番組『マイナビ Laughter Night』(TBSラジオ/毎週金曜 24:00~)の第5回チャンピオンライブが、23日に東京・よみうりホールで開催された。お笑いコンビ・真空ジェシカが優勝し、TBSラジオでの2時間冠特番の権利と賞金100万円を獲得した。

  • 左からガクカワマタ、川北茂澄、山里亮太

このライブは、同番組の月間チャンピオンが集結し、観客投票でグランドチャンピオンを決めるというもの。トンツカタン、ダンビラムーチョ、納言、かが屋、ギフト☆矢野、ななまがり、ママタルト、真空ジェシカ、ザ・マミィ、宮下草薙、錦鯉、まんじゅう大帝国の順でネタを披露。

真空ジェシカが優勝したほか、お笑いトリオ・トンツカタンが「マイナビ賞」に選ばれて10万円を獲得した。

ライブを終えた直後に、グランドチャンピオンに輝いた真空ジェシカ、「マイナビ賞」を受賞したトンツカタン、MCを務めた南海キャンディーズ・山里亮太が、それぞれ取材に応じた。

■グランドチャンピオン・真空ジェシカ(ガクカワマタ、川北茂澄)

――優勝した感想をお聞かせください。

川北:本当に、お笑いのある世界に生まれてよかったです(笑)。それに、(第2回、第3回大会優勝の)空気階段が一緒に定期的にライブやっている仲で、同期でもあるので、後に続けて良かったです。

ガク:僕ら、優勝とか今までに1回もしたことがなくて、優勝できるとしたらこの『マイナビ Laughter Night』だけだと思っていました。今週、『M-1』(準々決勝)に落ちたばかりだったということもあって。

川北:『M-1』はちょっと“お利口さん”にしないといけないところがあるんです。でも、『マイナビ Laughter Night』は好きにやって良くて、ザラザラした感じのお笑いでも許されるんですよね。本当に独特で、こんなに何でもできる大会は他にないと思います。

ガク:そうですね。やりたいことをやったら(お客さんが)受け入れてくれる感じがあるので、楽しかったし、それで勝てて良かったです。

川北:こんなにウケるんだったら、M-1でもこのネタやれば良かった(笑)。

――優勝賞金の100万円は何に使いますか。

川北:僕、『ぷよぷよ』が好きで、芸人仲間で今日出ていたママタルトの2人とかともよくやっているんですけど、『ぷよぷよ』が好きなのにNintendo switchを持っていないがためにできない芸人たちがいるので、その子たちにswitchを買ってあげたいですね。

――ちなみに、賞金は折版ですか。

ガク:折版ですよね?

川北:……ちょっと真剣に時間を作りたいです。簡単には答えられないです(笑)。

――最後に今後の目標を聞かせてください。

ガク:空気階段がこの大会からラジオのレギュラーをやっているので、空気階段にも自分の番組を1本もってもらって、その枠でレギュラーをやりたいなと思います。ラジオは(全般的に)聴いてないけど(笑)。

川北:ラジオを聴くようになりたいですね(笑)。

■マイナビ賞・トンツカタン(菅原好謙、森本晋太郎、櫻田佑)

――トップバッターという難しい順番ながら、「マイナビ賞」を獲得しました。

森本:正直、トップバッターって言われた時点で、気楽にやろうっていうのがあったので、それがうまいこと結果に作用したのかなと思いました。

櫻田:トップバッターにしてはウケてはいました。

森本:自分で言うことじゃないんですけどね(笑)。

――グループとしての今後の目標は何ですか。

森本:僕個人としてはラジオがやりたいです。で、彼ら2人もそれをすごい応援してくれているんで。

菅原:僕らは本当に森本にラジオをやらしてあげたい!

森本:僕の夢を叶えるっていう夢があるみたいなので、それに甘えて次は勝って、夢のTBSラジオで特番をやらせていただきたいです。

――もともとラジオがお好きなんですか。

森本:そうです。ラジオきっかけでお笑い業界に入ったので、最終目標ですね。特に大学時代はJUNKほぼ全て聴いていて、はがき職人もやっていましたし、山里さんのラジオ(『山里亮太の不毛な議論』)にも投稿していました。だから結構、ジレンマがあって。言おうか言うまいかみたいな…。

菅原:じゃあ、今日、うれしかったんだ!

森本:でも、言わなかった。

菅原:うわ~!

森本:結構、番組の中で読んでいただいて、ノベルティとかも持っています。今日、持って行っちゃおうかなとも思ったんですけど、持って来なかったです。

――山里さんにはがき職人をしていたことを告げる予定はありますか。

森本:最速では今日の打ち上げですね(笑)。すぐに言っちゃう可能性はあります。

――では、目標はご自身がJUNKのパーソナリティをやることなんですか。

森本:いや~、でもJUNKは盤石なんでね…僕らみたいなモンが邪魔するような場所でもないと思いますし、特番をちらっとやらせていただけたらうれしいです。気軽には言いたくないというか、じゃあ、誰かがいなくなっちゃうということですもんね。それくらいラジオ愛はあります。

■山里亮太

――ライブを終わっての感想をまずお聞かせください。

めちゃくちゃ面白かったです。呼吸できないくらい笑っちゃった場面が何回もありましたし、ずっと笑ってました。『マイナビ Laughter Night』はネタ時間とかの制約が意外と少ないんですよね。なので「一般ウケがどうのこうの」とか細かいことを気にしないで、自分の好きなネタがフルスイングでできるんだと思います。

――それは、かが屋の加賀さんがライブ中に言ってましたが、「お客さんの勘がヤバい」というのも関係しているんですかね。

そうですね。笑い声を聞きながら、自分の好きなネタを5分以上やり続けるのは、この仕事をやっていて一番幸せな時間です。お客さんがその時間をみんなにくれるというか、空間をみんなでつくっている感じ。お客さんの笑い声に芸人さんも呼応して、結果的に全員が面白かったですから。

――確かに、全組のネタで大きな笑い声が起きていました。

よくある例えになっちゃうんですが、お客さんは"共犯者"です。でも、皆さんが死ぬほど笑い声をくれて、それを超メジャーな場所に持っていって無残にすべることもあって。

――ライブの舞台裏はどんな様子だったんですか。

ネタが終わった後も、みんな舞台袖に来て、手を叩いて笑ったりしていました。戦いなんだけど、みんながそれぞれ面白いものをやっている同士という感じで、すごいカッコイイんですよね。『マイナビ Laughter Night』は芸人のカッコいい姿を見られる感じで、すごい好きです。

――甲乙つけがたいと思いますが、印象に残ったネタはありますか。

全部面白かったですが、「お笑いって良いな」って思ったのは、錦鯉さんですね。おじさんがふざけたことやるってこんな面白いんだって、すごい楽しかったです。あとはかが屋かな。あんなネタを書いて演じ切って、舞台に立っている世界を見てみたい。どんな気持ちなんだろうなって。

――山里さん自身も刺激を受けたんですね。ライブ中、山里さんは「同世代じゃなくて良かった」とも漏らしていました。

なんかうらやましいですよね。芸人って、ネタでボカスカ笑いをとっている姿が一番カッコいいから。でも、「同世代じゃなくて良かった」というのは敗北宣言ではなくて、「じゃあ今、自分がこの状況で何ができるか、どうやったらあの子たちと戦えるのか」と考えたとき、まったくないことはないと思っていて。それがすごい幸せですね。

――グランドチャンピオンに輝いたのは真空ジェシカでした。

ネタ順も良かったし、やっぱりネタも面白かったですよね。でもどの芸人さんも面白くて、僕が優勝者を読み上げたんですけど、誰が書かれていても驚かなかったと思います。

――優勝した真空ジェシカは、特典としてTBSラジオの冠特番出演権を獲得しました。ラジオの先輩としてアドバイスはありますか。

ここでアドバイスを言って、面白いラジオをやられるのはイヤなので…。旬のアーティストでも呼んで、音楽性についてのトークすればいいんじゃないですかね(笑)。

――なるほど(笑)。その他にも大会には多くの若手芸人が出演されました。お笑い界の先輩としては、なにかアドバイスはありますか。

なんだろうな、時代がちょっとずつ変わってきてるから、なにが答えなのか分からないですけどね…。でも、俺がいる芸能界の戦い方をゴールに設定していないんじゃないですかね。

――テレビ以外にも、YouTubeなど様々なメディアで活躍する芸人さんも増えてきてますよね。

そうそう。面白いものをみんな持っているので、それを少しでも多くの人に見てもらったり、いやらしい話、少しでも多くの金になったりする方法と結び付けてくれる人としっかり出会うことが大事かなと。『マイナビ Laughter Night』、そしてTBSラジオは面白い人たちに手を差し伸べ続けるので、そういう機会にちゃんと全力でやれば、なんとかなるんじゃないですかね。だって、あれだけ面白いんですから。

そして僕らの世代は、上の世代の人たちが僕たちにやってくれたように、「今日来たメンバーの人たちはこんなに面白いですよ」って見せられる場所をつくらなきゃいけないと思います。僕らが打席を増やせるように頑張るので、若い人たちは面白いネタをつくり続けてほしいですね。山里とやりたいと思ってくれれば、僕の株も勝手に上がりますので、それ狙いですが(笑)。

――大会の模様は11月29日と12月6日の「マイナビLaughter Night」で放送されます。最後に聴きどころをお聞かせください。

とにかく面白いので、ぜひ聴いてほしいです。そして面白いと思ったら、コンビの名前をツイッターで呟いて発信したり、実際にライブに行って見たりもしてほしいですね。

■TBSラジオ『マイナビ Laughter Night』(毎週金曜 24:00~25:00)
リスナー投票型の「芸人発掘」ラジオ。毎月開催されるオンエア争奪ライブ(公開収録)の中から、観客投票上位の芸人がオンエアされる。オンエアされた芸人の中から、リスナー投票数・YouTubeの再生回数・番組審査員による採点を総合して「月間チャンピオン」を決定。1年に1度、月間チャンピオンが集結する「チャンピオンLIVE」が開催される。