JR東日本は12日、現在はBRT(バス高速輸送システム)運行区間となっている気仙沼線柳津~気仙沼間と大船渡線気仙沼~盛間について、鉄道事業法第28条の2(事業の廃止)にもとづき、国土交通大臣の鉄道事業廃止の届出を行ったと発表した。

  • 気仙沼線BRTは気仙沼駅付近で大船渡線と並走

気仙沼線柳津~気仙沼間と大船渡線気仙沼~盛間は東日本大震災で甚大な被害を受け、復旧に向けて解決すべき課題も多く、相当の時間がかかると想定されたことから、BRTによる仮復旧を沿線自治体に提案。気仙沼線は2012年8月からの暫定運行を経て同年12月から運行開始し、大船渡線は2013年3月からBRTでの運行を開始している。

気仙沼線BRT・大船渡線BRTは線路敷を活用した専用道を整備することで、渋滞や信号待ちの少ない安定した運行が可能に。気仙沼駅・盛駅では鉄道とBRTが同じホームに乗り入れ、段差を極力なくしたレイアウトで乗換えの利便性を高めている。トイレや待合室を備えた明るくスマートな駅を整備し、GPSを利用したロケーションシステムにより、最新の運行状況を駅のモニターやスマートフォンなどへ提供。地域の声に応えて駅も新設し、運行本数は鉄道運行時との比較で1.5~3倍となっている。

  • 大船渡線BRTは盛駅付近で三陸鉄道リアス線などと並走する

JR東日本は今回の発表で、道路運送法にもとづきBRTを運行しており、「鉄道事業の廃止による運行・サービス水準の変更はございません」と説明している。