そろそろ、お鍋が恋しい季節。食レポ取材も鍋料理が多くなってきた。昔ながらの和風の鍋や趣向を凝らした洋風鍋など、さまざまな鍋料理が楽しめる東京都内。そんな中で、ひと際注目を集める斬新な中華鍋を食べられる店に行ってみた!

  • 斬新な美味しさ! 「粥ベジ鍋」ってなんだ!?

    こんな感じで野菜を粥に入れてしばし火を通す

渋谷スクランブルスクエアで味わう、斬新な「中華鍋」

その店とは、11月1日に開業したばかりの「渋谷スクランブルスクエア」の12階にオープンした「Gu-O(グーオ)」。老舗中華料理店「銀座アスター」の新業態だ。高級感漂うエントランスの床には、プロジェクターで鯉が泳ぐ影が映写され、その鯉が壁に掛けられた絵に昇って行くように見えるという、粋な演出が。さすが銀座アスターが手掛ける店だけあって店舗デザインも凝っている。店内に入ると、客席の壁面がガラス張りになっていて、渋谷の街並みが眼下に見渡せる。着席する前から気分は最高だ。

  • 渋谷スクランブルスクエアのレストランフロアでひと際高級感のあるエントランス

こんな気持ちいい景色を眺めながらいただける「Gu-O」のメインメニューが「粥ベジ鍋」。思わず、「えっ? お粥と野菜? で鍋? 」と聞き返してしまいそうだが、粥鍋とは、もともと広東料理で、白いお粥を鍋にしてしゃぶしゃぶのようにして食べる料理なんだとか。 銀座アスターでは、10年ほど前に宴会コース料理の1つとして提供したことがあり、大変好評だったという。そこで、今回渋谷スクランブルスクエアに出店するにあたり、滑らかな粥に中華出汁と野菜由来のペーストを合わせたスープに、野菜や肉、魚介などをくぐらせて食べるという新しい粥鍋を作り、新業態としてオープン。

スープは「白」(塩麹と白大根)、「緑」(パクチーとほうれん草)、「黄」(黄とうがらしと南瓜)、「赤」(ビーツとドライトマト)、「茶」(ポルチーニとモリーユ)の5種類を用意している。こちら、来年がオリンピックイヤーということもあり、五輪に合わせてカラーの違う5種類の粥にしたそうで、ちょっとした遊び心から誕生したようだ。もともとの粥鍋は薬味がついているものだが、「粥ベジ鍋」はそれぞれのスープにしっかり味がついているので、野菜や肉をタレにつけることなく、粥をまとわせてそのまま食べることができるのが特徴だ。

粥の旨味をまとった食材たちをペロリ!

中央に仕切りのある鍋で、2種類のスープを選ぶことができる。今回は、「赤」と「黄」を食べてみた。

  • 色鮮やかな粥スープがテーブルに運ばれてくると俄然テンションが上がった

その名の通り、野菜ときのこをたっぷり食べられるヘルシーさがポイントで、一人前3,300円(税込/2人前より)のコースの具材には「きのこ7種盛り合わせ」、「リボン野菜4種」「葉野菜3種」「湯葉1種」がついてくる。また、「豚肉」「海老」(各税込880円)等、具材の追加もできる。

  • 野菜、きのこをたっぷり食べられてしかも満足度は相当高い

まずは、キクラゲ、シイタケ、舞茸、モリーユといったきのこと、ズッキーニ、紫大根、ケールなど野菜を鍋に入れて食べてみた。黄色いスープにくぐらせたズッキーニやモリーユが、まったりと粥の旨味をまとい美味しい!

  • 高級なきのこ、モリーユも!

そして「黄」のスープは結構辛い! ちょっと想像していなかった、喉の奥にガツンとくる辛みで結構インパクトあり。その分、かなりクセになりそう。粥は、しっかりと米粒がわかる感じだが、所謂「お粥」というイメージよりは意外とサラっとしており、野菜、きのことの相性は抜群。ちょっとスープカレーっぽさもある。具材がどれも新鮮で尚且つ、スープとマッチしているので、飽きることなく次々と食べられる。

「赤」の方はミネストローネ風ということで、ドライトマトが使われているが、トマトっぽい匂いや味はそれほど感じないからトマトがあまり得意ではない筆者でもかなり美味しく食べられた。ほどよい塩加減で旨味もあるから、物足りなさは微塵も無し。豚肉、海老をスープにつけても美味しいのだが、やはり野菜との相性が抜群でたくさん食べたくなる。野菜ということもあり、お腹いっぱいになるぐらい食べても、食後感がすごく軽やかでイイ。

  • 豚肉も粥スープにくぐらせると旨味がさらに際立って美味しい

また、趣向を凝らした「和中華タパス」も魅力的。「鶏レバーペースト」「くるみのキャラメリゼ」「彩野菜のピクルス」「甘酢野菜のラぺサラダ」「翡翠色のよだれ鶏、神楽南蛮の辛味」「生姜の香りの根菜の和パテ、セサミパン添え」「くらげとキクラゲのわさび醤油和え」等々、種類豊富なメニューが揃っており、お酒のお供にぴったり。

  • タパスプレートが付くコースもあり。お酒が進んで止まらない

コース料理についてくる「タパスプレート」は、その都度違った内容が楽しめるようだ。ドリンクには、「白:麹カクテル」や「緑:パクチーモヒート」等、「粥ベジ鍋」に合わせた5種類のGu-Oオリジナルカクテルもあり(各アルコール:税込715円 / ノンアルコール税込660円)。今回は一番気になった「茶:ポルチーニカクテル」のアルコール入りを飲んでみた。ポルチーニ茸の粉末が使用されており、風味が感じられて飲みやすく美味しい。しかしなんとも形容しがたい不思議な味なので、是非実際に試してみてほしい。「鶏レバーペースト」等をつまみながら、チビチビと色んなドリンクを飲んだら、ついつい長居してしまいそうだ。

奇抜さではなく、中華料理の確固たる美味しさと斬新さがバランス良く最高の味を構築している「粥ベジ鍋」。5種類のスープをそれぞれ試したくなってリピーターになる人もいるはず。大人数での宴会も対応可能だから、忘新年会の幹事は要チェックだ。鍋で使われる「粥ベジソース」を使ったランチメニューなどもあるので、まずはその味を確かめに行ってみてほしい。

●information
「Gu-O」
東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア12階
営業時間:11~23時(フードLO.21時30分、ドリンクLO.22時)
休:施設に準ずる

著者:岡本貴之

1971年新潟県生まれのフリーライター。音楽取材の他、グルメ 取材、様々なカルチャーの体験レポート等、多岐にわたり取材・ 執筆している。好きなRCサクセションのアルバムは『BLUE』。趣味はプロレス・格闘技観戦。著書は『I LIKE YOU 忌野清志郎』(岡本貴之編・河出書房新社)」